これまで広告カンパニーとメディア・ゲームカンパニーの社員総会で合計4回ノミネートされたという田村さん。そんな田村さんですが、社員総会でのMVPは受賞されたことがなかったとか。
今回は、MVPを受賞された時の心境やコロナ禍でのオンライン営業への挑戦、仕事への心構えについて聞いてみました!
田村 和弥
2016年10月 広告カンパニー ライティング事業部(立ち上げ)
2018年10月 広告カンパニー SEM事業部へ異動
2019年10月 メディア・ゲームカンパニー Ameba事業部 Ameba広告Divへ異動
2022年10月 社員総会にてベストリーダー賞MVPを受賞
入社7年目でのMVP
―ベストリーダー賞MVP受賞、おめでとうございます!まずは感想をお聞かせください。
シンプルに嬉しかったです。
僕は2016年にシーエー・アドバンスに入社して、今年で7年目、今の事業部に異動して3年目になります。これまでありがたいことに色々チャンスをいただいて、社員総会でノミネートされたことは何回かありましたが、一方でなかなかMVPには届きませんでした。今回やっと受賞できたので、嬉しかったというのが素直な気持ちです。
―田村さんは、Ameba事業部 広告Divの責任者をされているんですよね。どういったことをされている事業部なんですか?
はい。主にAmebaブログの広告に関する業務を行う部署です。
もう少し詳しく説明すると、広告代理店への営業や運用コンサルの他、広告の入稿やレポート作成をするオペレーション、広告のクリエイティブを決めるデザイナー、掲載可否を判断するチーム、Ameba Pickの運用管理を行うブロガーディレクションなど、Amebaの広告に関する様々な業務を行う部署があります。
コロナが追い風に。オンライン営業へのシフト
―今回、ベストリーダー賞MVPを受賞されるに至ったわけですが、どういうところが成果につながったと思いますか?
この一年は特に顧客を増やすということに注力し、実際に社数と売上を増やせたので、それが成果につながった一番の要因ではないかと思います。
これまでは東京のサイバーエージェントで営業を行って、シーエー・アドバンスでは、その営業さんがとってきてくれた案件の運用や円滑なオペレーションのみに注力していました。
沖縄でもオンラインで営業ができるんじゃないか、ということ自体は以前から思索されていました。コロナ情勢になってからは、東京でも沖縄でもオンラインで営業を行う流れができました。それが起点で、一気にオンライン営業へのシフトが進みました。これは大きな変化だったと思います。
「言われたことをやるだけじゃダメ」異動を機にプレイヤーへ
―田村さんは、2021年の8月から事業責任者をされているわけですが、何かきっかけがあるのでしょうか。
僕は広告カンパニーで一度マネージャーを経験しているのですが、その時は正直「鳴かず飛ばず」の状態でした。それでAmeba事業部に異動することを機に「プレイヤーで頑張らせてください」と言って、プレイヤーになったんです。
将来的にはマネージャーや責任者をやりたいという思いはありましたが、まずはプレイヤーから始めて、足元を固めたいという気持ちがありました。
―田村さんはトッププレイヤーで、社員総会でノミネートされたことも一度や二度ではないという“うわさ”を聞いていたのですが、それはこのプレイヤー時代のことですかね。過去に取材した大城一人さんも、ライバルとして田村さんの名前を挙げられていました。
▼【過去作】失敗を糧に挑んだ、”プランナー”への再挑戦(大城一人さんとのインタビュー記事)
そうなんですか(笑)。改めて振り返ると、マネージャーをしていた経験から、「言われたことをやるだけじゃダメだ」、「プレイヤーとして大きな成果をあげたい」と思っていました。もしかしたらトッププレイヤーのイメージが強いのは、数字としての成果だけじゃなく、その思いが周囲に伝わっているのかもしれないです。
逆算思考でつかんだ事業責任者への道
それで、しばらくはプレイヤーをして、その後マネージャーになりました。事業責任者になれたのは「2021年の9月に事業責任者になる」と決めて、そこから逆算して目標を立てたからです。
9月に責任者に任命してもらうとすると、大体その3カ月前の6月には役員会議で推薦してもらいたい。そのためには4月くらいにはマネージャー間で認めていてもらえるように。そのために年明けには成果を出しておかないとな…。と、そういう感じです。
そうやって逆算して業務を実行しつつ、「ぜひ事業責任者をやらせてください」と言って、結果的に8月から責任者を任せてもらえることになりました。
目標から逆算することは、かなり重要なことだと思います。「責任者になりたい」と僕がただ言っても、じゃあ明日からやって、とはならないので(笑)。
個人の目線から全社視点へ。視座が上がった瞬間
―異動して成果を上げる、というのは、レアなケースなんでしょうか。新しい環境になじむために努力したことなどがあれば教えてください。
異動して成果を上げている人は、いるにはいると思いますが、環境が変わると慣れるまでは大変だと思います。でも僕はあまり、なじむ努力はしていなかったですね(笑)。ただ、趣味が合う事業責任者や取締役とコミュニケーションを取ることはありました。
―そうなんですね(笑)。
役員と話す時間が長くなると、仕事に対するマインドが変わっていきます。僕は意識的にそういう時間を作るようにはしていました。
―つまり自分から、積極的に学びにいったということですね。例えばどういう話をされたのでしょうか。
印象的だったのは、社内イベントを開催した後に「もっとこうしたほうが良かった」という話をしていた時です。僕が一人のチームメンバーの目線で話をしていたところ、取締役の中村広毅さんはチーム全体の話をしていたんです。この時に、「ああ、僕は全社視点ではなかったな」と気づきました。そういう経験もあって視座が上がってきたのかな、と思います。まだまだ足りないんですけど。
―役員クラスと話をする、ですか。私にはちょっと勇気が必要かもしれません…。
役職が上だという理由から、近寄りがたく難しく感じてしまうのかもしれませんが、全然そんなことはないですよ。もしそう感じている方がいたら、実際に話をしてみるといいかもしれません。
ベテランに勝つ秘訣は「行動量」体力で勝負せよ
―読者の中には、プレイヤーからマネージャーになりたい、と思っている人が少なくないと思います。そういう人に向けてアドバイスはありますか?
