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開発者によるv4.0全機能解説

Atmoph Window 2の開発を担当している、中野です。
皆様、v4.0のプレゼンテーションは見ていただけましたでしょうか。



開発チームとしても、長い期間かけて準備してきたこのバージョンを皆様についにリリースできること、とても緊張しつつ、楽しんでいただけたら嬉しいなという気持ちです。

この記事では、プレゼンテーションでは時間の都合で触れられなかった修正点も含めて、開発者目線で見どころをご紹介させていただければと思います!かなりの長文になってしまったのですが、是非最後までお付き合い下さいませ。

Panoamra(パノラマ)新フォーメーション

まずは何と言っても、パノラマの新しいフォーメーションです。これは圧巻ですよね。ワイド4/ワイド5/スクエア2の3種類もの新たなフォーメーションが新たにサポートされました。

写真だと伝わりにくいのですが、実際に家にあると、凄まじい迫力です。私の家にはテストのために 2×2、5×1 の両方の組み合わせがあるのですが、来た人はみな「おお、、これは、、」というリアクションになります。

これはソフトウェアが対応すれば出来るというものではなく、風景映像自体も高解像度での撮影が必要で、撮影機材も含め、ずっと前から準備してきた機能です。

この大きな面積の迫力はもちろんなのですが、6K撮影の映像をカットしているので街の様子などがより細かく見えるようになって、見ているととても不思議な感覚になります。今まで見たことがある風景にも、「ああ、ここってこうなっていたんだ」と全く新しい発見があるんです。

まだ全ての風景で対応しているわけではないのですが、徐々に対応風景を拡大していきます。

新しくなった「Views」

こちらもAtmophにとって非常に大きな一歩となる、「Views」のリニューアルです。

風景を見ていて「ここってどの国?」「どんなところなんだろう」って思うことはよくありますよね。そういったときに、その地域の事をもっとよく理解できるように、数年がかりでほぼ全てのスポットに対して新たにテキストを書き下ろしました。ちょうど良い分量で、その土地のことをより深く知ることができる質の高い説明を読むことが出来ます。さらにその風景の周辺地域の情報まで見ることが出来るので、より多面的に風景を理解することが出来ます。

教科書のように、頭から全部見ていく必要はありません。風景を見ていて何か気になった時には、詳細ページを見て、地域を見て、国を見て、という感じで自然に知識を探求できるようになりました。偶然出会った風景から、その土地のことを知るようになり、「いつか行ってみたいな」と思ってもらえたりしたら、とても嬉しいです。

さらに面白い変更点として、いくつかの国と地域では、その土地ならではのアイテムを購入することができるショッピングのリンクが追加になりました。オンラインで買えるちょこっと旅行気分のお土産です。もし見つけたら是非チェックしてみて下さいね。

そして、地図も大きく進化しました。

地球儀や世界地図の中から、風景を探すことが可能になりました。地図上でピンが落ちている場所が、アトモフの風景がある場所です。今までわかりにくかった風景同士の位置関係や、地理的な所在が視覚的にも理解しやすくなり、気ままに世界旅行するように風景を探すことが出来ます。

この地図を見ていると「アトモフ、頑張って世界中を撮影してきたんだな」と感慨深い気持ちになります(笑 あと少しで撮影が50ヶ国になるのですが、今後もこの地図にピンを増やしていけるように頑張っていこうと思います!

実際こうして世界地図を見ていると、「ここに駅があって、線路がこう繋がってるんだ」「ああ、あの有名な山はここにあるんだ」みたいな発見が沢山あって、個人的にとてもお気に入りの機能です。

Atmoph Window 2のスマートフォンアプリも本体のシステム更新と同時に 2.3.0(iOS/Android)という新しいバージョンがリリースされており、こちらを使っていただくと、コントロールパッドのピンチ操作で地図のズームイン・アウトが出来るようになりますのでお試しください。

Atmoph Window 2の大きな画面で世界地図を見るのは、とても不思議で新しい体験です。地球儀を回して世界旅行をお楽しみください。

自分で作り、再生できるプレイリスト

こちらも非常に要望の多かった機能の一つ、風景のプレイリストを自分で自由に作成できるようになりました。

目的別のリスト(Zoomの背景用、集中タイム用、等)に風景を入れておいて、好きなタイミングで切り替えることが出来ます。Limitlessユーザならリストも50個まで作成可能で、順再生やシャッフル再生にも対応、切り替えの間隔も最短30分から選択可能です。

