全国の農家さん・漁師さんから、直接やりとりをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を運営する、株式会社ポケットマルシェの社員インタビューをお届けします。
▼ PROFILE ▼
布井 佑佳(Yuka Nunoi)
大学卒業後、ベンチャー企業にて法人営業を経験。
その後、モンスターラボで新規事業の立ち上げに携わり、Webマーケティングおよびマーケティング統括を担当。
2016年に、サービスリリースを目前に控えたポケットマルシェに入社。
全く新しいサービスだからこそ無限の可能性がある
── ポケマル社員インタビューの1人目は布井さんです! では早速、ポケットマルシェでどんな仕事をしているのか教えてください。
大きくわけて2つあるのですが、1つは「プロダクトオーナー」です。
実際にポケマルを使っているユーザさん・生産者さんの声や、社内の声、そして色々なデータを参考にしながら、改善すべき機能や打つべき施策を整理します。そして、事業の状況や、見積もったインパクトに応じて、機能や施策の優先順位付けをします。優先順位は、開発チームのリーダーや経営者と一緒に検討しています。
実装する機能や実施する施策が決定したら、詳細を検討し、他のメンバーとの調整を行います。また、検証が必要な機能の場合には、データ分析担当者に協力してもらいながら、検証結果をレポートにまとめます。
もう1つの役割は、消費者サークルのサークルリードです(筆者注:「サークル」とは、ポケマルが導入している「ホラクラシー組織」の用語で、組織の構成単位の一つ)。ポケマルの利用者には生産者と消費者がいますが、消費者に対するマーケティングを担っているのが消費者サークルです。
サークルリードの主な役割は、消費者サークル全体の戦略を考えることです。ポケットマルシェでは、OKRで2〜3ヶ月の重要指標が決まっているので、その達成に向けた施策を検討したりリソース配分の調整を行ったりしています。
── この2つの仕事をしている中で、面白いと感じるのはどういった部分でしょうか。
ポケマルは、単なるECではなく、これまで世の中に存在していなかったサービスだと思っています。なので、プロダクトをどういう方向に持っていくのか、というところに無限の可能性があります。そんなフィールドで考え抜いてサービスを作っていくのは、非常にチャレンジングで、やりがいがあって面白いですね。
会社のビジョンと自分の作りたい世界が繋がった
── 確かに、チャレンジングですよね。わかります。ところで、ポケットマルシェではもう3年働いている布井さんですが、入社理由はなんだったのでしょうか。
前職はアプリ開発を主な事業としている会社で、私はBtoBのマーケティングを担当していました。そこでの仕事はやりがいもあり楽しかったので、転職を少し考え始めた時にも、辞めてまで行きたいと思える会社になかなか出会えなかったのです。
ですが、たまたまWantedlyを見たときに、「消費者と生産者を繋げる新しいサービスの立ち上げメンバー募集!」という、ポケットマルシェの求人を見つけて。まだポケマルがリリースされる前のことです。
食の分野に元々強い興味があったわけではないのですが、Wantedlyに書かれていた代表の高橋の言葉を読んだ時に、「あ、自分が作っていきたい世界と同じことが語られている!」と思いました。心から共感して、もしこのチームに入ることができるんだったら今の仕事をやめてもいいかな、という気持ちになったんです。
── 会社を選ぶ上で、「ビジョンに本当に共感できるのか」が大事だったということですね。高橋のどのような言葉が刺さったのでしょうか。
自分がそれまで持っていた、社会に対する問題意識みたいなものがあるんです。日本経済は成熟しきっていて、人口は減少していく一方なので、もう希望がなくなってしまうのではないか、とか。
これほど成熟した社会なのに心を病む人が多いですよね。それを考えると、成長のベクトルだけではもうだめだと思うんです。過去と比べるとだいぶマシにはなってはいると思いますが、成長のためなら人や環境を酷使しても構わない、という空気はいまだにある気がして。そうではない世の中の方向を模索していきたい、と考えていたんですよね。
高橋の掲げるビジョンは、私のそうした考えとリンクすると思えたんです。高橋の作ろうとしている世界が、私の作りたい世界に繋がっていくと。ポケマルは一次産業にフォーカスしていますが、根底にある課題は同じだし、食から社会を変えていくことができるんじゃないかと思いました。
── 入社して3年経って、そこについてはどう思いますか?
