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ちとせのひと Vol.4 山村 芳央 ~選んだ道を正解にする~

生き物たちの力を借りて豊かな未来をつくるバイオベンチャー企業群、ちとせグループ。このシリーズでは、企業という有機体を構成するひとつひとつの細胞である「ひと」にフォーカスを当て、ちとせの全体像を描いていきます。

山村 芳央(やまむらよしひさ)
Financial Strategy Div. 所属/2021年9月入社博士課程(理学)

ちとせグループ Financial Strategy Div.所属。新卒後、大手商社勤務で数字を味方につけ、退社後に理学博士を取得。2021年に入社したちとせグループでは、株主やメガバンクとのやりとりを行い、次々とちとせにチャンスの種を持ち帰る。実力と胆力を兼ね備え、着々と活躍の舞台を広げている。
1日の流れ
8:00AM 起床、タスク確認
9:00AM 移動
10:00AM 客先面談
1:00PM 社内会議、顧客対応、資料作成
6:00~8:00PM デスクワーク終了
12:00PM 就寝

————所属部署、現在の仕事内容についてご説明をお願いします。

Financial Strategy Div. (財務戦略を行う部署)に所属しています。ちとせの資本を、今後どういった事業へ投じて、どのような成長を実現すべきかの財務戦略を考える部署です。ですが、グループ全体の売り上げアップに向けて営業も行いますし、そのために必要な人材のリクルートも検討します。最終的には、ちとせグループの事業規模拡大に向けて、「何でもやる」というつもりで日々働いています。
ざっくりと言えば ①株主、大手金融機関、事業会社の方々とのやり取り、②資金調達計画の精査、③社内管理体制を整える
この3つに分けられるかなと思います。

————オフレコでいいので教えてください(!)忙しそうなイメージですが、「1日の流れ」って本当なんですか?

本当です(笑)きちんと早めの時間に上がって、ジムに行くなど自分の時間を作って、メリハリのある働き方ができていると思います。直属の上司、今井さん*1の管理体制が素晴らしく、僕らとしても休みは取りやすいです。僕らはちとせグループが拡大していく中でも、なりたい姿を体現し続ける。その姿が魅力的で理にかなっていれば、グループ全体にも波及していくと思っているし、それを表現し続けるのだろうと思っています。
*1 ちとせグループ Chief Financial Officer 今井 正之

————理学博士を取られて、英語も大変流暢で、ちとせの財務戦略担当に。どういった経緯で今のポジションについたのでしょうか。

父親の仕事の都合で幼少期を海外で過ごし、十代のころから総合商社に憧れを持っていました。商社は文系が多い業界なので、理系に進めば周りと差別化でき、強みになります。なかでも物理学は「物の理(もののことわり)」という字の通り、あらゆるものの原理を学べ、何にでもつぶしが利く学問だろうと考え、学部の4年間は物理学を専攻しました。

通っていた大学の研究室には、国の研究員の方たちが多く所属していました。いわゆる研究って、研究内容を自分で実施して、そのためにお金を取ってきて、自分でお給料を稼ぐというサイクルを回す、小さな自営業のようなものだと思います。けれど実は当時、先輩たちの背中を見ながら、商いに関しては積極的に進出する時間が無いのかと感じていました。研究に打ち込むのでマーケットを見づらいのだろうと。自分の場合、きっと一定の水準までは研究をやれたのかもしれません。ですが、商社で商いのいろはを学び、その後博士号まで修めて、自分で何かやってみたいなと考えていました。

そんな経緯があり、就活では日本のバイオベンチャーを片っ端から調べていたんです。その中で釘宮さん*2が載っていた、産業構造審議会 商務流通情報分科会 バイオ小委員会 レポートに出会ったことがきっかけで、事業内容の面白さに惹かれちとせにアプローチすることにしました。実は、名の知れたバイオベンチャーは大体受けておりました。

*2 ちとせグループ Cheif Operating Officer

————すごいですね!そんな中でも何故ちとせグループに決めたのですか?

