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遊ぶように働く?!これからの時代の新しい働き方~パラレルキャリア・起業・MBOの選択について~【前編】

はじめに

近年、副業(複業)を認める企業も増え、会社で働きながら個人でも活動を行う「パラレルキャリア」が注目されています。

終身雇用制度が無くなりつつある昨今、自身のキャリアを形成するための一つの手段として、こういった複数で働く「新しい働き方」が広まりつつあります。

今回はお笑いアプリ『ボケて』など累計1,000万DLのアプリプロデューサーのイセオサム氏とレターポットの開発者の柳澤康弘(ヤン)氏とメタップス100%子会社をMBOし独立した山田雄介氏の3名をお招きして、「これからの時代の新しい働き方」を中心にトークセッションしていただきました。

「苦役の仕事は、遊びの仕事に勝てない」という言葉がありますが、遊ぶように働くとは一体どういうことなのか?パラレルキャリア・起業・MBOの経験の中での失敗談や裏話など、貴重な話を頂く事が出来ました。(引用:http://talkshow.buddyz.life/event/91/


登壇者プロフィール

PLAY株式会社 代表取締役 イセオサム氏

日本テレビ放送網にてズームインスーパーの制作に関わる。退職後、オプトにてモバイルのマーケティング事業に従事。2008年、株式会社HALOを共同創業。お笑いアプリ『ボケて』など、プロデュースした作品は合計1,000万DLを超える。2013年、PLAY株式会社を創業し、エンターテインメント分野を中心としたパラレルワークを開始。現在はオモロキ取締役CSO、ローディー取締役としてboketeの運営をする傍ら、スタートアップへの投資、アドバイザーとして複数社に関わっています。

株式会社タノピコ Founder & CEO 柳澤康弘(ヤン)氏

大学在学中にビジネスプランコンテストで優勝しその賞金でベンチャーを創業。同じく在学中から創業に携わった株式会社Beat CommunicationにてSNSパッケージを開発。2007年に株式会社パンカクを創業し、スマートフォン向けゲーム「LightBike」が米国AppStoreの有料アプリランキングで一位を獲得する。2013年には株式会社コロプラに事業譲渡。以降コロプラにてゲーム開発からクリエイターの採用まで幅広く携わり、2016年に退社。2016年に株式会社タノピコを創業し、気ままに写真を撮りながら世界一周旅行をする。お笑い芸人のキングコング西野と同居していた縁もあり、2017年にはレターポットの開発を担当。その他、おにぎり屋の株主・取締役でもあるなど、複数のベンチャーに株主・役員として携わっています。

株式会社BUZZCAST 代表取締役CEO 山田雄介(やまだ・ゆうすけ)氏

「メタップス」でマザーズ上場まで広告営業、媒体営業、運用、新規事業立ち上げと様々な経験を積み、メタップス100%子会社の代表に就任。2016年に子会社をMBOしBUZZCASTとして独立し、インフルエンサーを活用したゲーム実況マーケティングを展開中。海外も積極的に展開しており台湾では人口20%にリーチできる規模まで成長。


山田雄介(以下、山田):皆さん今日はわざわざお越し頂きましてありがとうございます。今日は「遊ぶように働く」という事で色んなキャリアを持つ3人のお話が出来ればと思いますので、よろしくお願いします。まず簡単に、3人の自己紹介をさせて頂ければと思います。

私はBUZZCASTという会社の代表取締役をしております。BUZZCASTではゲーム会社さんのマーケティング支援をYouTuberを中心とするゲーム実況者さんの動画を利用して行っています。

キャリアに関してなのですが、私、最終学歴が中卒でして。高校に行ったんですけど、夏休みに入る前に辞めてしまったんです。

そこから、友達が就職や進学をしだすのを見て危機感を感じ、私はゲームが好きだったので、ゲームを作る専門学校があるらしいということで、じゃあちょっと入っちゃおうかな、という事で入学しました。

