おうち病院|自宅から医師とつながるヘルスケアサービス。診療も相談も健康管理も
おうち病院は、医療・病気・健康などの不安がある時に、自宅からオンラインで医師に直接相談・お薬処方ができるサービスです。24時間365日女性医師が対応し、病気不安や健康管理をサポートします。
https://anamne.com/
皆さん、こんにちは!「おうち病院」はじめ、さまざまなヘルスケアサービスを提供するアナムネの広報担当です。
今回は2回目のメンバーインタビュー企画!ゲストは医師の田村真希先生です!
田村先生はアメリカ在住。アメリカに住みながらも、アナムネの医師として、オンラインにて患者さんの相談を受けたり診察をしていただいております。
田村先生のキャリアと、医師から見たアナムネの魅力を伺いました!
(※同席していた代表の菅原さんも少し登場します)
田村真希(Maki Tamura)プロフィール
日本産科婦人科学会産婦人科専門医。米国在住。2020年アナムネに入職し、米国からオンライン医療相談・オンライン診療を担当。米国では現在子育てをしながら大学に所属し、Health Information System、Health Communication、Digital Healthについて学んでいる。
田村先生:まず中学生の頃、アフリカで仕事をし帰国してきた教師に影響を受け、海外で働くことに夢を抱き始めました。より役に立つ仕事とは何かと考えた時に、医者になればさまざまな経験ができると当時中学生の時に考えたことがきっかけです。
当初は小児科医になりたかったのですが、大学時代に医療ボランティアとしてパキスタンにて死産のお母さんをサポートした出来事によって、産婦人科医を目指すようになりました。パキスタンの山岳地帯を歩いていたら、「ここのお母さん死にそうになっているから来てください!」と呼び止められたんです。メンバー全員で急いで家に行くと、お母さんの下にある藁がもう血だらけになっていて。赤ちゃんの心拍音も聞こえないですし、お母さんの血圧も下がっていたので、赤ちゃんを早く出さないとお母さんも亡くなってしまう危険な状態でした。最終的には赤ちゃんは死んでしまったのですが、何とかお母さんの一命はとりとめることができました。
日本は医療先進国なので、お産で亡くなる人は非常に稀です。例えば、世界子供白書2021によると妊産婦死亡率は日本では5ですが、パキスタンでは140と記載されています。このような現状を目の当たりにして、このままじゃダメだ!と思い、産婦人科医を志望するようになりました。
お産は、お母さんそれぞれストーリーがあるんですよね。この死産を経験されたお母さんも、上にお子さんが数名いらっしゃって、「この子たちのためにも自分が生きられて良かった」と仰っていて、ジーンときましたね。
次に自分のキャリアについて、長く勤めていた病院では、ドメスティックバイオレンスの医療者向けの啓蒙活動を行なったり、新生児蘇生の教育プログラム導入に尽力をしていました。
また、興味のままに医療倫理や医療システムについての本を仕事の合間によく読んでいましたが、その時の興味が今の仕事や米国で学んでいる内容につながっているような気がしています。
田村先生:きっかけはコロナ禍です。2018年に家庭の事情でアメリカに移住し、当時は日本に一時帰国しアルバイトなどを通して、医師としての知識や技術を維持していました。しかしコロナ禍になり日本に帰れなくなってしまい、そこで焦り始め、自分の知識や経験を維持できるような場所はないものかと探していたら、偶然アナムネのWebサイトを発見しまして、自ら申し込んだという経緯です。
田村先生:働き方ががらっと変わったことですね。私にとって家でお仕事ができることは、とてもありがたいです。現在12歳の娘がいるのですが、日本では休日でもポケベルが鳴ればすぐ病院に向かって手術をする、娘とのお出かけと緊急手術が重なれば、娘には祖母と動物園に行ってもらう、というような日常でした。このように忙しかったせいか、娘は「将来医者にはなりたくない」と当時言っていましたね。今は、家で診療ができ出勤時間もないので、その分娘とのコミュニケーションが増え、家族との豊かな時間を過ごすことが出来ています。私の働き方が変わり、娘も喜んでいるんじゃないかなと思います。
また、自分としても再び医師として勉強できる場、知識や経験を生かす場を得ることができることも非常にありがたく思っております。
田村先生:まず魅力について、医師としての視点になりますが、診療の分野が広がったことで医師としての視野が広がったことです。アナムネに入って医療相談を担当する医師の統括を任されてから、今まで専門としてあまり触れる機会が少なかった分野を調べ、勉強をするようになりました。私は産婦人科専門医なのですが、産婦人科とはあまり関連のない論文も読むようになりました。また、「テレヘルス(※)という領域には、どのような患者さんが利用するのだろうか」ということや、「その病気はどういった医療行為にマッチするのか」など、さまざまな新しいことにたくさん触れることで、自分の興味が変わるのと同時に興味の範囲が広がっているなと感じます。
課題については、アナムネ社内は、病院と違っていろいろな職種の方がいらっしゃり、それぞれ教育のバックグラウンドが違っているので、お互い理解することが少し難しいのではないかと感じてます。私たち医師が持っている医療倫理と、 ビジネスの方々が持っておられる倫理観、そしてエンジニアの方の倫理観。それぞれ違いますよね。それぞれの職種の方がそれらをお互い理解していく事が大変だなぁと感じます。アナムネでのミーティングでは医師にとっては身近ではない言葉が出てくるので、よく分からなくなります(笑)
菅原さんが、その課題に向けてどのようなコミュニケーションをされていくのか期待しています!
