株式会社アイシス 代表取締役の政平です。
シリーズ)IT業界の仕組み5の 続きです。
SIer(システムインテグレーター)の技術力は高いのでしょうか?
プログラマーやシステムエンジニアとしての経験はできるのか?
SIerに入社して技術力は身につくのでしょうか?
このことについて疑問や不安に思っている人に対して記事をまとめます。
私はIT業界に20年以上います。
数々のSIerの人たちを見てきました。そんな経験から述べたいと思います。
※SIerにも大小ありますが、ここでは大手SIerについて記載します
結論から言います。
「プログラマーとしての技術力は高くない。経験がない人も多い。」
但し
「プロジェクトマネージャーとしての技術力を得られるチャンスは多い。」
IT未経験の人が、IT業界というと何を思い浮かべるか?
プログラムだと思います。
映画で天才プログラマがキーボードをカチカチカチ、コードがバッバッバッと流れる映像がよくあると思います。
「IT業界に入るのは、プログラムをしたいから」
そんな人が、大手だという理由だけで、SIerに入るのは危険です。
SIerの開発工程での一番の仕事。
それはベンダー(発注先のシステム開発会社)コントロール。
数億またはそれ以上の大規模開発が多く、関わる技術者、開発会社は多数。
だからSIerのPMは、進捗管理、遅延対応などベンダーコントロールに追われます。
想像してみてください。
100人、またはそれ以上のプロジェクトメンバーがいて、下請け会社も何社もある。一つのプロジェクトを納期までにコストを抑えて開発しなければならない。管理だけで精一杯になると思いませんか?
プロジェクトマネージャーはいつでも忙しい。手が足りない。
だからたとえ新入社員でも、PM補佐として管理作業をします。
プログラムなんてやっている時間がない。
先輩PMも、ITのことを分かってほしいから若手にプログラムをさせてあげたいと思っても、そんな時間は与えられない。
こうして、プログラム経験ができず年数が過ぎていく。
プログラム経験がないから、設計はできない。
上流設計では顧客要件は聞けるが、システム構造設計などはできない。
「システム開発会社のコントロールはとても上手になるが、
IT業界にいるが技術屋とは言えない。」
そんなグチを大手SIerの友人から聞いたことがある。
まとめます。SIerに入社すると
・プログラミングをやる時間がない
・ベンダーコントロールの能力は身につく
一日でも早くプロジェクトマネージャーになりたいならうってつけだろう。
もちろん、大手システム開発会社に入社すると他にもメリットがある。
・大規模システムのPMになれる
・顧客と直接会話し責任、やりがいのある仕事ができる
・中小企業に比べて年収が高い
結局、
IT業界に入り何をしたいのか?
何の技術力を高めたいのか?
ということが、あなたの進路を決めることになる。
いち早くプロジェクトマネージャーになりたいのか?
プログラミングを覚え、上流設計という経験を踏んでから、
プロジェクトマネージャーをしたいのか?
あなたはIT業界で何をしたいのでしょうか?
大手SIerに入社するのは難しそう。
そう思う学生の方もいるでしょう。
大手SIerでなければ、その子会社のSIerという選択肢もある。
ただ私は勧めない。理由は、その立場はとてもつらいからだ。
(「IT業界の仕組み その7」に続く)
ここでも語っていきますが
noteでIT業界やエンジニア、社会人として成長するための記事を連載しています。
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note 政平秀樹
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