ブラザーグループが掲げる環境スローガン「Brother Earth」の浸透を目指し、大小さまざまなプロジェクトを共創してきたブラザー工業 CSR & コミュニケーション部様とアクアリング。
「German Design Award 2020」の受賞にあたり、これまでを振り返る機会としてクロストークをセッティング。長期にわたりCSRプロモーションで成果をあげていくための取り組み、2社の関係性のあり方、そして今後の展開について、包み隠さず語っていただきました。
◎ブラザー工業 CSR & コミュニケーション部
- 岩田 俊夫様(写真中央左)
- 久留 衆様(写真中央右)
◎アクアリング プロジェクトデザイングループ
- プロデューサー 南部 聡史(写真右)
- プロジェクトマネージャー 大橋 一輝(写真左)
CSRプロモーションにおける”成果”のあり方
大橋:
先日、「Brother Earth」サイトが「German Design Award」でWeb部門のWinnerを受賞しましたね!
岩田:
ブラザーとしても初めて受賞するアワードだし、栄誉あるデザイン賞なので本当に誇らしい。
大橋:
単独のイベントやプロモーションじゃなく、「Brother Earth」サイト全体の取り組みが評価されたのが、個人的にはすごく嬉しいです。アクアリングの半分くらいの人間が何かしらこのプロジェクトに関わってて、みんな熱量を持って取り組んでいるので。
久留:
「Brother Earth」サイトという企業コミュニケーションの基盤があるからこそ、新しいイベントだったりプロモーションにもチャレンジして来れたよね。そういう意味で、これまでいただいた賞も、今回の賞もすべて、関わってくれている人たち全員でつかんできた受賞だと思う。
岩田:
アクアリングの皆さんは、僕らの思想や「ブラザーらしさ」を深く理解して見せ方や企画を提案してくれるから非常にありがたい。他社にないユニークな環境技術や環境保全活動の要素が入っていなければ、「Brother Earth」のコンテンツたりえないと思っているから。
南部:
そうですね。ブラザーさんがCSRで打ち出すべきトーンは理解していますし、それを逸脱せずにどうユーザーに響かせるか?を試行錯誤しながら、コンテンツの幅を広げてきた感覚です。
岩田:
付き合いもだいぶ長くなったよね。いつから一緒にやり始めたっけ?
南部:
7〜8年前ですかね。「Brother Earth」のリニューアルをやってた頃です。
岩田:
懐かしいね。あの頃は「エコサイトサーベイ(※環境サイトの整備状況ランキング)」のランクアップを目指してたけど、なかなかハードルが高かった記憶がある。
大橋:
「コンテンツの充実度」と「分かりやすさ」が重要な評価ポイントだったから、「読む」コンテンツじゃなくて「感じる」コンテンツを増やそう!というので環境保全活動の動画に力を入れてましたね。
岩田:
2年がかりでランクも3位まで上がったし、何よりモンゴルの環境保全動画が中国の映像賞を獲ったのは本当によかった。もともとの狙いは国内のサーベイだったけど、こだわって作り込めばきっとユーザーに届くって信じて作ってたら、映像作品としてもグローバルで認められて。あれは社内的にもすごく評価された。
南部:
デジタルもリアルも色んなプロジェクトをやってきましたけど、やりたいことをやるだけじゃなくて、見える形で成果を出してきたっていうのはありますよね。
久留:
僕は、最近目に見えない成果も実感してて。絶滅危惧種のプロモーションで、社内・社外問わずいろんな所から「感動しました」とか「いいコンテンツだね」という声をいただくんですよ。
大橋:
そういうの嬉しいですね。CSRって「世の中にいいことしましょう」「ルールは守りましょう」みたいな、ただのキレイごとだと思われて敬遠されたり、そもそも興味を持ってもらえなかったりするので。
久留:
そうそう。僕らはCSRの見え方に対して「どうしたら多くの人が一緒に関わって、同じ方向を向いてくれるか?」を模索し続けてきた。だからこそ、そういうリアルな声を聞くと取り組みの意義を感じられるし、ひとつの成果の形だなぁと思う。
南部:
「Brother Earth」って、CSRで商品を売ろうという発想が一切ないのがいいですよね。そこを成果として求めないからこそ、「よりよい地球環境を、あなたとともに。」のスローガンをブレずに突き詰めて、いいコンテンツづくりを継続できている気がします。
食い下がって生まれる、信頼とクリエイティブ
南部:
僕、このチームは「企業」とじゃなくて、「人」と仕事をしてる感覚がすごくあるんですよ。
大橋:
岩田さんも久留さんも、すごい人間味ありますよね。岩田さんは本当に困ってると「とにかく助けてくれ、何とかしてくれ!」っていう感じだし(笑)
岩田:
だって本当に困ってるから(笑)
南部:
企画を詰めていくときも、お金のこと考えて最初から絞った答えを出していくんじゃなくて、お互いにアイデアラッシュをしていく感じじゃないですか?
