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800名がフルリモートで働く会社に“ないもの”8選

こんにちは。約800名(業務委託者を除く、2023年2月末時点)が47都道府県でフルリモートワークをする株式会社キャスターの採用担当です。

キャスターは、2022年9月26日で8周年を迎えました!
そこで、今回は創業者の中川社長 にインタビューを実施。

すると、フルリモート企業のキャスターには、“オフィスへの出社”以外にも“ないもの”がたくさんあることが分かりました…!

フルリモート組織のキャスターにないもの

ーー中川さん、創業から8年が経ちましたね!創業時と今で、見えている景色は変わってきていますか?

中川:特に何も変わっていないですよ。
今のところ、設立10年目くらいまでは、最初に立てた事業計画とそれほど乖離しそうにもないし。
メンバー数も売上規模もこんなもんじゃないって見込んでいたのとほぼ同じだし。
まぁ、コロナは予想していなかったから、リモートワークが普及するタイミングは予想よりも早くなったというのはあるけど。

ーー事業数が増え、メンバーも約800名となり、創業時とはガラリと変わったのではと思ったのですが、見えている景色は変わらないのですね。
キャスターは、「創業◯年経ちました〜!!」と皆でワイワイしたりもしないですよね(笑)
ないといえば、社内の環境でも、他社にはあるけど、キャスターには“ないもの”がいくつかあるかと思います。今回は、社内に「ないもの」について、お話をお聞かせください。

1. オフィスへの出社

中川:ないもの?最初にあえてなくそうと思ったのは、出社くらいかな。

ーーオフィスへの出社は、キャスターに“ないもの”として言わずもがなですよね。

中川:フルリモートの方が効率がいいし、オフィスに出社してもらう理由が何1つないし。
そもそも、1人目の社員はそう簡単には会えない地域に住んでいるしね。
まだ1度もリアルに会ったことがないよ。
マネージャー層とも半分くらいは対面で会ったことがないんじゃないかな。

ーー1人目の社員の方やその他のメンバーと会ってみたいなと思うことはありますか?

中川:仕事が目的だとすると、ないね。
今後もオフィス出社を取り入れることもないし、皆でリアルで集まる研修なども一生ないと思うよ。

2. 全社定例

ーーそういえば、キャスターはオンラインでの全社定例会議が開催されることもありませんが、何か理由はありますか?

中川:全社定例をやらない理由... やる理由が見つからないというのが正しいんじゃないかな。

本当にメンバーや会社にとって、全社定例会議がプラスになるのか、ということ。
全社会議を定期的に開催することで、メンバーのモチベーションが高くなって、生産性が上がって、給料が上がるならやる意味があると思うけど、そういう効果があると思っていないから私主導では開催してない。
逆に、定例の全社会議を面倒だと感じて皆のモチベーションが下がる可能性もあるわけだよね。

納会や期初会はオンラインで開催することがあるけど、私自身は何らかの効果を期待しているわけではないし、それに効果を感じるメンバーが提案・運営してくれて、開催されているというのが実情かな。

3. 入社時の社長挨拶

ーー毎月のように入社者がいるキャスターでは入社式もありませんが、入社当日に中川さんが新入社員へ“激励のお言葉”を話されることもないですよね。入社式以外にも、全体的に中川さんの登場頻度が少ないように思います。

中川:果たして、皆、私の話を聞きたい?

何か具体的に私に質問をしたい、話をしたいというメンバーがいれば、適宜チャットなどで送ってもらったり、話す機会を設けるのもいいと思うよ。
でも、「ただ、何となく聞きたい」と思っているだけなら、定期的なイベントにする必要はないんじゃない。
イベントを運営するとなると、誰かが仕事としてやることになるんだよね。
誰かの仕事を増やしてまで、会社として“理由なく私と話す会”を開催することを重要視してないね。

価値があると思う人が一定数以上いれば、今後、何らかのイベントが開催されることはあるかもしれないけど。

ーーなるほど。たしかに、今回のインタビューも広報的に意義があると感じて中川さんに相談し、実現したものですしね。
以前、メディアの方に入社説明会を取材いただいた際に、「社長は本当にいらっしゃらないのでしょうか…?」と何度も質問されたことがありました(笑)。

中川:来ないを通り越して、これまでに一度も出たことはない(笑)
社長の言葉を聞いたからといって、入社してくれた人たちに良いことがあるわけでもないし。私自身も必要以上に人前に立つことに興味がないから。

4. 社員満足度の追求

ーー他にも、キャスターは“社員満足度を追求していない”と言い切っているところが、他の会社と違うように思います。これは、どんな理由からなのでしょうか?

中川:社員の満足度は追求していないよ。会社や私が担保するものではないと思ってるから。
そもそも“満足度”というのは定義が広く曖昧なものだと思うけど、よく挙がる指標が「人間関係」だよね。
でも、これは働いている人たち同士の話
仮に「上司とソリが合わない」という声があったとしても、会社側から見ると上司に当たる人も従業員だから、従業員同士の問題となるよね。

例えば、会社が「仲良くしなさい」と言ったら、仲良くなる?
「楽しくやりましょう」と言ったら、楽しい環境になる?