卒業後1社インターンから入社して1年程かけて正社員になり、そこからコナミという会社に転職して、そのあと1社挟んでメタップスという会社に入社しました。

そこで社員20人くらいのところから上場するところまで働いて、現場のマネージャーや子会社社長をさせて頂いていたんですけれども、外に出る機会を頂きまして、ベンチャーキャピタルさんから出資して頂き、その会社をMBO(マネジメントバイアウト)、半分外に出して頂いたような形ですね。というキャリアを歩みました。あと子供が四人いまして、その点もちょっと珍しいのかなと思います。今日は珍しい話が出来ればと思いますので、よろしくお願いします。

イセオサム(以下、イセ):イセと申します。今はPLAY株式会社という、個人事務所みたいなものなんですけど、そういう会社をやってます。サービスでいうと「写真で一言ボケて(bokete)」という、お笑いのアプリをやっていて、これが5年ちょいくらいですね。今は、それをやりながらボケて関連のチームで1人1個会社をやっていて、そのうち2つに参画しています。ですので会社でいうと計3つやっている感じになります。基本的にはWebサービスとかアプリのプロデュースとかディレクションがメイン業務です。(資料を指さしながら)そして苦手なところというのが大事なんですけど、僕単純作業と時間拘束と義務感に基づくものが極めて苦手で、朝起きれないとか、時間通り来れないとか…。今日奇跡的に間に合ってますけども(笑)そこらへんが苦手なので、しょうがなくこのスタイルで働いています。あと去年から日本文化を学び始めまして、ボケての海外展開を進めていくうえで、日本を全く知らないという人に向けてやってます。笑いが日本と海外で全然違うみたいなところがあって。まぁ具体的には京都の祇園で舞妓さんと遊ぶっていう(笑)半分遊びで、半分仕事みたいなものになっていて。伝説の舞妓さんみたいな人がいて。僕のお母さんくらいの年なんですけど。その人と日本文化を学ぶイベントを開催したりしてます。

 バックグラウンドでいうと、最初日テレでズームイン!SUPERの制作チームに所属していて、僕ドラマがやりたいって言ってテレビ局に入ったのに、配属がズームイン!だったので、しかも着ぐるみに入るっていう(笑)これをやりながらニュースとかもしていたんですけど、まず配属が選べないのか!って1年で辞めて、オプトっていうインターネットの広告代理店で2年半修行して、そのあと25歳のときにHALOって会社を3人で作って。これはアプリを作る会社ですね。アプリをひたすらプロデュースするっていうのをやってました。

 今回はパラレルワークっていうお題になってますけど、僕先程も言ったようにあまり落ち着きがなくて一つの事に集中できなくて、かつ適当というのがあるので、話を聞いて、なんか面白そうだなというものがあればどんどん参加をしていったら増えていった、みたいな感じです。僕が興味のある所を、お手伝いしたりとかサービスを立ち上げたりするようなスタイルでやってます。今日はよろしくお願いします。

柳澤康弘(以下、ヤン):初めまして、柳澤といいます。「ヤン」って呼ばれてるので、そう呼んでもらって大丈夫です。僕は大学の時から会社を作ったりしていて、いくつか作った後に、株式会社パンカクという会社を作りました。始めはWebのシステムを作っていたんですけど、そうこうしているうちにスマートフォンが出て。iPhone3Gが発売するというタイミングで、面白そう、と思って、スマホアプリを作り始めました。その時はWebの受託開発と、スマホアプリ開発の両軸でやっていたんですけど、「LightBike」というタイトルが上手くアタリまして、それがアメリカのAppStoreの有料アプリランキング1位を獲りました。その後は日本のアプリで1位というのはないと思うので、結構珍しいのかなと。そのあとも、スマホのゲーム系にスポットを当てて、大手のゲーム会社さんと一緒に開発させてもらったりだとか。とにかくスマホ向けのゲームを色々作り、2013年にコロプラに業務譲渡して、そこから先2016年の頭くらいまでコロプラにいました。そこでは、ゲームの開発とか採用とか色々幅広くやりました。あとはハッカソンを企画したりしてました。企業を超えてやってました。でもやっぱり会社の為にやっていく、というのは難しくて、「自由にやりたい」という気持ちが強くて(笑)今日も名刺を忘れちゃって名刺貰うだけの人になっちゃって。そういうところがあって、自分を見つめなおそうってわけじゃないんですけど、今までやりたいと思ってやれてなかったことをやるべきじゃないかと思って、2016年に世界一周したり、今まで行きたいと思っていけてなかったところに行ったりとか、一通り回り、そのあと去年の夏にキングコングの西野くんが「通貨を作りたい」ということを言い出して。僕元々西野君の家に居候として3年半くらい転がり込んでたことがあって、その繋がりがあったんで、「じゃあなんか作ろうか」っていう事で紆余曲折を経て、といっても2か月ちょいですが開発したのが「レターポット」っていうサービスです。去年の12月27日くらいにリリースして、3か月ちょっと経って今5万人くらいの方に使っていただいてる状態で、これからもっと増やさないとなという所ですね。それを作ったりしたっていうのが近況で、後はほかにも経歴に載せづらいというか、なんか相談受けたらアドバイスしたりとか一緒に作ったりとかっていうのをやっていて、それは別に報酬が発生しているというわけでもなく。先月とかだと、タイのバンコクで新規事業を立ち上げたいという友達がいたので、そこで1週間くらいで企画立案から実際に顧客に使っていただいてインタビューするという検証までやってきたりとか。いろいろとよくわからない活動をしているという感じです。肩書としては、株式会社タノピコの代表という感じで、これ自分一人しかいない会社なんですが、活動としてはこれで行っていますね。