行動量を多くすることですね。野球に例えると、15年やってきたプロ野球選手と高卒1年目のプロ野球選手がいたとして、普通に戦うと知識と経験のある15年選手のほうが成績が良いですよね。その15年選手に勝てる部分があるとしたら、体力なんです。それならその体力を使わない手はないですよね。
例え間違ったことでも行動していれば、それが間違いだ、と分かるんです。
行動せずにいると、良いのか悪いのかすらも分からず、いつまでも正解が分からないままになってしまいます。
確かに危機察知能力は大事ですが、「このまま行くと失敗しそう」と思う時は、「しそう」なだけで実は失敗していない。あまり深く考えすぎずに行動して、失敗したらしたで良いと思います。本当に大きな失敗をしそうになったら上長が止めてくれるはずなので。
僕はそうやって行動して自分で経験値をためて、マネージャーになったんです。
―行動量、大事なポイントですね。
大切なのは行動からくる「答え合わせ」
―今度は悩めるマネージャーの人に向けて、成果をあげるためのヒントやアドバイスがあればお願いします。
これも、まずは行動量が大切だと思います。それから僕は、今のマネージャーの人たちには、いっぱい責任者に壁打ちをしてほしいと思っています。
もう少し具体的に説明すると、例えばこういう「表彰」でも、マネージャーが候補の人の情報を持ってきてくれて、そこから精査していくわけなんですが、そういう時には1から100まで全部持ってきてほしいと思っています。
―1から100まで全部、ですか?
そうです。誰を選ぼう、みたいな話になったときに、「この人は選ばれないと思うから情報を出さない」ではなくて、選択肢を全部持ってきてほしい。
そうしないと、「選ぶ」ということの答え合わせができないと思うんです。
答え合わせをしない算数ドリルって意味がないですよね。それと一緒で、「選定する」ということへの感性が磨かれなくなってしまうので、まずは全部出してほしいです。その後、答えが分かったら、「何でそうなったと思う?」と問いかけをしながら、理由を自分で考えてもらうようにしています。「何で」は僕がよく使うキーワードです。
―自分で考えていると、時には思い込みが入ってしまう気がするのですが、それは上長や第三者からのフィードバックで修正していけば良いのでしょうか。
それでいいと思います。マネージャーの視点で見える世界って、自分のチームか、自分の隣の同じ系統の部署くらいだと思うんですが、責任者は全体の視点で見ていて、見えているものが違うので、そこのすり合わせをしたほうがいいと思います。
そもそも僕自身これまで異動が多いので、一生この部署にいるとは思っていません。僕がいなくなった時、チームで成果が上げられないようではもったいない。リーダー陣があれをして、これをして、と指示すると、短期的には成果が出るかもしれないですが、そうではなくて皆で考えられるように、と思っています。
悔しい思いをしたら、その時の熱意を持ち続けてほしい
―最後に、「今後活躍したい!」と思っている人に向けてメッセージをお願いします。
MVPに選ばれなかった瞬間ってすごく悔しいじゃないですか。その時って皆、悔しかったり、頑張ろう、って思うと思います。その温度感を一年続けられる人が、次にノミネートされてMVP争いができるんじゃないでしょうか。
社員総会の表彰から約一カ月たちますが、「あの時に言ったことや熱量を覚えていますか?」って全社員に聞いたら、意外ともうすでに半数くらいは忘れちゃっているんじゃないですかね。毎日、目の前のことだけをやっていると、熱意を忘れてしまうようなこともあるかもしれません。
「鉄は熱いうちに打て」とは言いますが、この温度感を保ち続けられたら、良いところまでいけるのではないかと思います。