1
/
5

新規事業を立ち上げられる人材を育成するベンチャー企業派遣プログラム

ベンチャー企業派遣1期生として奮闘する櫻井紫乃さん(右)とKAKEAI代表取締役本田英貴さん(左)

0から1を生み出す、新規事業を起こす力とは

新規事業というと、あっと驚く大胆なアイデアが注目されがちですが、具体的にどう事業を進めるか、どう困難を乗り越えていくか、「実行力」の方が実は重要です。0から1を生み出すプロセスには、企画立案、市場調査、サービスデザイン、UIUX、システム構築、リリース、ユーザーサポート、分析、サービス改善、さらに上司の説得、周りを巻き込む力など、さまざまな業務経験が求められます。こういった「実行力」は、事業の入口から出口まで全てのプロセスに関わり、経験を積むことで身につくと言われています。かつてのデジタル・イノベーション本部には、比較的小さな新規案件がたくさんありましたが、近年では事業規模も組織も大きくなったことで、事業への関わりが部分的になっています。20代30代の若手が、入口から出口まで一貫して関わって新しいことにチャレンジできる機会が少なくなったのかもしれません。

環境が整っていないからこそ学べる

そういった背景を受けて、デジタル・イノベーション本部では、人材戦略本部と協力して、事業におけるワークフローの始点から終点まで体験することで、実行力を持つ「0→1人材」を育成する制度を組み立てました。朝日新聞本紙でも紹介されたローンディール社(※注)は、大企業の新規事業担当者を一定期間ベンチャー企業へのレンタル移籍する人材育成サービスを提供しています。ベンチャー企業は、大企業と違って非常に少ない人数で業務を回しているので、大変ですが、事業の入口から出口まで全てのプロセスに関わることができます。また、ローンディール社では、ベンチャー企業にレンタル移籍するだけでなく、その間のメンタリングや他社の新規事業人材とのネットワークも合わせて提供しています。本社内で、既存事業とリソースの奪い合いをしながら、新規事業にチャレンジするよりも、社外で育成して、ノウハウや実行力、人脈を同時に手に入れる方が効率的と言えます。

(※注:https://digital.asahi.com/articles/ASM105R4SM10PLFA00X.html

ベンチャー企業派遣1期生・櫻井紫乃さんの挑戦

2020年4月から6カ月間の予定でスタートした第1回ベンチャー企業派遣では、デジタル・イノベーション本部商品企画事業部の櫻井紫乃さんが選ばれました。櫻井さんは二百数十社のベンチャー企業からHR TECH系「KAKEAI」社を選び、現在はKAKEAI社で勤務しています。期待に胸を膨らませつつ、ベンチャー企業で日々格闘する櫻井さんに聞きました。

Q1.ベンチャー企業派遣プログラムに応募した理由は?このプログラムへ参加することにどんな期待がありましたか?

「入社してから朝日新聞デジタルの運用・管理に携わってきました。基幹サービスの一つに関われてやりがいがありましたが、5年目になる節目で、新たなトライをしたいと思いました。少人数精鋭の環境に身を投じ、幅広い仕事に挑戦したいと思います。ベンチャーでは、ビジネスの価値根源に触れ、事業化していくことのノウハウを学び、帰還後に生かしたいと思います。」

Q2.二百数十社の中からKAKEAIを選んだ理由を教えてください。またKAKEAIの代表取締役の本田さんにお会いしたときどのような印象でしたか?

「KAKEAI「創業の想い」に目が留まりました。本田さん自身のマネジメントにおける失敗から起業したそうです。KAKEAIは、上司と部下の掛け違いを、脳科学×テクノロジーで無くす、マネジメント支援システムです。誰もが自分らしく働ける環境をつくるために、KAKEAIのようなサービスがあれば素敵だなと感じました。面接では「覚悟を持って迎える」と言ってくださり、その眼差しから真剣さを感じました。最後は直感で決めました。」


「Future is here(未来はここにある)」と書かれた前で、KAKEAIのメンバーと一緒の櫻井紫乃さん

Q3.KAKEAI初日の心境はいかがでしたか?また、KAKEAIでの最初のお仕事は何ですか?

「とても印象的な初日でした。挨拶を済ませるとすぐに、7時間におよぶ戦略会議が始まりました。PLをみながら現状を把握し、コロナの影響を踏まえて事業計画を微修正しました。目標を達成するために今月何をするか、今週何をするか、具体的な策を決めていきます。緊張する間もなく、ただただ驚き、キャッチアップに励ました。最初の仕事は、既存サイトのユーザビリティ調査でした。」

Q4.このプログラムを通して、どのような業務を体験できそうですか?それは本社での業務とどのような違いがありそうですか?

「今は、『チームビルディングに挑む人を支援するwebマガジン』の立ち上げを担当しています。サイト構築自体は、今までも経験してきましたが、コンテンツの企画とは距離がありました。サイトに関する全てのことを担当するので、任される業務の幅に違いがありそうです。それに加え、計画と実績のギャップを埋める作業も、メンバー全員で行うため、経営者目線も持つ必要があります。その点も小さな会社ならではの特徴だと思います。」

Q5.時期はまだ確定していませんが、このベンチャー企業派遣プログラムは今後も継続する予定です。このプログラムへの参加を検討している本社の若手社員にアドバイスをお願いします。

「移籍して一ヶ月ほど経ちましたが、毎日、驚きと発見があり、とても楽しいです。本プログラムを支援してくださっているローンディールさんも、細やかにサポートしてくださるので心強いです。同じプログラムに参加する他社の方々も多いので、横の繋がりができることも醍醐味です。参加しようと思っている方、迷われている方がいましたら、個別にお話できることもあると思いますので、ぜひ気軽にお声掛けください!」


今後の櫻井さんの活躍に期待したいと思います。また、一回りも二回りも大きく成長して戻ってきてもらいたいと思っています。そして朝日新聞社に、デジタル・イノベーション本部に、新しい風を吹かせていただき、KAKEAIで培った0から1を生み出す実行力で新規事業にチャレンジしてほしいと考えています。(佐藤敦)

<櫻井 紫乃(さくらい しの)>

2016年、朝日新聞社入社、デジタル本部ビジネス開発部に配属。「朝日新聞デジタル」の企画・開発・運営に携わる。就職活動支援サイト「就活ナビ」の立ち上げに関わる。2020年4月から新規事業人材育成プログラム「ベンチャー企業派遣」に参加、HR techベンチャー「KAKEAI」に勤務。若手リーダー向けに発信するメディア編集長としてマーケティング戦略、コンテンツ戦略を担う。

<株式会社KAKEAIについて>

株式会社KAKEAIは、AIを活用して部下と上司のコミュニケーションの質を改善するSaaSを開発・運営するベンチャー企業。ラスベガスで開催される世界最大級のHR techイベント「HR Technology Conference & Expoで世界のHRtechスタートアップ30社に選出。代表取締役・本田英貴さんは筑波大学卒業後、2002年にリクルート入社。商品企画、グループ全体の新規事業開発部門の戦略スタッフなどを経て、電通とのJVにおいて経営企画室長を担う。後にリクルートホールディングス人事部マネジャーに就任。「ミドルマネジメント層に対するメンバーマネジメント改善」や「人材開発委員会・考課・配置等のデジタル化」を実行。2015年リクルートを退職、2018年4月に株式会社KAKEAIを創業。

株式会社朝日新聞社からお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
株式会社朝日新聞社では一緒に働く仲間を募集しています
5 いいね!
5 いいね!

今週のランキング

芳垣 晴男さんにいいねを伝えよう
芳垣 晴男さんや会社があなたに興味を持つかも