今年9月に大幅リニューアルを行った弊社プロダクトのMitsuri。そのリニューアルについて様々な角度からお伝えするこの企画。
今回はCOOの藤野さんにインタビューしました。リニューアルに至った経緯や具体的なリニューアル内容、Mitsuriに対する想いなどをお話いただきました。その中で、Mitsuriの利用方法も簡単にご紹介いただきました。
ー 藤野潤也
2022年3月入社、茨城県在住、取締役COO
リニューアルに至った経緯
ーーーまずはリニューアルの経緯を教えていただけますか?
元々Mitsuriは「新規開拓」と「業務管理」を同時に提供していたんですよね。仕組み自体は一定数以上の企業が望んでいて、ニーズも確実にあるのは理解できたんですが、提供方法に問題があったように感じていました。どんなサービスかわからないとか、具体的なサービス利用の前に離脱してしまうとかっていうユーザーが、実は結構いたんです。単に直接やりとりしてもらって商流を短くしたり、中間マージンを省くだけでは、調達取引自体のデジタル化は迅速には進まないんだと気付きました。
もっとちゃんと利用してもらう為にはどうすべきかと考えて、まずは「新規開拓」と「業務管理」を分けた方がいいよねっていう抽象度高めの結論を出しました。サービスの提供価値を改めて考えて、Mitsuriは「新規開拓」に焦点を注いで提供すること、料金体系を変更すること、市場を限定すること、といったリニューアル計画を立てました。
Mitsuriは今まで何度か形を変えて提供し続けているサービスなんですが、業界にどう貢献するか、業界をどう変革するかというミッションも常に並走しているように思えるんですよね。そういった観点からもユーザーに利用してもらえないと意味がないので、まずは機能を絞ってわかりやすくし、UIデザインも心機一転させることで、UXの向上も重要課題としました。
ーーー具体的にはMitsuriはどうリニューアルしたのでしょうか?
2022年5月に、それまでの商社型のプラットフォームから顧客同士の直接取引へとモデルチェンジをしたので、今回のリニューアルが第二フェーズの位置付けとなります。具体的には直接取引モデルを継承したまま新規取引のプラットフォーム機能に特化させています。
この図は取引が始まってからの案件の流れをざっくりと表したものなんですけど、リニューアル前はこれを全てMitsuriでやろうとしていたんですよね。1つのプロダクトで提供できたら便利だと思って、いわゆるスーパーアプリ系に少し近い考え方を持って開発をしていたんです。ただ、登録しているユーザーには案件管理のニーズがまだ顕在化していなかったこともあって、利用頻度があまりにもばらばらだったんですよね。そこで顕在化しているニーズにプロダクトをフォーカスしたという感じです。
発注企業とサプライヤーがMitsuri上で直接やりとりできるシステム提供はもちろん、ユーザーが最もシンプルに利用できるようにとUIデザインも改修を行いました。
リニューアル後のMitsuriについて
ーーー実際にMitsuriの使い方を教えてください!
使い方はとても簡単で、右上の【新規依頼】ボタンを押し、見積もりを取りたい図面をアップロードして、図面の詳細や納品先の情報を入力します。
依頼を公開すると、左上の【案件をさがす】ページに反映されます。
そこからサプライヤーは図面を見て、見積もりを作って出します。
既に提出された見積もりの金額も表示されているので、参考にしながら金額を出すことができます。
情報格差がなるべく少ない状態で競合できるので、こういったところはお互いにとってすごいメリットなんじゃないかなと思いますね。開示できる情報は開示できるようにしています。
ーーー見積金額公開機能は新しいですね!
これはおそらく今までにない仕組みだと思います。まだ出したばかりなので正直成功するのかわからないんですけどね。
今までMitsuriを考える中で直接取引にフォーカスを当ててきたこともそうなんですが、未来志向で、業界として必要なプロダクトを作っているという点はいいところだと思います。
ーーーユーザー同士はどのようにやりとりできますか?