ちとせの人って面白いんですよね。藤田さんを筆頭に、また釘宮さんとのバランスもいい。ゼロイチ*3 で仕事ができるのもちとせでした。ちとせグループの中では今は藻類事業が目立っていますが、発酵、細胞、農業、ヘルスケア等、グループ全体としての事業の幅の広さにも面白みを感じました。
あとは・・・最後は勘でしたね!いろいろある中で、ここが一番面白そうだなという感覚で入社を決めました。

*3 今までこの世になかった新しい価値を生み出すこと

————財務戦略担当という配属に関しては、どういう経緯なんでしょうか。

実は入社して1週間で配属が変わっているのです。初めはTech & Biz Development 所属でした。博士過程で学びながら初めはパートタイムのような形で入社して、最初の1週間は勉強のため様々なチームや部署を見せてもらったのですが、そのなかで、違うグループから人手が足りていないから来てほしいと言われ、そこでお手伝いを始めたのがきっかけです。
しばらくしたタイミングで、今の直属の上司、今井さんを中心にFinancial Strategy Div. が発足することになりました。その際に今井さんと面談をさせていただいて、すぐにこの人の下で働きたいと思いました。商社での経験を見ていただいて、数字を見ることができる人がいてくれたら嬉しいと今井さんからもオファーをいただいたので、即決でFinancial Strategy Div.で働きたいとお伝えしました

————即決だったんですね!決め手は何だったんですか?

今後のキャリアを考えた時に、バイオの分野で事業計画を書ける人間になりたかったのです。その際にゼロから自力で学ぶよりも百戦錬磨の人物から吸収したいと思ったためです。今井さんのこれまでのご経歴を伺っておりましたし、その道の猛者から勉強したいと思いました。


(サウジアラビアで行われた展示会にて。画面左がCFO今井さん、一番右が山村さん)

————なるほど。お話をここまで聞いてきて、人生の要所要所で下す決断に間違いがなかった印象です。

そうですね。ただ、いずれかの選択肢を選んでも結局最後は自分で正解にするものだと思うんです。大手商社に残っていたら、今よりはもしかしてお給料が良かったかもしれませんし、それなりに楽しく生活していたでしょうし、それはそれです。
ですがちとせでは、今、同世代の人と比べても大きな裁量を持って働かせていただいていますし、大手商社だったらできなかったような戦歴を積むことができます。結局は自分の選択肢に責任を持ち、一生懸命やることが大切だと思っています。

————素晴らしいです。この記事のサブタイトルが今決まりました(笑)ところで、これまでの専門とは全く違う財務の仕事に不安はなかったんですか?

確かにやったことないことをやるのは不安でしたが、僕は頭がよくないんですよね。(んな訳あるかい!←筆者、心の声)頭がいい人っていろんなことを先に考えて懸念点がパパっと思い浮かぶと思うんです。僕はいつも「まあなんとかなるでしょう!」というタイプで、あまり不安に感じることがない。最近も、藤田さんから「ここでプレゼンしてみたらどう?」というお話をいただいたのですが、きっと普通の人だったら嫌だと避けるような舞台ですが、「まあいいや、やってみよう☆」と軽く考えてて。

————その勢いで生きていて、これまでに何か「やらかしちゃったこと」って無いんですか?

ありますよ!研究室時代に提出物の締切が間に合わず、結局締め切り自体を伸ばしてもらったり、書類をちょこっと間違えて利益を1日でフッとばしたりしたことを覚えてます(笑)ちとせにいても「やべ!」という瞬間はあるんです。ただ、失敗したから死ぬわけではないし、落ち着いて対処しようという切り替えは行うようにしています。慌ててやるとろくなことがありませんので。
最近は成長というか、経験値が上がったというか、いくらか自分で対処できるようにもなってきました。多少なりとも動じない図太さを身に着けつつあるかもしれません。

————ちなみに今井さんに怒られたことってありますか?

怒るというよりは、なぜミスしたのかということを教えてくれます。原因を明確化して反省と改善を行います。自分で反省して「こうすればよかった」ということを考えて、それをまたその場で今井さんとディスカッションするのが、僕が上司からいただいている指導です。

————いい上司であり、いい部下ですね!