山田:ではこの変わったキャリアの3人で進めていければと思います。ちなみに僕最初に入った会社ではモバイルコンテンツのデバッカーとして入社しました。

イセ:デバッグわかります?あれですね、ゲームでバグが出るじゃないですか。プログラムのエラーみたいなものですよね。あれを取り除いていく作業ですよね。

山田:そうです。仕様書がない状態のデバッグなんかはひたすら壁にぶち当たり、ずっと地道にやっていくという。

イセ:それはコナミのゲームですか?

山田:いや、その前ですね。そして未だにデバッガとしての習慣がついていて、Webサービスを全部調べて。そしてバグを見つけるとみんなに共有するという(笑)

イセ:それいるとうれしい。めっちゃ大事ですね。

山田:それでこの3人でディスカッションを進めていきたいんですけど、事前に用意されたお題を全部やるのはむずかしいと思うので、面白そうなものを選んでやっていきたいなと思ってます。では最初に、無難にパラレルっぽい感じのものをやっていきたいと思うんですけど。

山田:では早速ですが、副(複)業を始めたのはどういうきっかけだったのでしょうか?

副業はご縁ではじまる

イセ:きっかけは、僕最初は新卒はテレビ局で24時間その会社にいるみたいな感じで、副業する時間まったくなかったんですよ。だからその時は(副業は)してなくて。1年でやめて広告代理店にいたときに、まさかの土日休みなんだと思って(笑)今から10年前の話なので、今はそんなに(テレビ局は)ブラックじゃないと思うんですけど。土日休みなことにビックリして。(テレビ局にいた時は)土曜日も会社行ってる、みたいなだったんで。ただそれは、自分が一番だと思うものを作らなければいけないなと思ってたので、その仕事を土曜日もやってましたね。やっぱり一つ抜けないと、自分の価値がないから。そのあと自分の会社を立ち上げてからわかったんですけど、僕1年くらいで一つの事業飽きちゃうんですよ(笑)じゃあその時にもう1個やるみたいなことをやって、それを社内でいっぱい立ち上げたんです。おそらく皆さんも、会社の中でそれぞれ役割を持ってると思うんですよ。僕も最初は会社の中でやってたんですけど、別に会社に収まらない仕事も出てくるじゃないですか。例えば、この会社はアプリを作る会社であるけど、そうでないこともやっていったっていう。僕はやりたいものが増えちゃったっていうパターンですね。

山田:それは自分がやりたくて始めたのでしょうか?それとも相談を受けてでしょうか?

イセ:僕、あんまり自分から動くことがないので相談ベースが多いですね。ありがたいことに頂く相談の数が多いので、その中で気が合う人と、面白いことやろうっていう。それでやってます。

山田:それはHALOをやっていた時からそうなですか?