プレイリスト再生への切り替えは、デイリールーティーンからも可能です。

プレイリスト機能の追加に合わせて「Auto(オート)」のOn/Offもデイリールーティーンから操作可能になったので、それらを組み合わせることで、「普段はAutoにしておいて、特定の時間だけプレイリストの風景にしたい」のようなことが可能になりました。例えば、こんな感じのルーティーンです。

  • 8:00 AM 起動 / Auto ON
  • 8:00 AM – 20:00 PM Autoで風景を切り替える
  • 20:00 PM 自作の「焚き火・クラゲ」プレイリストに変更
  • 23:00 PM スリープ

今までは「特定の時間に特定の風景に切り替える」ということが実は出来なかったのですが、プレイリストを使うことでこれが可能になりました。

プレイリストには自分がアップロードした風景や購入した Edition Pass(エディション・パス)の風景なども含められるので、ぜひ自分に合った使い方を見つけて下さい!

MENUのレイアウト変更

プレイリストの更新に合わせてMENUのレイアウトも変更になりました。 「Edition Passのアイコンが沢山並んでプレイリストまでが遠い!」っていう方もいらっしゃったと思いますが、これからは「よく使うアイコンが自動的に左側に来る」という仕様に変更になりました。地味ですが、使い勝手に直結する部分ですよね。

また電源に関する操作もMENUに移動になり、再起動とスリープが簡単に出来るようになりました。

電源コードの抜き差しによる再起動は内部のストレージにダメージを与える可能性がありますので、ぜひこのボタンから再起動をお願いいたします。また、スリープ状態にすればAW2の消費電力はかなり小さいので、しばらく外出するというケースにも、こちらのMENUからスリープにしていただけると嬉しいです。

ユーザー風景 selected by Atmoph

「ユーザー風景 selected by Atmoph」もアトモフの歴史にとって非常に大きな一歩です。アトモフユーザーの皆様がアップロードしてくださった風景の中から、特に素晴らしいものをアトモフが厳選してお届けするコーナーです。

新しく追加された「Goodボタン」は、通常のLikeとは違って、何度でも押せちゃいます。ぜひ連打して、撮影者に「ありがとう」を伝えてください。

オープニングラインナップに風景映像を提供してくださっている皆様は、アトモフ側から「こういった企画があるのですが、参加しませんか?」とお声がけして了承をいただいた方々です(ありがとうございます!)。皆様が普通にアップロードした映像をアトモフが勝手に全体公開するようなことは絶対にありませんので、ご安心ください。

旅先で素晴らしい風景が撮れて、それをアトモフの他のユーザーにもシェアしてもいいよ、という場合には以下のフォームからご応募いただけると嬉しいです。アトモフの風景として見やすいものにするのはなかなか大変なのですが、その基準についても記載させていただいています。

風景を公開したい:
https://support.atmoph.com/hc/ja/articles/21883268866073

オープニングラインナップの風景を見ていただければわかるのですが、さすがアトモフユーザーの皆様、撮影も本当に上手いですね。世界を旅するのが好き、というのが伝わってくる映像ばかりで、撮影コメントともにその映像を観れるのがとても楽しい機能です。

(ユーザー風景の再生には、Limitlessへの加入が必要です)

Ask(AIガイド)

「Ask」は Atmoph Window 2の中のキャラクターに自由な言葉で質問することができる機能で、今回の更新の中で最も目を惹く機能追加かもしれません。

前半で紹介したViewsリニューアルのために長い時間をかけて用意してきた世界の情報に、Open AI の大規模言語モデル(ChatGPT)を組み合わせて作られているAIアシスタントです。この二つが組み合わさることによって、「同じ風景を見ながら話す」という独特の体験を作り出しています。

風景を見ていて、「ここはなんでこういう名前なんだろう」「観光地なのかな?」「みんなどうやってここで過ごしてるんだろう」「日本から何時間くらいで来れるんだろう」みたいに思うことってありますよね。そんな疑問を、いつでも好きなタイミングで、自由な言葉で質問する事ができます。実際に風景を見ながらいろいろなことを聞いていると、「ああ、あの場所がここなんだ!」みたいな感じで曖昧だった知識が繋がったりして、とても面白いです。

