なにをやっているのか
マレーシア クチンの5ha規模の藻類生産設備|CHITOSE Carbon Capture Central(C4)開所式前日、会場も整い企画メンバーの心にも少しばかり余裕が生まれた中、記念にレモンの木を植樹。
マレーシア クチンの5ha規模の藻類生産設備|CHITOSE Carbon Capture Central(C4)|提供元:ちとせ研究所/NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の設備
全ての産業のバイオ化(=バイオエコノミー)の最前線を走るちとせグループ。
農業、エネルギー、食品、医薬品、化学品など、私達の生活に関わるありとあらゆる産業のバイオ化を推進し、千年先も豊かに暮らせるサステナブルな世界をつくります。
私たちには、”主要事業”は存在しません、すべての事業に全力で取り組んでいます。
ここでは、いくつかの事例をご紹介いたします。
■石油から藻へ、産業構造を根本から変えるプロジェクト「MATSURI」
私たちの生活を支える食品、医薬品、繊維やプラスチックなどの素材、燃料、これらは全て有限な化石資源の大量消費によって生み出されています。つまり、今のままでは人類が千年先の未来まで豊かな生活を続けることは不可能です。
この問題を解決するために、私たちは「藻」の力に着目しました。太陽エネルギーを物質に変換できる唯一の手段が「光合成」であり、光合成による物質生産効率が最も高いのが「藻」なのです。(そして、化石資源由来のありとあらゆるモノは「藻」を使って生み出すことが可能です。)
ちとせが目指すのは、世の中のありとあらゆるモノが藻を基盤にして生み出されるサステナブルな社会の実現です。そのために、様々な立場や業種の他機関を巻き込みながら、2030年までに2000ha規模まで拡大することを見据えた藻類生産の大規模化と、藻由来の製品開発を同時に進める「MATSURI」プロジェクトを推進しています。
▷より詳しくはこちら:https://matsuri.chitose-bio.com/
■”MK細胞” でバイオ医薬品のさらなる普及を推進し、世界の医療に貢献
バイオ医薬品を用いた治療が注目される中、世界中の患者さんをサポートするためには、バイオ医薬品を効率的かつ低コストで製造するプロセスがますます重要となっています。
ちとせでは、1/3の期間で3倍のバイオ医薬品を生産するCHO-MK細胞を核とした次世代バイオ医薬品製造プラットフォームを構築し、世界の医療に貢献します。
▷より詳しくはこちら:https://chitose-bio.com/jp/cld-service
■健全な土壌環境を重視した農業の普及で、千年先まで美味しい農作物を提供
世界で農業の工業化、大規模化が進む一方で、農業生産が可能な農地は無限ではありません。限られた農地を守るためには、土地を健康に保つことが最も重要です。
ちとせは、微生物が豊富な ”健全な土壌” を科学的に測定し把握する技術を活かしたサステナブルな農業をマレーシア・キャメロンハイランドの自社農園で実践しつつ、周囲の農家へ技術を展開し、高品質で美味しい野菜を持続的に作れる農家を増やす活動をしています。我々が作ったいちごや野菜、そして技術展開した農家さんが作った野菜たちは、「CHITOSE」ブランドで主にシンガポールとクアラルンプールのスーパーマーケットや各種レストランなどで広く展開しています。
▷より詳しくはこちら:https://agriculture.chitose-bio.com/ja
■匠の生産技術を超えるAIで、バイオ由来製品の開発を加速|バイオ生産の“匠の技”を超えるAIの開発で、バイオ生産分野におけるDX推進を実現
発酵を中心とした微生物によるものづくりの世界では、未だ作り手の感覚と経験値、いわゆる”匠の技”に頼っているという現実があります。しかし、バイオエコノミーのさらなる拡大のためにはより多くの業界がバイオ生産へ参入しやすい環境をつくることが大事であり、そのためにはバイオ生産の”匠の技” からの脱却が必須です。