いい上司だからこそ、自分もそう振舞っていきたいと思っています。日々の業務でぶつかる小さな困難も、チームと密なコミュニケ―ションを取ることで解決に向かわせるという雰囲気が今のチームにはあります。今井さん自身、いつでも部下が相談しやすいように自分の日程を抑え過ぎないというのを意識されているようです。スケジュールの意味でも、人柄の意味でも、いい意味で隙を作ってくださる。このような環境を作ってもらえるので、今のチームの雰囲気はとても好きです。
あとは同僚と飲みに行くことも多いですね。その時に楽しいなと思うのが、ちとせについて「こうした方がいいよね」、「こうするともっと良くなるよね」というような話が自然に出てくることです。



————楽しい会話の中でそういった話が自然に出てくるって素敵ですね!いやいや仕事をしていたら出る話題じゃない。

そうなんですよ。各々がこの会社の未来を作っていかなければならないという自覚があるからこそ、出てくるんだろうと思います。

————「自覚」っていい言葉ですね。率直に、財務のお仕事って面白いですか?

面白いですよ!(笑)事業計画書を作るというのは、大きな絵を描くことですし、現状どんな課題があって、それを改善するにはどういうお手伝いが必要でという、会社の今後を左右するような部分に携わることができるからです。大きなマーケットを動かすんだ!という意味で、とてもやりがいを感じます。
また僕はルーティンワークが苦手なので、やったことのないことに日々チャレンジできる環境はとてもありがたいです。会社のフェーズも今まさに大きくなっている最中ですし、会社自体、新しい価値を生み出す事業をしているので、毎日違うことにぶつかる。そういう意味でもとても面白いと感じます。

————では、ちとせで叶えたい夢ってありますか?

ちとせには今、色々なビジネスの「種」があります。それをきちんと世に出して、売上を立てるビジネスとして回していくというのが直近の僕の夢です。それって僕がもともと博士になる前にやりたかったことなんですよ。自分で作った技術できちんと会社を立てて売上をあげていくという。

————それこそ「研究者」だった、学生時代の先輩たちの影がちらつくわけですね。

そうですね。 先輩たちは、物事の理を追求する研究者であり商人では無いと考えています。皆さん素晴らしい技術を持っているんです。ただそれを効率よくマネタイズする所まで手が届かないだけだと思います。僕の直近の夢を達成する事は日本の研究者の立場を上げることに繋がると思うんですよね。

確かに良いプレゼンテーションや申請書で基金を獲得するのも重要ですが、研究者が生み出した日本発の技術がきちんと評価(マネタイズ)されるようになれば、その技術を支えている研究者の市場での評価が上がると考えます。良い仕事はきちんと評価されるべきだと。
僕が専攻していた「理学」って、なんの訳に立つの?というような研究が多いのです。ノーベル賞を取った、オワンクラゲの緑に光る遺伝子(GFP)を研究していた方がいましたが、GFPの発見により、特定のタンパク質に緑のラベルを付けられるようになったことで、その挙動を観測できるようになりました。これはほんの一例ですが、こういった結果こそ理学の真髄だと思います。
そして、そういう「何の役に立つか一見分からないけど、大きな可能性を秘めた研究」にも最終的には資金が回るようにしたいなと思っています。そして、ちとせグループではそれを体現し続けたい。ちとせグループ内に、常にイノベーションを生み出すプラットフォームを実現したいと思ってます。

————なるほど。理学を博士まで極められて、お金の流れや商売について実地で学んで、そのバックグラウンドを持った山村さんならではの面白いお話が伺えました。最後に、これから応募を考えている方へのメッセージをお願いします。

変化を恐れず挑戦できる方とご一緒できればいいなと思っています。 自分からいろんなチャンスに飛び込みたかったら、本当にいい場所だと思いますので、ぜひとも応募してください。どんどん門戸を叩いて頂ければと思います。
いつでも扉は開きっぱなしなので!


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