こんにちは!株式会社ダイブ RB(地方創生事業部)所属の福山です。
弊社の地方創生事業グループでは、グランピング施設専門のWEBメディア「GLAMPICKS(グランピックス)」の運営や、グランピング施設「ザランタン(The Lantown)」の運営・経営、全国展開を行っています。
そんな地方創生事業グループですが、カジュアル面談などでよく聞かれる質問が「経営って、具体的にどんなことをするの……?」ということ。
今回の記事では、経営ド素人状態から、「ザランタン芦別(北海道)」を2ヶ月で立ち上げ、年商数千万の施設へと成長させた、清水のインタビューをお届けしたいと思います。
プロフィール紹介
■清水プロフィール
1995年生まれ・27歳・ダイブ新卒2期生
理系の大学在学中に、2度休学。オーストラリアのワーホリとバックパッカーで30ヶ国以上の渡航を経験。ダイブで働く人の良さに惹かれ、新卒でダイブHR(リゾートバイト事業)の営業職として入社。入社10ヶ月後にRBへとジョブローテーション。
現在は、「ザランタン芦別」の立ち上げ・経営から、マーケティング、収支管理、人材採用や運営オペレーションまで、経営全般を担当。海外でワニに噛まれた過去から社内での呼び名はワニ。好きな飲み物はチャイ。
(▲2021年5月時点の「ザランタン芦別」の場所。最初はただの荒れ地だった)
(▲2022年7月時点の「ザランタン芦別」)
そもそも「ザランタン芦別」とは…?
── そもそも「ザランタン芦別」とはどのような施設なのでしょうか?
「ザランタン芦別」は北海道芦別市(富良野から30分・札幌から2時間の場所)にあるグランピング施設で、今年で2期目を迎えます。
もともとは赤字のため閉鎖していたオートキャンプ場を、ダイブが企画開発を行い、グランピング施設として再生させました。現在は、グランピング施設の経営・運営全般を担いつつ、自治体や地元企業、地元団体と連携をしながら、地域一帯の観光振興を目指しています。
── ありがとうございます。清水さんはそこで経営者をされていたんですよね……何かしら経営の経験などはあったのでしょうか?
いえ、まったくのド素人でした(笑)
ゲストハウスを経営したいという夢はあったのですが、経営については全くの無知でしたね(笑)
── なるほど!未経験からのスタートだったんですね!現在では、経営者として毎日の業務をこなされているかと思うのですが、2年前の自分と比べて、ここが成長したなと思う点はありますか?
5つありますね。
一つ目は、「マーケティング力」
二つ目は、「数字を読む力」
三つ目は、「チームマネジメント力」
四つ目は、「判断力」
五つ目は、「中長期目線」です。
経営素人状態→年商数千万の施設経営者になるまで、5つの「before→after」
01.マーケティング力
before:コンビニのお茶がなぜこの値段なのか、考えたこともなかった
── それでは上記で挙げられた5つの点について、詳しくお話を伺っていきたいと思います。まず、一つ目に挙げられた「マーケティング力」ですが、2年前のご自身の状況と比べて、どのような点が成長したと感じますか?
まず、2年前の僕の状況から言ってしまうと、「コンビニのお茶一つとっても、なぜこの値段で売られているのか」考えたこともありませんでした。
今までは物を買う側ではあっても、売る側の視点に立ったことがなかったんです。
それが、2年前はじめて「1泊2食付きグランピング」というモノ・体験を売る人になった。「何円で売るべきなのか」を考えると同時に、徐々に自分の私生活の中でも、物が売れる理由、「なぜ今自分がこれを購入したのか」を考えるようになりました。
なぜ、お客様がそれを買うのか。ターゲットは誰で、解決できるニーズは何なのか。ビジネスモデルはどんなもので、どこで収益化しているのか。そこを突き詰めていくことが、ザランタン芦別が、「中長期的にお客様に選ばれつづける施設になること」につながると思ったからです。
1年目を終え、2年目を迎えるころには、短期的にではなく中長期的に選ばれつづける施設になるために、追加投資が必要だと判断。「お客様目線だけではなく、経営者の目線で今の芦別に足りないところは何なのか」を考え、施設改善策として、合計8個の改善案を提案。
結果、計2,300万円の追加投資の承諾をいただきました。
── 2,300万円……すごい数字ですね……!追加投資資金はどのようなものに充てたのか、お聞きすることは可能ですか……?
