坂本 美樹 - Sakamoto Miki
大学卒業後、BPR領域のコンサルティング会社へ入社。キャリアを積んだ後、ソーシャルビジネス関連のベンチャー企業へ転職。その後は大手人材サービス企業の事業企画を経て、2018年にグリー株式会社(以下「グリー」)へ入社。同年5月にグリーの子会社となるアウモ株式会社(以下「アウモ」)へ出向。現在はコーポレート部の経営管理チームでマネージャーを務める。趣味は旅行、ご当地グルメの開拓。
前職までの経歴
ファーストキャリアはコンサルとしてスタートしました。そこでは、決算早期化や新会計基準の導入など、会計寄りのBPR領域に長く携わっていました。
10年ほど勤めた後に出産、育休を終えようかという頃、もう少し直接的に社会貢献性の高い仕事がしたいと思い、アナログとデジタルの両面から高齢化社会をより良くするというミッションに惹かれて10人くらいの小さなベンチャー企業に転職しました。
最初の転職は自分にとっては思い切ったチャレンジで、やる気に満ちていましたが、これが思うようには運ばず、入社してから1年ほどで自分含め多くのメンバーが会社を去ることになってしまいました。
今思えば、PMFがまだ出来ていない中で必死に顧客開拓をしているフェーズで、どうやって事業を成長させていけば良いか分からない自分がもどかしかったことを覚えています。どんなに良いことでも、儲からないと続けられない、という当たり前のことを、遅ればせながらここで実感しました。
そこから、「社会をより良くすること」と「事業はどうやって成長していくのかを知れること」を条件に、求職するため人材紹介会社の門を叩いたところ、そのままその会社にお誘いいただき、事業企画の仕事をすることになりました。
ここで初めて、事業計画の策定や予実管理の実務、管理会計を学びました。日々膨大な数値との格闘でかなり大変でしたが、徐々に数字の流れを体得することができました。この経験がいまのキャリアに繋がっているところも多くあり、未経験かつ子育て中の自分に貴重な機会を与えてくださったことに感謝しています。
”立ち上げ期の事業”をあえて選んだ理由
当時、アウモの取締役としてコーポレート部長を務めていたのがコンサル時代の上司で、「グリーの新規事業で会社を作るから手伝って欲しい」と誘っていただいたんです。
その頃、私が担当していた事業は既にかなり成熟していたので、これからどうなるのか全く分からない0からの事業に携わるのも面白そうだと感じて、グリーへの入社を決めました。
「社会をより良くする」仕事がしたいという思いは変わっておらず、「なぜ、おでかけ情報を扱う事業に?」と自問もしましたが、社会の痛みの部分を小さくするアプローチではなく、楽しみを大きくするアプローチというも面白いかな、と思っての決断でした。
「何から手を付けるか」そこからのスタート
私がアウモに入った頃は、グリーの新規事業だったアウモが子会社化して半年経っていないタイミングでした。初日のみなさんへの挨拶では、「何をやるかは決まっていません。何かしらお役に立てることがあると思ってます!」とお話したのを覚えています(笑)。
もう4年ほど前になりますが、最初は受注周りの業務フローの構築からスタートしました。当時は月の売上予測が当たらず、月次の実績が出れば費用が想定を大幅に上回っていたり、経営管理の観点ではかなりスリル感のある状態だったことを覚えています。
その後も経理関係のシステム導入や、たくさんの運用上のルールを決めて、予実管理のためのインフラ作りなど、おカネの管理に必要なことはできることから何でもやっていきました。
経営管理チームの業務範囲
私のチームでは、会社のおカネにまつわること全部が業務範囲で、経営管理と経理の二つを担当しています。私自身は経営管理の役割を持ちつつ、チームとしては毎月の売上や費用の計上といった経理の実務も担っています。
また、会社全体の業務の工程に穴があると、最終的に数字に不都合が出るので、数値がしっかりと合うように、社内の色々な部署の人たちとも適宜接点を持って、業務フローを改善するような動きをすることもしばしばあります。
チームの立ち位置と特徴
経営管理チームは、事業責任者が業績目標を達成させていくための羅針盤として、各事業や全社での業績予測をリアルタイムで確認できるようにしており、コスト配分や売上目標の引上げなどの行動を機動的に変化させられるようにしています。これによりアウモは、事業責任者が主体的に業績を伸ばすための動きが出来る組織となっていると思います。
一方で、事業責任者とは違った経営管理からの目線で業績を分析をし、事業サイドに変化を促すアクションを取ることもあります。
経理については、一般的な「経理業務」に、受注管理から請求書発行などの事業に向き合う業務と、会計制度の理解から仕訳・開示の実務などの会計に向き合う業務の二つがあるとすると、後者をアウモでは親会社の経理部門に委託しています。
事業と会計を接続する部分に私たちのチームが存在していて、事業側から適切なタイミングで情報を吸い上げて、正確に会計情報に落とし込むことが私たちの役割です。
