本記事では、2022年にVisionalグループ 株式会社ビズリーチへ新卒入社したエンジニアの1年間の業務を事例としてご紹介します。
※このストーリーは、2023年10月5日に、企業ブログ「Visional Engineering Blog」で公開した記事を転載したものです。
はじめに
株式会社ビズリーチ リクルーティングプロダクト本部所属の内田です。 私は、昨年の2022年にエンジニアとして新卒入社し、主に新規プロダクトの立ち上げに携わってきました。 この記事では、新卒エンジニアの1年間を一例としてご紹介します。
入社の経緯
私の入社のきっかけは、2020年の就業型インターンに参加したことです。 当時はビズリーチサービスの求職者様向けAndroidアプリのグロースに携わりました。 1ヶ月半という期間でしたが、とても濃密な日々だったことを覚えています。
実際に現場で働く中、会社や事業のミッション・バリューに共感していきました。 加えて、この規模の事業・組織・プロダクトではどんな課題がどんな経緯で発生し、それにどう取り組むのか当事者として携わってみたくなり、入社したいと考えるようになりました。
1年目の主な業務の紹介
プロジェクトの発足
新卒研修後は、システム横断グループという組織で、ビズリーチプロダクトのリアーキテクティングを推進することになりました。 そのような中、既存プロダクトの提供価値を再定義、課題を特定し、新プロダクトとして立ち上げることになりました。
「ビズリーチ」は企業様向けと求職者様向けに転職プラットフォームを提供しています。 その企業様向けの採用業務をサポートするプロダクト(図1の黄色のサービス)に焦点が当たったのです。
※ 当社とビズリーチサービスについてさらに詳しく知りたい方は、新卒プロダクト職向け 会社説明資料をご覧ください。
チームは10人以下で、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャーで構成されました。 私はバックエンドを主軸として、アプリケーション開発に携わりました。
主な業務内容
プロダクトを新規開発する上で、プロダクトマネージャーと要件について議論、デザイナーとUI/UXについて検討し、進めていきました。
また、チームメンバーと以下のような業務をしていました。
- 立ち上げに係るバックエンド開発基盤の構築
- Web API設計とバックエンド実装
- GitHub ActionsでのCIワークフローの実装
- Terraformによるアプリケーション実行環境・監視の構築など
発足から約半年で基準を満たし、初回リリースができました。 リリース後は、機能開発やインシデント対応なども行っています。
挑戦したこと
1年目は「エンジニアリングにおける得意領域を広げつつ、チームで仕事をするためのソフトスキルを伸ばす」ことをモットーに業務へ携わりました。
得意領域を広げるという点では、デプロイやインフラ周りの経験が乏しかったので、手を挙げて関連タスクを担当しました。 チームの先輩方に教えてもらうことで、実行環境や監視の設計・実装ができるようになりました。
また、システム面で挑戦したこととして、認可アーキテクチャの構築があります。 開発するプロダクトでは、多くのアクターがそれぞれの業務を回す為に、複雑な認可制御を実現する必要がありました。 複雑な認可制御はアプリケーションの複雑度に寄与し、変更容易性を低下させます。
チームのエンジニアと協力し、多くの認可処理をアプリケーションから切り出し、宣言的なポリシーと独立した認可テスト実行を実現できました。
ソフトスキルを伸ばすという点では、後述しますが特にチームでの開発推進にフォーカスして挑戦しました。
チームで困難を乗り越える
プロダクトの立ち上げはチームの立ち上げでもあったため、チームや開発プロセスの問題がよく発生しました。 私は、アジャイルセレモニーのファシリテーションを担当することが多かったのですが、特にリファインメントを進めづらかった時期がありました。 複数の要因はありますが結果として、スプリントの成果にも悪影響を与えており、チームとしても良い状態ではありませんでした。
そこで、基本に戻って各セレモニーが完了した時にどのような状態となっていると良いかを議論し、改めて言語化することで、チームで認識を揃えました。 バックログアイテムの粒度等も見直し、徐々にリファインメントが上手く回る状況を作れるようになりました。
1年間の学び
1年間で多くの学びがありましたが、特に「考え抜き、トレードオフの中でTo-Beを描くこと」の重要さを実感した1年でした。
配属後、マネージャーとの1on1を通して「考え抜くこと」や「物事を決めていくこと」の重要性を理解していきました。 特にリアーキテクティングの文脈では、現行システムの問題を特定し、それを再現させない/しにくい状態にもっていく必要があります。
私は、及第点の解決策が出るとそこで満足してしまう傾向にありました。 「考え抜くこと」で、より良いやり方が出るだけではなく、なぜやらないのかも考えて議論を残す2こともできます。 また、考え抜いた後も自分からどうしていきたいのかを描き、ステークホルダーを巻き込むことは仕事を推進する上で重要だと感じました。
一方で振り返ってみると、1年目は短期的な成果を優先するために近視眼的になってしまっていました。 もし1年目に戻れるとしたら、焦らずに、プロダクトやシステム、ドメインを理解することに意識を向けると良かったと思っています。
リアーキテクティングはそれらの知識を獲得する絶好の機会でもあるので、必要に応じて形式知にもしていき、今後一緒に働く仲間のオンボーディング等にも貢献していきたいと考えています。
おわりに
今夏から、採用企業様向けプロダクトのリアーキテクティングに携わっています。 1年目に培った経験を活かしつつ、エンジニアとしてもプロダクト組織の一員としても視野を広げ、組織にレバレッジを効かせていけるよう邁進します。
Visionalには、チャレンジングな課題を考え抜きTo-Beを描ける環境があります。 新卒採用にご興味がある方は、新卒採用サイトをご確認ください!
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- 私たちの組織ではArchitectural Decision Recordsという形で技術的な意思決定を残しています。 ↩︎
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