高橋の語るビジョンは、3年経ってもWantedlyに書いてあったことからぶれていないですね。今は、自分もそこに参画できていることが嬉しいです。
サービス利用者との距離がとても近い
── 立ち上げから携わっていた布井さんに、ポケットマルシェという会社のいいところをぜひ聞いてみたいです。
生産者さんや消費者ユーザの方々との距離が近いことが、いいなと思います。
生産者さんはポケットマルシェのビジョンに共感してくださり、とても協力的なので、一緒にサービスを作り上げている感じがあります。厳しい意見をいただくこともありますが、それぐらいポケマルというサービスに期待をしてくださっているのだと思っています。そのような距離感が嬉しいですし、期待に応えたいと強く思います。
ユーザさんも、ポケマルの熱狂的なファンでいてくださる方が多いです。ポケマルに共感し、実際に使ってくださり、声を届けていただけるのがとてもありがたいです。
── 生産者さんやユーザさんとの接点は、どういう場所で持っているのですか?
生産者さんとは、Facebookグループでやり取りをすることが多いです。「新しい機能をリリースしました」とお伝えすると、「こういう機能、待っていました!」と反応していただけることが嬉しいです。
逆に生産者さんから、機能改善の提案が投稿されることもあります。誰かがトピックを立てると、他の生産者さんが反応してアイデアが洗練されていくことも多くて。その様子を間近で見られるのは、ためになりますね。
ポケマルをよく使ってくださるユーザさんは、ポケットマルシェ主催のイベントにいらっしゃったり、オフィスに遊びに来てくださることもあります。その際に、ポケマルに対する想いをお聞きしています。
── 最近、社内制度も急速に充実してきていますが、制度面でのいいところはありますか?
今年の夏から始まったフレックス制度のおかげで、都合に合わせて出社時間を調整できるので、非常に助かっています。
ポケットマルシェに入社してから、神奈川県相模原市の藤野に移住したのですが、片道2時間かかるので通勤がなかなか大変なんです。10時ぴったりに出社となると、電車が遅延することも踏まえて50分くらい早く家をでないといけないこともあって。自分のコンディションや予定に合わせて早く行ったり、遅めに出社したり調整できるのは有難いですね。
また、休日を利用してプライベートで生産者さんのところへ訪問することがあるのですが、その時の交通費を会社で負担してもらえる制度も嬉しいです。
── 少し脱線してしまいますが、東京から藤野に移住したのはなぜですか?
元々、自然が近くにあるところに住みたいと思っていたんです。都会も好きですが、都会的な価値観だけに触れているのが嫌で。藤野はぎりぎり東京に通える距離だし、いい賃貸物件も見つかって、もし大変だったらまた引っ越せばいいという気持ちで移住しました。住み始めてからすでに1年半経っていますが、自分にとってプラスに働いていると感じます。
藤野って、少し特殊な地域なんですよ。都会からの移住者が多くて、私と同じように都内へ通勤する方もたくさんいます。コミュニティが強固な地域で、困った時に手を上げたら誰かがすぐに助けてくれるんですよね。都会に暮らしていたら、隣の家の人ともなかなか話さないじゃないですか。家族や友人、同僚以外にコミュニティがあるのっていいなって思います。
食材の買い方がきっと社会を変える
── 布井さんは、ポケットマルシェでどんなことを実現したいですか?
食材を買う時って、ある種大規模な流通に乗せられて、裏側で何が起きているのかわからないものを買うことがほとんどだと思うんです。ですが、生活の中に「ポケマルで買う」が選択肢として入ることで、今までとはまったく違う買い方ができると思っています。
高橋がいつも言っていることですが、生産と消費の距離がものすごく離れている状況では、生産者さんがどんなこだわりを持って食材を作っているのか知る機会もないし、その必要もないんですよね。目の前の食材だけを見て、値段で判断する。もちろん、それも普段の食を支えるのに絶対必要な買い方ではあると思います。
ただ、そうではない買い方をほんの少し日常に加えることで、生産者さんのモチベーションが変わり、家庭での食事やコミュニケーションが変わり、消費者と生産者の関係性も変わり、そうやって色んなことが一つの買い物によって変化すると思うんです。そして、その積み重ねによって、ゆくゆくは社会のあり方を変えていきたいと思っています。
── ありがとうございます!最後に、ポケットマルシェに向いている人ってどんな人か、教えてください。
ポケットマルシェはスタートアップ企業なので、何か固定のスキームがあるわけではないし、誰も正解を持っていません。自分で「こうだ!」と思うものを推進していく気概を持てることが大事だと思います。
今は、消費者サークルで一緒に働けるマーケターを募集しています。ポケットマルシェのマーケターは、今までにない価値、今までにない消費スタイルを世の中に提案していく必要があります。難しいテーマですが、だからこそリスクを省みずに、「この買い方を世の中に広めたい!」という熱いマインドで取り組んでくださる方をお待ちしています!