常に変化し続けるデジタル・イノベーション本部
本社では今「紙からデジタルへ」大きなパラダイムシフトが起きています。デジタル事業の中核を担うデジタル・イノベーション本部(以下、DI本部)では、中期経営計画で掲げられた目標を達成するために、既存事業の成長だけでなく、新規事業・新商品の開発プロジェクト、業務効率を上げるためにリモートワークやフリーアドレス化の働き方改革、さらには2020年4月には組織改編など、さまざまな施策に取り組んでいます。
組織の状態を客観的な指標で把握したい
こうした新しい取り組みや職場環境変化は、そこで働く従業員にとって、心理的・潜在的な負担になる可能性があります。業務遂行には、一定の緊張感が必要であり、完全なストレスフリーは不可能ですが、より働きやすい職場が高いパフォーマンスをもたらすことは明らかです。DI本部としては、環境変化の激しい中で、組織の状態を客観的な指標で把握しておきたいと考えていました。
弱みを克服して強みを生かした組織作り
そこで、株式会社OKANの提供する「ハイジ(https://hygi.jp/)」というツールを実験的に使ってみることにしました。「ハイジ」は、働きやすい職場を作るためのハイジーンファクター(「仕事と家庭の両立」「職場の人間関係」「自分の健康」といった労働環境における根源的な要因)に特化した組織診断ツールで、業務を取り巻く環境変化が従業員の意識にどのような変化を与えるかを把握しつつ、より良い職場作り、より良い組織作りを実現できるのでは、と考えました。昨年12月、今年2月と2回のサーベイを実施した結果から、組織が抱える課題も少しずつ見えてきたと同時に、自分たちの職場の良さや強みも、あらためて確認することができてきました。
eNPS(従業員ロイヤルティ指標)=-21.69の職場
eNPSとは、Employee Net Promoter Scoreの略で、職場に対する信頼や愛着度を示す数値指標です。自分が働いている職場を知人や友人に勧めたいと思えるかの程度を示していると言われています。「仕事の充実感」「上司との関係」「福利厚生」「休みの取りやすさ」など、仕事のやりがいや給与などの待遇だけでなく、心理面も含めた総合的な働きやすさとも言えます。
eNPSの具体的な計算方法は、自身の働く職場を知人友人に勧めたいかを、0〜10点で評価してもらい、0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類し、eNPSは「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いて求めます。一般的に数値はマイナスになり、マイナスが大きいほど、働きにくい職場、マイナスが小さいほど、働きやすい職場をなります。
業界別平均を見ると、官公庁・自治体では業界平均-41.3と高く、運輸・運送、サービス業、出版・印刷では、-70以下と低いとされています。DI本部は-21.69でしたので、かなり働きやすい職場と言えるのではないかと思います。
変化の激しいビジネス環境に対応した職場作りを
eNPSが-21.69と業界別平均からは高スコアでしたが、そこで満足せずに、さらに働きやすい、さらに成果の出やすい職場作り、組織作りを目指していきたいと思っています。新年度からは、「ハイジ」の結果をもとにオフィスのレイアウト変更や、社外オフィスの導入を予定しています。先月は会社の働き方改革でDI本部の独自ルール「88ルール(夜8時から朝8時までの間に上司は緊急を除いて業務指示を出してはいけない)」が全社的に表彰されました。今後ともオフィス改革を進めるとともに、ハイパフォーマンスな組織作りを目指し、マネジメント改革にも取り組んでいきたいと思っています。