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リモートでトップページを全面改修しました

 電車に乗らない生活になって、はや半年。「在宅勤務ってそういえばあったよね」な勢いで元の通勤生活に戻った方もおられると思いますが、私たちの職場は引き続き在宅勤務がメーンです。そして9月末に、朝日新聞デジタルの顔、トップページをリニューアルしました。基本、在宅のままで。

 UIUXチームでは、ユーザーが使いやすいサイトを目指して、日々いろんな改修を行っています。トップページの全面リニューアルに着手したのは2020年1月、いまはもう若干思い出せなくなっているビフォーコロナな頃でした。

 朝日新聞デジタルがトップページを全面改修するのは7年ぶりです。サブスクリプションという言葉がはやる前に設計したデザインにいろいろなパーツを加えていった結果、ごちゃごちゃした印象をユーザーに与えてしまっていました。

 「使いやすい」「探しやすい」と一口に言っても、サービスごとにユーザーの好みは違います。何を見つけやすくすれば、「そうそう、これだよ」と思ってもらえるのか。ロイヤルユーザー調査で分析したインサイトをもとに組み立てました。メンバーでワークショップをしてページの基本構造を考え、ひとつのパソコン画面を指さし、ああしようこうしようと議論する。

 そんなタイミングで、コロナです。

 こんな時だからこそ、むしろ報道へのニーズは高まっています。より使いやすいサイトにするべく、改修のスケジュールを変えるわけにはいきません。

 デジタル・イノベーション本部は、さすがに組織名の通り、いち早く在宅環境を整備しました。プロジェクトのコアであるUIUXチーム内では、意思疎通や情報共有に漏れがないように、オンラインで朝会・夕会を毎日実施しました。

 業務のオンライン移行も、やればできるといいますか、実はいままでもやる方法はいろいろあったんだなあと気付かされたことがたくさんありました。

 コロナ前にメンバーのタスクをふせんに書き出し、進行状況や仕事の偏りをチェックしていたホワイトボードは、プロジェクト管理ツール「trello」でほぼ同じことを実現しています。

 「みんなでひとつのパソコン画面を見ていた」作業も、リアルタイムで共同編集できるデザインツール「figma」を全員で見ながら、「こういうこと?」「こっちの方がよくない?」なんて言いつつ詳細なデザインを決めていきました。

 大規模なページ改修をする時は、「本当にこれでいいのかな」と不安になるものです。コロナ前にデザイン監修をお願いしていた外部の専門家には、引き続き助言をもらいました。プロジェクトの進捗に応じてオンライン会議を設定し、デザインに関するメンバーの迷いや悩みをぶつけました。

ページ改修に欠かせないユーザーテストは、さすがに被験者に対面でインタビューするのは難しいだろうと諦めかけましたが、完全オンラインのテストができるUIscope社を利用することで乗り切りました。8月に実施したABテストに合わせてインタビュー対象者を集めてもらい、「普段の使い方を見る」「新デザインのページを使ってもらう」を画面越しに確認しました。その結果得られた気付きをデザインにフィードバックし、100%リリースに向けて改善を重ねました。

 「大事なのはAじゃなくてBだったのか」「このデザインの意図は全然伝わっていないんだな」という気付きは、やはり実際のユーザーに聞いてみなければわかりません。

 トップページリニューアルは、UIUXチームにとって半年がかりの大仕事でした。バタバタと在宅環境に移行しましたが、なんとか無事にリリースできました。

 もちろん「オフラインだともっとスムーズなのにな」という点はあります。さすがに9月28日の100%リリース当日だけはメンバー全員が揃って出社し、対応しました(この記事の写真は、その時に撮ったものです)。緊急事態宣言が解除された6月以降は、週1回だけ「来たい人は来る」出社日を設けています。今後またコロナを取り巻く情勢が変われば、変化していくと思います。

 もともとは都心に住むメンバーがほとんどでしたが、先日、町田市に引っ越したメンバーが現れました。2匹のぬこ様(社長と専務と呼ばれています)と広い家で暮らすために引っ越したそうです。「たしかに、全然それで不都合がないよね」と言える環境はいいなと思います。

 ニュースサイトをどう運営していくか。それはもう難しいことが多いのですが、新しい時代に対応しつつ、前向きな歩みを止めないサイトでありたいです。

(デジタル・イノベーション本部カスタマーエクスペリエンス部 原田朱美)

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