また単に返答を文字として表示するだけでなく、言語を自動判定し、リアルタイムにキャラクター毎の音声を合成して実際に喋って答えを聞かせてくれます。英語で話しかければ英語で答え、中国語で話しかければ中国語で返す、という事も実現しているので、是非スマートフォンアプリから自由な質問をしてお試しください。(ガイドの喋る音量は Settings > General > Sound で変えられるシステム音量と連動しています。)

個人的には、気軽に英語で話しかけられる友達としても重宝しています。

Askはちょっと変わった機能なのですが、「その場所について知る」という面では非常にアトモフ的な機能であるとも言えますね。

たまに間違ったことを言ってしまうこともあるかと思いますが、手作業で整えた情報をもとになるべく役にたつ会話ができる様に調整を続けていますので、沢山質問をしてお楽しみ下さい!家に遊びにきた人に見せると驚くので、おすすめです。(Limitless限定機能です)

Soundscape(サウンドスケープ) 追加テーマ(Flower/Night/Evening)、アルゴリズム改善

新しい風景の音楽体験「Soundscape」に、新テーマが3種類も一気に追加されました。花の風景、夜の風景、夕方の風景用のテーマです。

Soundscapeは、風景と一緒に流すことができる、生活を邪魔しない新しい音楽体験です。あまり知られていなかったりするのですが、このSoundscapeのサウンドは実は、実際の演奏家の方がアトモフのためだけに演奏してくださった音のパーツを組み合わせて作られています。

ソフトウェア音源を簡単に組み合わせたものではなく、プロの演奏家の方の中から湧き出てきた音、演奏だからこその豊かさをきっと感じていただけると思います。この機能は音楽家の安田寿之さんにプロデュースしていただいていますが、この経緯や思いについてはこちらのインタビューを是非お読みくださいませ。

今回の新テーマにも素晴らしい演奏家の方が参加されているので、ここで簡単に紹介させていただきます!

Night テーマ

太田剣 Ken Ota
6歳よりピアノ、10歳よりトランペットを始め、13歳でサックスを手にする。
2006年、CD『Swingroove(スウィングルーヴ)』でユニバーサル・ミュージックよりメジャーデビュー。

Charlie ParkerやOscar Petersonらのレコードで知られるJazzの名門『Verve(ヴァーヴ)』レーベルからCDをリリースしたサックス奏者としては、渡辺貞夫に続いて日本人2人目。2020年にはピアニスト和泉宏隆(ex.T-SQUARE,Pyramid)を迎えて第二作『SONGS FROM THE HEART/太田剣 with 和泉宏隆』をリリース。http://www.kenota.net/

K-Ta (MARIMBA & more)
物理法則で成り立つものは仮想も現実もなんでも演奏するMARIMBAプレイヤー。蓮沼執太フィルのメンバーとして活躍するほか、自身のバンドminimalAcousticsでは、鍵盤打楽器に加えシンセサイザーやトラックメイクもこなし、Bassも演奏するなど、その活動は多岐にわたる。https://potofu.me/k-ta

Flower テーマ

伊東 真紀
ジャズとポップスのクロスオーバーな曲を作詞作曲。2枚のシングル、2枚アルバムをリリース。100本以上のCMを歌唱。https://maki-ito.com/

リエ、ペコ(Pecombo)
ペコ・りえ+Hacchan’によるスキャット・ヴォーカル・グループ。
ジャズやボサノヴァをベースに世界の音楽をスパイスに、スタイリッシュで華やかに仕立てたサウンドは21世紀トウキョウ発ならではのワールドワイド仕様。過去4枚のアルバムを発表、TV / CM / ラジオなどメディアで多数起用される。http://pecombo.jp/

Evening テーマ

SANAE
グランドハープからエレクトリックハープまで多様なハープをジャンル問わずこなし、特殊な構造のハープでは類い稀な能力である即興、Cメロ譜や初見演奏などの高度な技術を持ち合わせる奇才ハープ奏者として一定の評価を受けている。スタジオミュージシャンとしても活動、様々なレコーディングやセッション、ステージなどに参加。