進みながら自分を鍛えることに適した環境
アウモは目標達成に向けてコミットするカルチャーがとても強い組織だと感じています。事業の成長のために1人1人が必死に役割を全うしているので、管理部門としてもこれを可能な限りサポートしたい。そのためには、柔軟な対応力がかなり鍛えられますね(笑)。
あとは、サービスがどんどん進化しているので、会計論点の検討が必要なシーンが次々訪れるのは楽しいところだと思います。会計知識が必要なシーンでは親会社の経理部門に相談することができるので、会計知識や経理の経験が豊富でなくても、1会社の経理担当として全体を担う経験を積み、知識をつけていくことができます。
大きな会社の経理では科目毎に分業されていて、かなり経験を積んでからでないと全体感を掴めないこともあると聞きます。売上と費用、受注から債権回収まで、1つの会社で発生するお金の流れを全て見ることができるのは、今のアウモのようなフェーズの事業会社ならではだと思います。
事業成長を支えるだけでなく、押し上げるチームへ
大切だと思っているのは、管理の都合で事業の成長を抑制しないこと。とはいえ、管理部門として締めるところは締める。そのバランスをすごく意識しています。
経営管理チームに限らず、いまのアウモの管理部門はスリムな人員体制なので、事業側の皆さんにやってもらうべきことに関しては、誰に対しても徹底して要求させてもらっています。その半面、自分達の業務も日々レベルアップさせて、会社として出来ることを増やす動きを常に続けたいと考えています。
アウモの経営管理チームでは、「変化を楽しめる」というのが重要だと思います。まだ会社も5期目で、常にいろんなことが変化しています。変わらないでいるのはラクですが、変化なきところに成長なし。社内のあちらこちらから変化の波が訪れるので、それに翻弄されるのではなく、先読みして動くことで、自ら先駆けて変化を仕掛けるくらいの感覚でいたいですね。常により良い状態を目指して改善を続けることを一緒に楽しめる人が増えていくと嬉しいなと思います。
会社設立から月商1億までの事業成長や、コロナ禍での業績急降下とそこからの業績回復など、会社として色々な局面を経たいま、やっと安定して収益が出るようになり、その収益を新たな事業への投資に回すことが出来るようになりました。
これまで経営管理チームでは、いかに最小限の人数でやるべきことをやるかに知恵を絞っていましたが、今後は新しいメンバーを迎えて、収益状況の許す範囲でチーム体制を強化し、会社成長や事業拡大に繋がるアウトプットに一層注力していきたいと思います。経理面の業務フローも、事業の拡大を喜んで受け止められるよう、より盤石にしていきたいです。
この4年間を経て感じた、これからのアウモの「面白さ」
入社当初は、事業はどうやって成長していくのか、という問いの答えを知りたいと思っていました。今はそれがどんな努力によって成し遂げられるのか、一例かもしれないですが少し分かるようになった気がしています。
一方で、やりたいことと予算や状況のバランスや、様々な要請に応えることをすべて同時に追求することはなんて難しいのかと、尚更問いが深くなったような気もします。ただその葛藤の中でいかに事業を成長させていけるか、経営に正解はないところに「怖さ」と「面白さ」の両方を感じるようになりました。答えがない面白さというのかな。いまのアウモは0→1を経て、1→10を目指すフェーズです。事業が成長していく過程だけでなく、うまくいかないことに対する改善点や具体的な施策を間近で見続けられるいまのアウモが、私はとても面白いと思っています。
私自身も、決まったことをやり続けるのも得意でないし、より良くしていくという思いで作戦を立てて地道にトライ&エラーを積み重ねています。自分一人ではできないことでも、他部署含め周りが頑張って積み重ねているので、全部上手くいくわけではないですが、時にやってきたことのなにかが上手くいって事業が成長するというサイクルを経験していくことができます。
日本中の「おでかけ」をもっと楽しくする仕事への誇り
チームとして、毎月の経理の業務を適切に進めることには変わらず取り組みながら、それに加えて業績拡大に貢献することや、重要な経営上の意思決定にさらに関与していくことを目指していきたいです。
まだまだメディアもSaaSも発展途上でありながら、今後に向けた新たな構想も動いているので、新しいサービスの立ち上げにも深く関与していきます。
私は旅行や美味しいものが大好きなので、アウモのメディアやサービスが成長することで、魅力ある土地やお店が賑わうことに繋がれば本当に嬉しいし、会社の成長を支えることで、自分たちもこのサイクルの一端を担っていると感じながら仕事ができるのは、幸せなことだと思っています。同じようにやりがいを感じてくれる仲間が増えてくれれば嬉しいです。
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