久留:
雑談の余地があるよね。そこで出たアイデアはストックしておいて、いざって時に出そうってなるし。
南部:
そうなんですよ。僕らは僕らが出せる価値を信じてこの仕事をやってるので、企業として押さえつけずに自由な発言をさせてくれるのが非常にありがたいです。
大橋:
僕が岩田さんに食い下がって、変な空気になったこともありますよね?
岩田:
あるねぇ(笑)
大橋:
それでも対等な関係でいたいから言いたいことを言うし、岩田さんたちもそれを受け入れて本音で話してくれる。「絶対結果出すから、とにかく社内でこの企画通してください!」とか無茶言っても、絶対通してきてくれる。そういう突破力も含めて、僕らはものすごく信頼しています。
岩田:
やっぱり、根っこにお互いへの信頼感があるよね。僕らのやってる仕事って分かりやすい正解がないからこそ、いいモノ作ってくれるっていう信頼感がないとGOサイン出せないから。
久留:
僕、他の人にアクアリングさんを紹介するときは「アクアさんは仕事のモチベーションとしてクリエイティビティを持ってるから、それをスポイルせずに関係を築いていけば、すごくいいモノを出してくれるよ。」って紹介してる。だって「日めくり絶滅危惧種」とか、頼まれてもないのに自分たちでめちゃくちゃ面倒で大変なもの作り出すんだもん!最初は正気!?って思ったよ(笑)
大橋:
始めてみたら、すごいのできるなという感覚があって。あとは納期さえ間に合えば、っていう感じでした(笑)
南部:
僕は、この関係を続けていきたいと思う反面、ズルズルいくのは嫌で。「どうせ楽なだけでしょ」「別れられないから付き合ってるんでしょ」みたいな風に思われたくないんですよ。
一同:
(笑)
南部:
理想のカップルって胸を張って言いたいし、周りにもそう思ってほしい。そういう意味でいくと、今回の「German Design Award」みたいな第三者評価って、進んでいる方向を認めてくれたり、気持ちを正してくれるいい機会だなと思いました。
「Brother Earth」はワイドな視点に進化する
久留:
今の「Brother Earth」はコンテンツがちょっと仰々しいから、今後はもう少しコンパクトなコンテンツを頻度高く出していきたいよね。SNS発信とか、時代に合ったもの。
南部:
たしかにそうですね。特に動画コンテンツは、海外の伸び代がまだまだあると思っています。視聴回数に納得いってなくて、届けるところまでちゃんとやりたいなと。
岩田:
「Brother Earth」全体としては、SDGsとかサステナビリティのもっとワイドな視点になっていくと思うよ。例えば、南アフリカの失業率を改善するために、ミシンを教材にした職業訓練学校をブラザーが運営していたりする。そういう事業に沿った、ブラザーならではの社会貢献を追っていきたい。
大橋:
すごくいいですね。これまでは環境の文脈が強かったですけど、サステナビリティの文脈まで広げて「Brother Earth=次世代に繋ぐ地球」って捉え直すこともできると思います。
岩田:
そうそう。10年後100年後、ブラザーは世界からどのように必要とされているんだろう?っていう糸口を、この「Brother Earth」を通して見つけていきたいなと思ってますので、皆さんご協力よろしくお願いします!
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【WORKS】さまざまなメディアを横断し、企業の文脈を捉えたCSRプロモーション
先日「German Design Award 2020」を受賞した、ブラザー工業様のCSR活動を統べる「Brother Earth」プロジェクト。ブラザー様との共創の中でアクアリングがどうコミットし、どんなプロジェクトを行ってきたのかを紹介します。