イセ:そうですね。自分で仕掛けたのもあるかなぁ。面白いの作りたいなってのもあるんですよね。やっぱり(相談されて始めるものと)半々くらいかも。でも一人でやってないですね。開発者ではないし、デザイナーでもないので、基本的に誰かと組んでやるっていう感じです。

山田:面白そうなやつに全部首を突っ込んで今に至るって感じですかね。

イセ:そうですね。

山田:その時に、怖いなと思った事ってないですか?僕はサラリーマン人生が長くて、10年くらいサラリーマンやってたんですけど、(仕事が)分散してしまうのが怖いなというのがあって。

イセ:確かに分散のストレスはあったので、社会人の最初3年くらい+企業してから2年くらいはだいたい一つの事をやっているのが多かったですね。他の事をやるんだったら、例えばスマホのアプリだったらそれがしっかり出来てから、というのが多かったですね。

山田:ちゃんと確立されたうえで。

イセ:って本に書いてあったんで(笑)

山田:ヤンさんは複業をやったことはあるんですか?

ヤン:そうですね。あるにはあるけどあまり、はっきり肩書として複数あるかっていうとそうとも言いづらいというか。もやっとした複業でしたね。例えば、僕が学生の時にベンチャー企業をいくつか作っていた時に重なっている時期はあるんですよ。一個やって次やって、とそんなに綺麗には分かれないので、ちょっと(一方の企業が)しょぼんとしてきて、やっぱこっちのほうがいいんじゃないとか。また別のものを違う仲間と一緒に作って、仕掛けて、みたいなのをいくつかやってたので、結果として複数ある状態っていうのが結構あったという感じですね。

ただそのあとパンカクをやってるときはもう必死だったので、全力でそれ一個やるだけみたいな感じで、とはいえ社内で、スマホアプリが出てきたタイミングで、全社でアプリだけをやるという判断はさすがにできない、というか、当時のスマホの、「なんだこの文字変換の遅さは!使い物にならない!」みたいな、ガラケーの方が勝つような風潮の中で中々スマホアプリ一本でいくというのは狂気の沙汰というか(笑)さすがにそれはできなくて、確実に稼ぐものと、Web/システムの受託開発をやり、一方で、趣味を兼ねてというか、将来性はあると信じながらやってたのはスマホアプリの方で。そういう意味では複業というか、複数の事を同時に走らせるというのはやりましたね。

イセ:それはパンカクの中で?

ヤン:そうです。社内で。一応子会社を作ったタイミングもあったりするんですけど、もちょっとラボ的にやろうと思ったんですよ。そこで、より実験的なものとか、儲かるか本当にわからないものを作るだけの湘南ラボっていう会社を実は作ったんですよ。でもそれはそんなにワークしなかったので結局パンカクの社内に戻したんですけど。そういう実験を兼ねて複数やってましたね。あと今の肩書はわけわからないですね。今はタノピコの代表っていうふうになってますけど、色々やってはいて。

イセ:それはタノピコ名義でやるんですか?それとも個人で?

ヤン:個人です。別に会社を絡める必要がなかったりするので。何か相談受けたら、こうしたほうがいいんじゃないのっていう風に背中を押して。最近あったのが、(友人の)米屋の息子が、何やったらいいかわからないんです、ってのがあって。米屋って儲からないんですよ。お米を売るのってすごい大変で。年に1回収穫があるじゃないですか。収穫のタイミングがキャッシュアウトのタイミングでもあって。1年分の米を、農家から買い付けて、そのあと1年かけてちまちまと売っていくっていうビジネスなので、超しんどいです。で、その息子が、何をやったらいいかわからないっていう。跡を継ぐべきか、それとも東京に出てきて一旗揚げるべきか、ということで、一旦東京に出てきたはいいものの、どうしたらいいかわかんないみたいな状況だったので、じゃあ米使ってなんかやれよっていう無責任なアドバイスをして(笑)そしたらそいつが次の日からおにぎりを渋谷とか六本木とかで売り出して、頑張りだしたから、そのアドバイスした責任上、放置するのもできないと思うので、結果なんだかんだ出資したりとか、その会社の役員やったりとか、っていうのはありますけど、特に僕自身がやったりというのはないですね。