特定の声が大きい人の満足度を上げるために会社が動くべきとは思わないし、こういったことを重視するのは、不安の表れだよ。
一般的には、「会社を辞めてほしくない」という思いや採用活動のために社員満足度を高めようとすることもあると思うけど、それは突き詰めると「不安だから」だと言えるよね。

それに、「うちの会社のこと好きですよね?」と何度も確認してくるような状況は嫌じゃない?

もし、人事から何か目的があって「社員満足度を高める施策をしたい」と提案があればやったらいいとは思うけど、私から不安を取り除くために社員満足度を追求するように指示を出すことはないな。

会社として、全員に対してベースアップしていくことは当たり前のこととして重視しているから、10年など長いスパンで見ると状況はどんどん良くなっていくと思うよ。ただ、それは直近の満足度に直結するものではないでしょ。

会社が重視すべきことは、法律に違反していないかということや、慣習・ルールがメンバーにとって不利益になっていないかということ
たとえば、「残業代を払ってくれない」「サービス残業だらけ」なんてことがあったら、もちろん会社として早急に対処すべき。

会社として対処すべきことかどうか、切り分けて考える必要があるよね。

5. モチベーション向上施策

ーー満足度のお話とも重なるかもしれませんが、キャスターは“メンバーのモチベーション向上”にも会社として取り組んでいないように見えます。

中川:モチベーションがないのを推奨しているわけでもないし、あるのを推奨しているわけでもない。
働いていれば、「なんか今日は気分が上がるな」「気分が上がらないな」ということはあるでしょ。
ただ、プライベートな事情がモチベーションのアップダウンを左右していることが大半なんだよね。

だから、会社としては、可能な限りフラットに接している状態が一番いいと思っている。
もし、上司とソリが合わなくてモチベーションが上がらないという話であれば、部署を異動するなどシンプルな方法で解決できるから。

漠然と「モチベーション上げましょう」というのではなく、具体的な問題に対して具体的な解決策を提示することが会社がやるべきことだと考えています。

6. ミッション・ビジョンへの共感

ーー先日、石倉さんが「キャスターはミッション・ビジョンへの共感を求めない」というnoteを出していましたね。これもキャスターならではな気がします。

※CRO 石倉のnoteはこちら↓

ビジョンやミッションへの共感はどうでもいい|石倉秀明 |note
いまスタートアップに限らず、多くの企業がビジョン、ミッション、バリューなどを設定しています。そして採用するときや働く社員がビジョン、ミッション、バリューに共感していることを重要視していることがほとんどだと思います。 キャスターでも「労働革命で、人をもっと自由に」というビジョンを、そして「リモートワークを当たり前にする」というミッションを定めています。 ...
https://note.com/hideakiishikura/n/n107fdf3049f8

中川:そうだね。これもシンプルな話で、たとえば、「赤信号は止まれ、青信号は進め」というのが交通ルールだよね。
それについて、共感している?

ーー共感…。交通事故に遭うなど大変なことになってしまうので、自分も守りますし、子どもにも教えますが…感情として、「共感」ではないですね。

中川:そうだよね。ミッション・ビジョンに関しても同じ。守ると安心安全な交通ルールと同じように、ミッション・ビジョンもそれに沿って行動した方が組織としてスムーズだと考えているので、伝えています。

キャスターでは、「リモートワークを当たり前にする」をミッションにしているので、これと関係ないことや反することはしない。なので、メンバーにもミッションやビジョンと反対のことはしてほしくはないけど、共感はしてもしなくてもどっちでもいい。「青信号で進んで、赤信号で止まる」と示しているだけで、「赤信号で渡らないでね」というだけのことだよね。

ーーなるほど。共感ではなく、共有なのですね。

7. 表彰制度

ーーキャスターには表彰制度もないですね。

中川:今のところはないね。やった方がいいんじゃないという話は何度か出ているけどね。でも、私自身、どうしてもやらなければいけないことだとは思っていないから、やった方がいいと思う役員やマネージャーが多ければ実現するだろうし、現状で実行されていないということは、有効だと考える結論に至っていなということなんじゃないかな。これも運用の問題があるしね。

8. Web会議での顔出し

ーーWeb会議で顔出しを推奨していないのも、珍しいとよく言われます。

中川:Web会議への顔出しを推奨する気はないし、顔出ししなければ仕事へのスイッチが入らないということもないと思っているよ。

たとえば、子どもを保育園に預けている人が、朝早く保育園に送って、9時に仕事が始まり、すぐにミーティングが入っていたとして、保育園に預けた後に、急いで身だしなみを整えて、カメラの前に出たい?

途中に30分あれば少し整えられるかもしれないけど、他のことでバタバタする可能性もあるし、その忙しい30分を身だしなみに使うべきとも思わない。

「基本的には顔を出すけど、事情がある時は顔を出しません」というルールにすると、出してない時は何か事情があるということになるわけだけど、それを推測される必要はないよね。どっちにルールを合わせるか?と考えた時に、「基本的には顔出しをしない」となる。出すことがNGではないから、出したい人は出せばいいということ。

実は、私がグータラだというのもあるんだけどね。
朝の9時や9時半からの会議はできるだけ入れてほしくないし、そこで顔出し必須と言われたら、ストレスだよ。
自分自身が顔出しがめんどくさいと思ったから、皆も同じようにめんどくさいと思ってるだろうというのがシンプルな理由(笑)。

以上、実はキャスターに“ないもの”8選でした。

(本記事は、株式会社キャスター公式noteにて2022年10月6日に公開した記事を再編し作成しております。)


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