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マーケティング担当者が実践したChatGPTの活用事例3選!

こんにちは。
クラウドサーカス(以下、CC)採用担当です。

昨今、生成AIに関する話題で溢れていますが、具体的にどう活用すれば業務改善や売上向上につながるのか、その実践例は意外と少ないのではないでしょうか。本記事では、ファンテック事業部のマーケティング担当・渡邉さんが取り組んだ、実際のビジネス成果に結びついた生成AI活用事例を紹介します。単なる技術解説ではなく、明日から使える実務直結のヒントをお届けします。

事例1:インサイドセールスのアポイント内容の要約を自動化

課題と背景

インサイドセールス(以下、IS)部門では、ファンテック事業部のIS業務をスタッフさんメインで運営しています。IS業務は連続的に架電をするため、アポ獲得内容の記載時間がアポ獲得から数時間が経過してからになることもあるため、忘れてしまっている内容を聞き直す必要があり、この聞き直し作業の負担が増大して、架電業務などにも影響が出ていました。

AIを活用した解決策

この課題に対し、「amptalk」による音声文字起こしと、ChatGPTによる自動要約の仕組みを導入しました。適切なプロンプト設計により、標準フォーマットに沿った要約が自動生成される仕組みです。わずか1時間程度の設計時間で構築できました。

実装のポイント

プロンプト設計では、ISスタッフのペルソナを設定した上で、部門で標準化されたフォーマットに基づいて要約するよう指示しました。これにより、接触の背景、資料のダウンロード状況、エンドクライアントの業界情報、興味を示した項目など、必要な情報が漏れなく整理されます。

また、未確認項目も適切に分類されるため、オンラインセールス担当に依頼するべき追加確認事項も明確にすることができるようになりました。

成果

この取り組みにより、記録の質を維持したまま月間約200分(3.5時間)の業務時間削減を達成。1件あたりの記録時間が約4分から2分に短縮され、その2分間も他業務と並行作業が可能になりました。結果的に顧客対応に充てられる時間が増加し、サービス品質の向上にも寄与しています。

事例2:インターン生向けの効果的な教育コンテンツ制作

課題と背景

ファンテック事業部単体で、展示会に出展したときの事例になります。このイベントへは、事業部のメンバーにプラスして、内定者インターンをしていたメンバーにも参加してもらいました。

内定者インターン生が展示会初参加だったこともあり、参加にあたっての心得的な文脈も身につけてもらうことと、ファンマーケティング(※注1)ツールの「Metabadge(メタバッジ)」を紹介できるレベルまで成長してもらう必要がありました。

この2つを短期間で習得してもらうには、単なる座学では製品の魅力を伝える力が身につかないと思い、より実践的なスキルを習得させるコンテンツが展示会成功のカギでした。

AIを活用した解決策

そこで、約3時間ほど作業時間を充てて、研修資料、社内資料、製品資料をChatGPTに入力し、クイズ形式でかつ解説付きの実践的な学習コンテンツを作成しました。

実装のポイント

プロンプト設計では、単なる知識確認ではなく、営業シーンを想定した実践的な内容となるよう工夫しました。初期段階では不適切なクイズも生成されたため、明確な意図・目的を伝えて出力の質を高めていき、改善を重ねました。最重要ポイントとなるリード獲得(QRコード読み取り)を強調し、顧客が抱える課題への共感と解決策提示というトーク構成も盛り込んだことで、インターン生が移動時間などでも自主的に学習できる環境を提供できたと思います。

成果

この教育コンテンツを活用した結果、参加したインターン生2名が既存社員と同水準の成果を達成しました。具体的には、名刺収集数やその場でのアポイント調整件数など、量的・質的な両面で期待以上のパフォーマンスを発揮しました。インターン生からも「現場で自信を持って対応できた」との前向きなフィードバックが得られています。

事例3:Python未経験でもChatGPTを駆使した顧客データ分析と商談獲得

課題と背景

ファンテック事業部の課題として、Metabadge拡販のための掘り起こし架電をしていたのですが、リスト不足に直面していました。そこで、CCで活用している顧客管理ツールやこれまでのリードなどを分析していく中で、最後にアプローチしたのが1年以上前のデータに可能性があるのではないかと仮説を立て、解決策を模索したのです。

AIを活用した解決策 

IS全体を統括するメンバーや情シスのメンバーとも連携し、VSCodeを活用して、過去7年分の活動履歴、約数十万件のデータを特定キーワード(例:ファンマーケティング、Twitter、Instagram)を含む記録を抽出・レポーティングするシステムを構築しました。

実装のポイント

プログラミング未経験という壁をChatGPTとの対話で突破。「これは何ですか?」という基本的な質問から始め、エラーメッセージを共有しながら修正案を得るという地道なプロセスを繰り返しました。抽出データは過去の会話履歴に基づいたトークスクリプトと連携させ、関連性の高いアプローチを実現しています。

成果

この取り組みにより、従来アプローチできていなかった潜在顧客の掘り起こしに成功。2024年度で約300件以上の商談機会を創出し、10件の受注獲得に貢献しました。特に注力した8月以降は月60件を超える商談創出を達成した月もあり、事業成長に大きく寄与する結果となりました。

まとめ

これらの成功事例から見えてきた、ビジネスシーンでの効果的なAI活用のポイントは以下の5つです:

AIに指示を出す際は、AIがどんな立場・役割で回答すべきかを明確にし、曖昧な指示ではなく、具体的な条件や制約を提示することが大事です。​そして、完璧を求めず、まずは「50点」の成果を目指し、そこから会話を重ね、段階的に目標に近づける会話をし続けることが大事だと思いました。最後に思い通りの結果が出なくても、AIも人だと思って、粘り強く取り組む姿勢を持ちましょう。

生成AIは単なるトレンド技術ではなく、具体的なビジネス課題を解決し、成果向上に直結するツールとなり得ます。プログラミングの専門知識がなくても、適切なアプローチと継続的な試行錯誤により、業務効率化や売上貢献を実現することが可能だということがわかりました。今後も、マーケティング活動をAIで圧倒的に改善していけるように頑張ります。

注1:ファンの育成と活性化を通じてマーケティング効果を高める手法

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