そこでちとせでは、発酵生産の過程におけるあらゆるデータを取得してAIに学習させることで、匠に頼ることなく欲しい生産結果を生み出せるAIシステムの開発を行っています。
▷より詳しくはこちら:https://chitose-bio.com/jp/project/1647/
■データに基づく腸内環境起点のサポートで、人々の健康に貢献
健康を維持するためには、持続的かつ本質的な生活習慣の改善が肝になります。
ちとせでは現在、香川県のカマタマーレ讃岐というサッカーチームと共同し、カマタマーレ讃岐の選手を対象にした筋力強化などを含む総合的なフィジカルコンディションの向上を目指す共同プロジェクトを実施しています。
今後はこの活動と並行して、食生活などの生活習慣に関して具体的なアクションに繋がるレコメンドができる一般の方々向けのサービスを展開する予定です。根拠に基づく各種情報や商品、サービスの提供を通じて、人々の健康状態を実質的に改善・維持することに貢献したいと考えています。
▷より詳しくはこちら:https://chitose-bio.com/jp/news/4702/
なぜやるのか
くらしを豊かにするMATSURIの“藻プロジェクト”| 藻ツリー
千年先も豊かに暮らせるサステナブルな世界をつくるため、小さな生き物たちと共に、あらゆる産業領域のバイオ化に貢献するための事業を展開しています。
世界中の人々の生活を支える産業や資源は、その多くがこのままでは永遠に存在することが難しいと言われています。例えば、私たちの食を取り巻く状況を取っても多くの課題が見えてきます。将来的にタンパク源不足の深刻化が予測されており、代替品の普及が急務となっています。また農業においては、世界の各地域で土地の劣化が進み農業用地が減少しています。
私たちは小さな生き物たちと共に、このような問題を多面的に解決します。
インターネットの発明とその普及が社会や産業に大きな革新を起こしたように、バイオは今後、世界中の社会や産業に革新を起こすことでしょう。そんなバイオエコノミーという新たな経済圏を創る活動の先頭を、ちとせはこれからも走り続けていきます。これを通じて私たちが目指すのは、千年先まで世界中で豊かな暮らしを実現するための基盤をつくることです。
どうやっているのか
■社会から逆算して必要な事業の形、技術の種類を考える
よく技術シーズがイノベーションを起こすといわれますが、わたしたちはそうは捉えていません。そもそも先に実現したい社会の姿があるべきで、その社会を実現するためにはどんな事業が必要か考えて展開する。そして、その事業を成立させるために欠けている技術シーズは何かを考える、という順番であるべきだと私たちは捉えています。すでに動いている事業のボトルネックを解消するというテクノロジーでなければ経済的合理性が成り立ちにくい。そのため、まずは社会実装するという強い意志を持ち続けることが非常に大事なのです。
■生き物たちの個性を活かす
私たちの取り組みにおいて、生き物の力を借りることは必要不可欠です。しかし私たちは、決して生き物を無理矢理コントロールするようなことはしません。生き物たちにはそれぞれ得意なことと苦手なこと、好きな環境や嫌いな環境など個性があります。その個性と親身に向き合い、個性を活かした形で活躍してもらえるようにマネージメントする、という考え方で生き物と向き合っています。
人間側の視点でみた勝手な理屈だけを生物に押し付けるのではなく、生物を生物として受け入れ、自然に対して謙虚に、人類と他の生物が共に地球環境を維持する世界を作る、という考え方を大切にしています。
■働くメンバーの個性を活かす
私たちの事業は、従来の枠組みにとらわれない新しいものです。そのため、働き方もプロジェクトの進め方も、固定されたルールはありません。むしろ、このような環境を生かし、個性を活かして能動的に動くことを楽しむ社員が集まっています。
また、コロナ前からリモートワークが定着しており、タイムスケジュール含め各々フレキシブルに調整しています。研究開発に関わる社員は出社することも多いですが、基本的に各々が自身のパフォーマンスを最大限に引き出せる働き方を推奨しています。