(※)遠隔医療のこと。通信手段を用い、遠隔地において診断、医療支援を行うことをいう。オンライン診療は、遠隔医療のうち、診察・診断・処方などを伴う行為のこと。
菅原さん:はい!課題のご提示ありがとうございます!改善に向けて模索中です!
田村先生:よろしくお願いします!(笑)
また、このように広報の方にインタビューを受けていることも不思議な感覚です。医療雑誌のインタビューを受ける医師はいましたし、昔からあったのかもしれないですが、医療って宣伝するんだぁと私は思いました(笑)
このように、さまざまな職種の方とコミュニケーションをとれる事は総合病院やクリニックでは出来ないことなので、アナムネでは新しいことに触れたり勉強でき、とても刺激的な環境だなと思います。
田村先生:違いで言うと、アナムネには病院やクリニックに行く前の症状の方の申し込みが多いです。病院やクリニックだと、 どうしようもなくなった人が来院されることが多いんですよ。その前にこんな状態・症状になるんだと知れるのは、医師としても勉強になるし面白いですね。また、自分の目的をしっかりとお持ちで、お薬も指定があって、医療で達成したいことをちゃんと理解している患者さんが多いなと感じます。
そして一番驚いたことは、滅多にはありませんが、歩きながらや車の中から診療に入ってこられる患者さんがいらっしゃったことです。病院に勤務していた頃の常識では考えられないと最初は衝撃でした。基本的には、そのような場合、プライバシーの問題や移動中ですと危険なこともあるので、「止まってください」「人のいない静かなところに移動してください」とお話しする必要があるのですが、とにかく患者さんにとっては隙間時間に利用できる便利なサービスと認識されているんだなと思います。医師としては驚きでしたが、患者さんにとっては隙間時間に利用できるので、便利なサービスなんだなと今は感じています。皆さんお忙しいので、少しでも空いた時間を有効に活用したいということなんですよね。
また、オンラインでの診療は対面診療に比べると、患者さんのニーズや真意、症状をオンラインで入ってくる限られた情報から読み取らないといけないので、患者さんとの丁寧なコミュニケーションを大事にしています。
田村先生:前述したように、普段お忙しい方が隙間時間にお悩みを解消できることがメリットの一つだと思うので、お仕事で忙しくて病院に行けない方や育児や介護などで家から離れにくい方などにおすすめしたいです。
アナムネは隙間時間に活用できるので、健康問題が悪化しない早めの段階で相談に来ていただきたいですね。
今はITリテラシーが高い方、例えば30〜40代の方の利用が多いのですが、これからは全年齢の方々にも利用していただきたいです。
アメリカとの対比になるのですが、アメリカは年齢が上がるにつれてテレメディスンやテレヘルスの利用数が増えていますが、日本では逆なんですよ。一定の年齢層が一番高くて、それ以降の年齢層はになるとがくっと落ちるんです。アナムネサービスがITリテラシーの高い人だけのものになるのは良くないなと思っています。家や職場から、隙間時間に診療が受けられる便利なサービスなので、日本でもアメリカのように性別・年齢・土地など関係なく、すぐに病院に行かれない方に積極的に活用していただきたいです。
田村先生:患者さんとのコミュニケーションを大事にし、患者さんの行動変容を促していきたいと思っています。行動変容とは、字のごとく人の行動が良い意味で変わるという意味で、例えば、BMIが高くて「BMIを下げないといけない」と悩んで来られた患者さんに、「運動がいいですよ」ともちろんシンプルに伝えても良い場合もあるかもしれないのですが、行動変容を促すということは、もう少し深く関わっていく、ということになります。具体的には、
・BMIがどうして高い状態なのかを一緒に考え、
・BMIを低くしていく必要があるのかを一緒に確認し、
・そのためにできることを一緒に考える、
ということです。
そしてさらに、一旦患者さんがポジティブな行動習慣を計画し、実行に移したときに、アセスメントをしながら患者さんがそれを続けていけるようにサポートする、ということも加わってくるかと思います。行動を起こすためにどのようなコミュニケーションを取ればいいのか、がとても重要で「行動変容」はこれからの医療のキーワードになっています。患者さんの行動変容を支援するために、患者さんとのコミュニケーションの質をどのように改善していくか、ということが、もっと医療の現場で話題に上げられるべきだと思っています。
菅原さん:今の医療の仕組みでは、患者さんは一見さんで、その後患者さんが行動変容したかどうかを追えない状況です。今後、アナムネには診療後のウェルネスサービスが入る予定なのですが、そのサービスが開始されると患者さんの行動が追えるようになるので、 医師が本当に提供したい価値が提供できるようになるのではと思います。
田村先生:また、オンライン診療における、患者さんの行動変容を促すためのコミュニケーション技法を学べるリソースを作って発信していけたらいいなと思います。
これからの医療は、患者さんが来て話して、はい終わり、ではダメなんです。アナムネが目指してるものと通じますが、その患者さんが変わっていかないといけません。その方が本当に幸せになるために、何かまた健康問題が起こった時に、何が必要かということをきちんと一緒に考え、一緒に答えを出し、患者さんの背中を押してあげる。そこまでできる医療従事者になりたいですね。
以上、登録医師・田村先生のインタビューでした!
個人的に医師の方の話を伺えて、とても嬉しいです。
アナムネの組織や事業の魅力を感じていただけたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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(取材・文/岡空直子・編集/藤村侑加)