名前も「おにぎり屋」で、内容も純粋なおにぎり屋。ITは何も絡んでない。

山田:プロジェクト単位でっていうよりかは・・・

ヤン:そうですね、まぁ面白い話だったり、ご縁があればそういうのに関わることもある。

山田:ありがとうございます。お二人とも、副業に携わるきっかけとしては、「縁」なんですかね。

イセ:縁、多いですね。

ヤン:ですね。あとは、流れというか。ピンときたらやるし、知り合いが困ってるときに、「こうしたらいいんじゃないか」みたいな解決策が見えたら、じゃあ俺も手伝うよみたいな感じになるかもしれないし。ご縁ですよね。フラフラしてます、僕は。

イセ:今日いらっしゃる方と何か始まるかもしれないし、始まらないかもしれないし。

副(複)業の話がきたら、とりあえずやってみる

山田:タイミングですよね。ちなみに、お二人は起業して、副業/パラレルワークを行っているじゃないですか。

もし、自分がサラリーマンだとして、毎月会社から給料を貰ってるようなときに相談来たときはどうしますか?

僕は結構サラリーマン時代相談とか貰っていたんですけど、会社の仕事どうしよう、みたいな恐怖があります。

イセ:それは、会社の業務に支障が出ちゃうみたいな?

山田:そうですね。

ヤン:僕だったら、やっちゃえと思いますけどね。もし、本当に副業をやって、収入を得てはいけないというのがあるんだったら、収入を放棄すればいい。本当に、自分が興味を持って「面白い」と思うような事だったら、ボランティアで完全に手伝っちゃって、そのプロジェクトの中で重要人物になり、そのプロジェクト自体が結果的にうまくいけば、その先で会社を作ろうとなった時の役員になったりとかはあるわけなので。そこから別に小銭を稼ぐというのは考えずに、どんどんできることをやっちゃうっていうのはいいと思いますけどね!

イセ:多分小銭稼ぐ発想でやってないですよね。

ヤン:やってないです。

イセ:小銭稼ぐんだったらもっと他にやり方あるだろっていう。

ヤン:レターポットとかも、そもそもどんなのか全然わからないですよね?皆さん後で検索してほしいんですけど、簡単に説明すると、一文字を5円で買って、人に贈れるサービスです。

イセ:知ってる方どれくらいいます?(ちらほらと挙げる)

ヤン:あっ結構いる。よかった。多分今手を上げなかった人は、今の説明の意味がわからないと思うんです。文字を5円で買って送れるって言っても。それがビジネスになる!儲かる!っていうから作ったわけではなくて。キングコングの西野君と一緒にプロジェクトをやって、それを成功させたいって思ってたし、僕元々エンジニアリングやっていて、プログラミングができるので、あぁ俺だったら作れるなって思ったから作った、っていうのがあるだけなので。あとやっぱり、変に小銭を稼ごうとか、いくらになるからやろう、っていうのじゃなかったですね。

イセ:なんかよく西野さんが言いますけど、信用を貯める。そういう事になるんですかね。

ヤン:そうです。いいことをすると、なんだかんだきっといいことになるんだろうな。とは信じてますね。

イセ:それが「ご縁」を引き寄せることになるんじゃないですかね。

ヤン:そうかもしれないですね。



時間配分はテンションで決まる?

山田:事前に頂いたアンケートで多かったのは、「働き方」についての質問でしたので、働き方についての話ができればと思うんですけど、複数やってると、気持ちの切り替えとか、時間配分とか、そのあたりどうしてるのかというのが結構多くて。是非お二人にお聞きしたいです。

イセ:一週間の予定どうなってるかっていうのを聞かれることが結構多いんですけど、僕あまり時間で割ってるという事はなくて、どちらかというと、その時の自分が一番パフォーマンスを発揮できることをやっているので、あまり固定のリソースとして読まないでくれみたいな感じですね。っていうのも、僕は閃いたときとか何かに対してテンションが上がってるときに良いパフォーマンスが出せるので、閃いた時にその仕事をやるっていう。

山田:その閃くカギがあったとして、例えば5個仕事をしていて、その5個目のカギが開かない期間が続いてたなんて時期はなかったんですか?