はい。まず、芦別は「星の降る里」と呼ばれるほど、満天の星が魅力だったため、星空を眺める時間の付加価値をあげるためにキッチンカー(CAFE&BAR)を購入しました。加えて、星空と焚き火を眺める共有スペース整備の資金に充てました。また、提携する入浴施設まで徒歩15分かかってしまうのが課題だったため、送迎車(ハイエース)を購入。
沢山の改善案を出そうと思えたことも、自分のアイデアをすぐに形に出来る環境に恵まれていたからだと感じています。
(▲実際に芦別で導入されたキッチンカーCAFE&BAR :芦別のInstagramより
施設からスーパーまでの距離もあることから、「一本だけビールを飲みたい…けどスーパーは少し遠い……」等のお客様のご要望にも応えることができ、顧客満足度の向上にも繋がっている。)
02.数字を読む力
before:損益計算書(P/L)の読み方すら知らなかった
── 2つ目に挙げられた「数字を読む力」ですが、2年前のご自身の状況と比べて、どのような事が成長したと感じますか?
そうですね……いくらで売るのかも重要ですが、営業利益を出すには「何にお金を使い、何にお金を使わないのか」の判断も大切になってきます。
最初のころは損益計算書(P/L)の読み方すら分からなかったのですが、今では損益計算書を見た時に、「今ある課題の中で、今後、何にどれくらいのお金を使うことができそうか」まで思案できるようになりました。
例えば、営業利益率が大きいからもう少しお客様に還元しよう、人件費を多くしてホスピタリティーのある施設にしよう、などなど……実際に、2021年の営業利益率が大きかったため、お客様への還元として、2022年は食事メニューを一新することを決意。
(▲「ザランタン芦別」1年目の食事メニュー)
地元の良いお肉やソーセージを使いたいと考え、新しい業者と一から関係を築きました。その結果、去年のアンケート評価に比べ、食事の評価を上昇させることができました。
(▲「ザランタン芦別」2年目の夕食メニュー
1年目からの夕食メニューの大幅な変更が、顧客満足度向上にも繋がった)
03.チームマネジメント力
before:一から人を統率し、管理したことはなかった
── 3つ目に挙げられた「チームマネジメント力」ですが、2年前のご自身の状況と比べて、どのような点が成長したなと感じますか?
小・中学生のころ、部活で部長をした経験はあったものの、人を統率した経験はその程度のレベル。一から人を統率し、管理したことはありませんでした。
ただ、1年目から社員1名(清水のみ)に対し、スタッフが11名と、未経験者にしてはかなりの大所帯。リゾートバイトの方(住み込みで働く方)が多い芦別では、職場や寮生活において、みんなが気持ちよく仕事に取り組める環境をつくること=チームマネジメントが必須でした。
また、チームの良くない雰囲気はお客様にも伝わってしまいます。逆に、スタッフさん間で感謝の言葉が頻繁に飛び交っている場所は、お客様から見ても気持ちがいいでしょう。つまり、チームマネジメントは、良くも悪くも、お客様への接客・施設全体の運営に、直結してくるのです。
(▲休日に北海道最高峰の旭岳を登山した時の写真)
(▲寮にはプロジェクタースクリーンを導入し、皆が集まれる場所に。)
実際に、休日にスタッフ皆で北海道観光を楽しんだり、仕事外での時間を共有したりすることでチームビルディングを意識していました。また、「どうすればスタッフさんのモチベーション向上につながるか」を考え、スタッフさんの提案できる機会を積極的に設けていました。
(▲実際にスタッフさんからの「お客様が送迎車と分かりづらそうにしていた。送迎車をラッピングするのはどうか」という提案を、即座に取り入れ反映。どのようなラッピングにするか、スタッフさん達の意見も大切にする姿が印象的だった。)
とにかく何をするにしても「自分たちが組織であること、またそれがお客様に繋がっていくこと」を考えて行動していました。その結果か、実際に2022年のアンケート評価では、接客の項目で、9.18/10.0と非常に高い数値を叩き出す事が出来ました。
04.判断力
before:面倒くさがり屋で、後回し癖があった
── 4つ目に挙げられた「判断力」ですが、2年前のご自身の状況と比べて、どのような点が成長したなと感じますか?