エレクトリックハープにおいては日本における第一人者として認められ、独自の音楽性でプログレやロック、エレクトロ、ポップなどを融合させた、世界的にも全く新しい革新的なハープサウンドをいち早く生み出し、その斬新なスタイルと音楽性、発想は高い評価を受け、国内外より追随を受ける。https://sanaharp.wixsite.com/sanae-harp


大久保 茉美
2017年所属ユニット〈木管五重奏カラフル〉としてユニバーサルミュージックよりメジャーデビューしCDアルバム『Trip!』をリリース。2018年公開の映画「リズと青い鳥」で主人公の鎧塚みぞれのオーボエサウンドを担当。また、翌年公開の「劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜」のレコーディングに参加。東京ドームで開催された「世界らん展2019-花と緑の祭典」にゲストとしてライブパフォーマンスを行う。

クラシックのみならずSuperflyやキム・ヒョンジュンなど、様々なアーティストのレコーディング、ライブサポートの他、STAND UP! ORCHESTRAのメンバーとしてSONYのコンサートや番組(“世界の音楽〜ハロー!クラシック”)などにも多数出演するなど幅広い活動をおこなっている。https://mamiokubo.com/home/

こんな凄すぎるメンバーの演奏によって作られるSoundscape、贅沢すぎますね、、!

アルゴリズム改善

また v4.0 でSoundscapeのアルゴリズムにも修正が加えられました。音の重なりが毎回違ったものになるような調整が加えられ、今までのテーマに関しても新しい響きを楽しんでいただけるかと思います。

Soundscape は MENU > Quick から有効化することが出来ます(最初に使うときにはサウンドのダウンロードが始まります)。デイリールーティーンで特定の時間だけ再生するようにも設定できるので、まだ使ったことがないという方は是非この機会にお試し下さい。

(Soundscape 追加テーマはLimitless限定です。)

URLを開く方法が選択可能に

Viewsの中には、ビデオグラファーの方のサイトへのリンクや、ショッピングリンクなど、外部サイトへのリンクがあることがあります。今まではQRコードを表示する仕様になっていましたが、v4.0 からは以下の3種類から選べるようになりました。

  • QRコードを表示
  • スマートフォンで開く
  • メールでリンクを送る

スマートフォンで操作している場合は手元で開けた方が便利ですし、「このリンクは後で見るためにとっておこう」というケースもよくあるので、そういった場合には、アカウントのメールアドレスに送っておくことも出来るようになりました。

Autoで新しい風景が出やすくなるように調整

Autoでは新しい風景が出る場合と、すでにダウンロード済みの風景に切り替わる場合(この場合はダウンロードが無く、即座に切り替わる)のふた通りの動きがあるのですが、より新しい風景が出やすくなるように調整を行いました。

Siri 経由での操作

Atmoph Window 2のスマートフォンアプリのバージョン 2.3.0(iOS版)で、App Intents (App Shortcuts) がサポートされ、v4.0 本体との組み合わせで、Siri経由での操作が可能になりました。

まずは以下の3種類の操作がサポートされます。

  • 「Hey Siri, アトモフをつけて(つける)」
  • 「Hey Siri, アトモフを消して(消す)」
  • 「Hey Siri, アトモフの風景を変えて(変える)」

スマートフォンアプリを最新に更新した状態で一度起動し、操作の対象にしたい Atmoph Window 2 を選択したら準備完了です。(次回からはアプリを立ち上げていなくてもその窓が操作対象になります)

App Intents によって実現している機能なので、そのiPhoneがつながっている AirPods や HomePod からも操作が可能になります。

魔法のような音声操作をお楽しみください。

最後までお読みいただきありがとうございます!

Atmoph Window 2が新しいステージへと進む、大きなアップデートとなる今回のv4.0。その他細かいレイアウト修正やバグ修正などが多数含まれていますので、全ての更新内容はこちらをご覧くださいませ。

バージョン情報:
https://atmoph.com/links/versions

この新しいバージョンにぜひ更新していただき、感想をSNSに #AtmophUpdate タグで投稿してお聞かせください!皆様がどうAtmoph Windowを使ってくださっているのか、とても気になります。

これからも、コンテンツやソフトウェアの継続的な改善をお届けできるように頑張っていきますので、今後もAtmoph Windowのさらなる進化に是非ご期待ください。

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