イセ:残念ながらそういう事もありますね(笑)一方でどういう仕事をチームで担うかっていうので違うんですけど、あまり僕作業が得意じゃないので、毎日(同じ)何かをやるとかは(仕事として)持ってないんですよ。だからこういうスタイルなんですけど。毎日やるみたいな人は時間で割った方がいいかもしれないですね。どこか務められてるとしたら、9時から18時ぐらいまで普通に働いてると思うんですけど、それ以外の時間って結構空いているなって感覚があるんですよ。そこを決めちゃって、やるとか。

ヤン:僕も切り替えるのがすごい苦手なので、あまりこう時間を決めてできたためしがないですね。夏休みの宿題とかも計画的にまったくやれないタイプで、最後に駆け込みでやるって感じなので(笑)やっぱりやれるときにやるとか、盛り上がった時にやるとか、やばくなったらやるとか(笑)そんな感じにはなりますね。やっぱりテンションですね。

イセ:テンションで、人間のパフォーマンスって2倍以上違うんですよ。

ヤン:いや全然違いますよね。

イセ:(パラレルワークは仕事が)複数あるから、テンション高いものからできるじゃないですか。パフォーマンス高いものからやってるから、結果が2倍以上出てる可能性もありますよね。

ヤン:効率がいいですね。

山田:例えば1年間の中で1個の事にテンションが上がりすぎちゃうことってあるんですか?

イセ:そういうこともありますね。2008年の起業当時、僕アプリ全然作れてなくて、ヤンさん全米1位獲ってていいなぁと思っていたんですけど。その時はいわゆるガラケーの広告代理店事業をやりながら。そのあと、少しずつ作れるようになって、ようやくiPhoneアプリも芽が出始めたんですよ。韓国から日本にローカライズしたものなんですけど。そして代理店事業は辞めたかったんで、辞めました。一方をやりながら、一方がうまくいったら切り替える、みたいなことはやってました。そういうお付き合いの仕方やってる人いそうですね(笑)

山田:そういう意味では副業って、ずっと固定で発生するようなものなのか、もしくはスポット的に手伝ってほしいようなものなのか、そこいう違いはあるのかなと。

自分は当時勤めていた会社で、規定で副業がダメだったんですけども、知り合いから「ちょっと困ってる、スマホとかわからない」「ソーシャルゲームやりたいけど、5人しかいないから作れない」というような相談を受けた事があって、その時ちょうどカジュアルゲームがキテるタイミングで、だったこういう風にやったらいいよとか。

焼肉を奢ってくれるっていうんで、焼肉を食べながら1時間くらい喋ってたら、「じゃあ山田さんやってくださいよ」と言われた事があります。

でも働いてるので無理ですって言ったら、「じゃあ夜だけでいいです」となり。

まあ個人でいいならと思い、会社に黙ってこっそり、やってましたね。1年間くらい。

それは時間を決めてやっていたんですけど、平日日中は、さすがに会社の中ではできない。

その時忙しくて、いつも終電で帰って、そして午前1時くらいにご飯を食べながら午前3時くらいまでゲーム作ってという事をやってましたね。

それは人の縁というか相談を貰って、困ってるっていうんで、じゃあ助けてあげるか、っていう。しかも僕ゲーム好きだったので。それでもスマホネイティブは作ったことないけどいい?みたいな感じでしたね。

イセ:結構ハードですね。本業も120%やりつつ。

ヤン:しんどいですね。

イセ:これ普通の人は無理だとか思った人いるかも多いかもしれないですけど、ハードモードでやるっていう手もありますよね。

副業でいきなりお金がもらえる人なんて多くない



山田:僕、イセさんと近いかもしれないですけど、気持ちが入らないこと、出来ないんですよ、本当に。

他の人が70~80点取れる事が、気持ちが入ってないと30点も取れないみたいな、全然ダメなので。だからお金稼ぐっていうよりも、遊びですね。

仕事でマーケティング携わってるけど、自分ではゲーム配信する側やってないから、ちょっとやりたいかも。みたいな。

ヤン:オンラインゲームだと夜中ずっとずっとやりたいみたいな感じかもしれないですね。そう考えると仕事と両立できますもんね。それくらいのつもりでやるのがいいのかもしれません。

イセ:いきなり、僕ら事業立ち上げる時って、お金入らない前提じゃないですか。そういうのに慣れてるのかもしれないです。サービス作って何か月も何年も0円のものは0円なんで。そういうこともあるっていうのはすごく認識はしてる。だから、楽しかったらやるし。