仕事をする上で大事になってくるのは、スピード感と、思考する時間の塩梅です。元々は、面倒臭がり屋で、物事を後回しにする傾向があったのですが、責任者は自分しか居ないため、自分が動かなければ、施設は何も変わっていきません。
「どのような課題には考える時間を使い、どのような課題には時間をかけなくて良いのか。」 その判断が出来るようになりました。
例えば、芦別では「クスサン」と呼ばれる蛾が大量発生する時期があります。対策として、ビニールカーテンの買い替えを行うか、はたまた、高額投資になってしまうため、それよりも良い方法があるのではないかと模索したり……
今年から導入した「ハイエース(入浴施設までの送迎)」に関しては、「送迎が欲しいです」というアンケートの声をいただいてはいたものの、1回300万円の買い物になるので、2021年の1シーズンでどれだけの声が集まるか、一旦寝かせてみたり……
逆に、「延長コードがもう少し欲しいです」などのお客様の声や、雨の日に星空が見られないお客様のためのプラネタリウムの導入など、少額で費用対効果が高そうなものは、「時間をかけず、すぐに判断した方が良い」問題だと判断し、すぐに行動に起こしました。
(▲実際にGoogleの口コミにも、「より良いサービスを行っていく姿勢が素晴らしい」とのお声をいただいた。)
「お客様の満足度向上」と、「かけるべき時間やお金」を吊り合わせたときに、「どのような行動を取ることが一番最善になるのか」を考えて行動出来るようになりました。
限りあるリソースの中で、物事を判断できるようになったのは、大きな成長の一つだと感じています。
05.中長期目線
before:人材不足でてんやわんや状態
── 5つ目に挙げられた「中長期目線」ですが、2年前のご自身の状況と比べて、どのような点が成長したなと感じますか?
以前は目の前の仕事や、目の前のお客様のことばかり考えていました。
例えば、1年目だと、人材がどの程度必要になるのかをあまり深く考慮出来ておらず、途中、人材不足でてんやわんやになり、スタッフさん一人一人の負担が大きくなってしまうこともありました。
協力的なスタッフさんばかりだったので、どうにかなりはしましたが、それはあくまでも結果論。施設責任者にとって大事なのは「数ヶ月後、数年後、施設が長期的に続いていくには、今何をしておくべきなのか」という中長期的な目線だと感じます。
(▲実際に芦別のインスタで使用された求人情報)
スタッフさんに長く働いてもらうために、働きやすい環境を作ったり、運営人材の数が不足しそうであれば、人材の募集をかけたり、集客が上手くいかなそうであれば、広告にお金をかけたり、他の施策を考えたり……
目先の利益だけではなく、中長期的な目線を持つようになりました。
最後に、2年前のご自身に向けて一言!
経営について何も知らず、何一つ出来ることがない……不安なこともたくさんあるかと思います。
でも「がむしゃらにもがいた2年間があったからこそ、今の自分に自信を持てるようになった」と断言できます。お前ならできる!楽しみながら頑張れ!!
── 素敵な一言ありがとうございます!
このインタビューを読んでいる、2年前の清水さんのような駆け出し中の方々に届くような素敵なメッセージでした…!お時間いただき、ありがとうございました!
まとめ
以上、
「2年前まで経営ド素人だった僕が、→年商数千万の施設経営者になった話」について書かせていただきました。長文お読みいただき、ありがとうございました。
「ザランタン芦別」は2022年の現時点において、多くのお客様にご愛顧いただき、5棟増設し、15棟→20棟に。ザランタン全施設の中で、最大級の規模となり、北海道を代表するグランピング施設となりました。
「ザランタン芦別」は、より多くのお客様に素敵なひとときをお過ごし頂けるよう、これからも成長していきます。
そして!
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