システム内にてチャットを通じてやり取りができます。今は成約する前からやりとりができる状態にしていますが、ユーザーのフィードバックを参考に、今後も改善を行っていく可能性があります。
ーーー利用金額について教えてください。
元々は月額 5,500円で機能使い放題にしていたところを、リニューアルを経て成果報酬に変更しました。内訳は、初めて取引する企業との初回案件の成約金額の10%をシステム利用料として徴収させていただきます。
サプライヤー側から利用料をいただく形なので、発注者にとっては永続的に無料ということになります。
ーーーどういった方に、どういったシーンでMitsuriを使っていただきたいですか?
試作、多品種少量を扱う人と、それを造る力のある工場さんで直接取引できることがMitsuriを利用する最大のベネフィットなので、そこに関係する人たちには漏れなく利用していただきたいと考えています。ただ、一気に全ての人に届けるのは難しいと認識しています。なので、まずは工場経営者の方や、企業の部品設計者や調達担当の方たちに知ってもらい、活用してもらうことが第一段階かなと思ってます。
発注側の具体的な活用シーンとしては、協力工場の新規開拓に手間取っていたり、コスト調整のために複数の見積もりが必要だったりとか。あとは、早急に部品が必要だったり、クイックに試作品を製作してもらえない課題を抱えていたりすると、Mitsuriでは一気に解決できるので、そういった方にはすぐにでも登録して使ってみて欲しいですね。
一方で、サプライヤー側の動機はすごくシンプルで「新規取引先を手軽に開拓したい」という点だけで十分だと考えています。営業をやったことない人や、やり方が分からない人もいると思うんですけど、Mitsuriは「図面に見積もりをする」行為が一瞬でできるので、このベネフィットは新規開拓のシーンにおいて重宝してもらいたいですし、熱く伝えたいポイントです!
僕たちも「自社に適した案件が常にある」状態を作るために日々マーケティングやアライアンスに取り組んでいます。ユーザーと直接顔を合わせる機会はまだ少ないですが、金属加工業界の変革を一緒に推進していきたいと思っています。
(Mitsuriのサービスの仕組み)
ーーーリニューアルしてからMitsuriの状況はどうでしょうか?
順調ですよ。以前より依頼数も増えましたし、見積もりも付いて、成約も出ています。ただ目標値に比べるとまだ低いので、体感的にはもっと依頼が来てほしいなって感じてます。見積依頼数が多ければ多いほど、プラットフォームは活性化できると考えているので。
新規の取引先をどうやって開拓するか、そのきっかけをつくるにはどうしたらいいかっていうサプライヤーの苦労を、Mitsuriで解決できるので、それでいうと現在の数字ではまだ満足できていませんね。
個人的には、このモデルと真剣に向き合って掘ってる会社がまだいないと思うし、ユーザーもそれを求めているので、100億円規模のプラットフォームを作るポテンシャルは十分にあると考えています。それを考慮すると、まだまだ足りないなって感じです。月間で公募数1万件とか来てほしいです。
ーーー市場には1万件以上の案件があるのでしょうか?
十分にあります。市場全体で見ても、サプライチェーンに乗っていない新規案件かどうかは一旦別としても、少なく見積もっても数兆円規模はあるはずです。なので件数で考えると、公募数1万件は全然ありえる数字だと考えてます。
世の中のメーカーは絶えず新しい製品を作るので、実はそんなに変動してない数字らしくて。そうなると、まだまだやり方次第でプラットフォームに入れていく案件はあるかなと思っています。
ーーー案件依頼数的にはもっと来てほしいところですが、ひとまず順調ということで安心しました。
もう一つ注目したい点は、今のところMitsuri外でずるして成約する人がいないことです。優良企業が登録して使ってくれてるのは、実は僕らとしてはすごく嬉しい現象だと思ってます。
「間抜けてズルしちゃおう」と考えるような工場がいないというのは、発注する側にとってプラスに働くと思うんですよね。工場側からしても、意図的にシステム外に誘導するような発注者には、将来的に厳しい見積りを求められるリスクが高くなると思います。
先々のお互いの誠実な取引に焦点を当てると、このような行動を取るユーザーがいないというのは、日本企業のクリアさも反映されていると思いますし、Mitsuriの強みの一つだと言えると思います。
▷▷▷後編へ続く
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