山田:その時のリスクヘッジの仕方なんですよね。無給のまま1年も働けないので。僕も副業は楽しかったしお金貰わなくてもいいや、って思ってたりしました。

1回やっちゃうと、あ、意外と両立できるんだな、やれたな、っていうマインドになりますよね。

最初飛び込むまでは怖くて。会社にバレるんじゃないかな、とか。

でも結果怒られなかったし。でもわかってたと思うんですよ。

源泉とかで。「あれ、こいつめっちゃ税金払ってんな」みたいな。興味でやれる方々は、おそらく踏み出しやすいですよね。

イセ:最初はどっちかっていうと、副業するにしても自分にそんなにバリューがない可能性が高いじゃないですか。だから、タダでもいいからそういう機会を自分が得てやってみる。みたいなのが大事だなと思いますね。

山田:そうですよね。

イセ:うちの会社も副業推進してますけど、いきなりお金がもらえる人なんてあまりいないと思うんですよね。それがこれから問題になると思うんですけど。

山田:ちょっと興味があるので聞きたいんですけど、副業をやるうえで、個の力というか、こういう状態だとやりやすいのとかあったりします?

イセ:何かしらわかりやすいスキルがあるとやりやすいですよね。例えば僕らの業界だと、アプリ作るとしたらデザインとかエンジニアリングとか。あとはマーケティングもですし。敢えてその人に頼む理由があった方がいいですよね。逆に僕に何か頼む場合も、僕はこれができるので、っていう風になると思うし。

ヤン:個の力を見る上で、作品とかあるとわかりやすいですね。スキルありますって言われても、どんなもんなのか、そもそも趣味合うかな、テイストが、とかいろいろあると思うので、やはり何かしら形になるものがあれば。例えばこのプロジェクトのこの部分私やりましたとかあれば、じゃあ合うかなとか、スキル凄いけどそれは合わないかなという判断ができるので、声を掛けやすくなるんですよね。モノ作れるって強いなと。わかりやすいです。「こういう面白い企画のここ担当しました」っていうのでもいいと思います。

イセ:ブログとか、Twitterとかインスタにひたすらあげるっていうのも手ですよね。これやる人意外と少ないんですよ。ずっとブログに自分のやった事書くとかね。これだけでも全然(スキルが)わかるじゃないですか。これって転職市場でもそうだし、特に副業だったらわかりやすいですよね。文章が面白い人は実際も面白かったりするので、そういうのが得意な人は良い手段だし。ブログ書いてると、自分というものが残るじゃないですか。って意味で僕は書いてます。

山田:イセさんクラスになると、今は見てる人沢山いると思うんですけど、無名の日テレ時代にブログやっててもおそらく誰も見てくれないじゃないですか。

イセ:日テレの時も書いてましたよ。というか学生の時から書いてました。15年くらい書いてますね。日テレの時は匿名で書いてたんですけど、テレビはこれからインターネットになっていく、という事を書いてました。テレビ局辞めようと思ってたんで、テレビの未来を考えようと思って、そんなことを書いてました。実名で出すとマズかったのかなと。

山田:それは反響あったんですか?

イセ:いや、あんまないですよ。それが実名であるか匿名であるか一長一短ですけど、まぁ匿名の誰かが言ってもそんなにインパクトはないですよ。ただ書く訓練というのはやっててよかったなと。

山田:でも、わかりにくいスキルもありますよね。営業やってますみたいなとか。

ヤン:難しいっすね。ただモノ作らなくてもブログでいいっていうのはありますね。

山田:個の力に関して、個性がある人って割と力を発揮しやすいと思うんですけど、それでも自信がついてないというか、そういう人はちょっと難しいですよね。

イセ:僕自信ないときブログ書いてない時期ありますよ。僕のアップダウンはブログ書いてる時期と書いてない時期に分けられるので、それでだいたいわかる感じ。

山田:ブログ書く(=テンションを上げる)モチベーションって何があったりするのでしょうか?

イセ:僕、この2年くらいあんまりヒット出せていなくて、自分の中でヒットを出すことがミッションになっちゃって、それは違うなってことに気付いたので、そこで一旦初心に帰って、いろんなもの出してた方が面白いことが起こるんじゃないかっていう風にマインドをチェンジしたりだとかはありますね。

【後編】に続く…


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