1年前に中途で入社し、チーフとして大阪支社の若いメンバーを引っ張っている相場さん。同じ人材業界から転職されたのですが、その背景には女性がキャリアを形成する難しさ、子離れが近付くことによって生まれる葛藤がありました。こういった話題でもポジティブに聞こえるのは、相場さんが持つ明るいキャラクターが為せる技でしょうか。
■腕白高校生との日常
──:相場さんは前職も人材業界の会社で働かれていました。アイムファクトリーに入社してから一番違いを感じるポイントってどこですか?
リモートで働けることですかね。前職の会社ではリモートワークが導入されていませんでした。コロナのピーク時はさすがに在宅でしたけど。
──:今は週2日リモート、週3日出社くらいの割合ですか?
そうですね。スケジュールを臨機応変に調整できるので、家庭がうまくまわるようになりました。夫が仕事で遅くなる日があったら、私はリモートにするとか。状況によってはリモートの日を増やしていて、例えば入社間もない頃に子どもがコロナになったんですけど、そのときは2週間くらいリモートで働きました。
──:相場さんには高校生のお子さんがいらっしゃいます。そのくらいの年頃になっても結構色々なことが起きるんですか?
日常茶飯事ですね。この前も「バスケをしていて指を折った」という連絡が入ったので、急遽病院に連れていきました。
──:バスケ部なんですね。
いえ、サッカー部です。
──:!?
休み時間にバスケをしているときに折ったらしいです(笑)。
──:腕白ですね(笑)。そういうときって有給を使ってるんですか?
状況次第ですね。1日休むこともあれば、半休にすることもあります。ちょっとした用事なら仕事の合間に済ませることもありますよ。その場合は夜仕事をして穴を埋めるっていう。許可を取る必要がないので、自分の裁量で自由に働けている感覚があります。
──:家にいる時間が増えたことで、お子さんは喜んでるんじゃないですか?
うーん、どうだろう。興味ないんじゃないかな(笑)。
──:高校生だとそろそろ手が離れていく年頃かもしれません。
それも転職した理由のひとつなんですよ。これから家のことをどんどんやらなくてもいいようになっていきます。今までは子育てを生きがいにしてきたんですけど、子離れした後の人生を想像したときに、このままだと脱力した生活になりそうだなって不安になったんです。自分の次なる生きがいって何だろうって考えたとき、人材業界でキャリアを形成することだと思いました。
■モヤモヤを抱えながら働いていた前職時代
──:人材業界に絞って転職活動をされていたんですね。
並行して4社受けていたんですけど、ほとんどの会社は私のスキルにしか興味がありませんでした。これまでの仕事内容や実績を聞かれたり、入社後に担ってほしいタスクを説明されたり。経験者採用なので当然だと思うんですけど、アイムファクトリーの面接ではスキル関連の質問がほぼなかったんです。
──:どんなことを聞かれたんですか?
どういうキャリアを歩みたくて、どういう働き方を実現させたいのかという未来に関する話に重点が置かれていました。私は引き続き子育てをしながら、今後を見据えてフルタイムでバリバリ働きたいと思っていたのですが、正直難しいと思っていました。どちらかを犠牲にするしかないと。でも、アイムファクトリーの面接を受けたときに、ここならこの2つを両立できると感じたことを覚えています。
──:相場さんの話を聞いていると、女性のキャリア形成ってまだまだ難しいのだなと感じます。正直、前職ではモヤっとすることも多かったですか?
多かったですね。例えば、育休制度は利用できるんですけど、復帰後の時短勤務ではキャリアアドバイザーの仕事ができなくなるというルールがあって。
──:求職者と面談の時間を合わせにくいという理由なんですかね。勤務時間を調整すれば充分に対応できると思うのですが。
その発想を持った人がいなかったので、女性の営業が根付きませんでした。私は入社した頃から子どもが割と大きかったので、時短勤務になることなく、キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーの両方を担当できていたんですけど。あとは、女性の役職者もいませんでしたね。「女性は役職に就きたくないよね?」と言われたこともあります。
──:アイムファクトリーでは入社時からチーフという役職が付いていたんですよね。前職ではマネジメントの経験はなかったのですか?
部分的にはマネジメントに関わっていました。でも今ほど本格的ではなかったですし、新卒を採用していなかったので、今ほど若い子を担当することもなかったです。
──:若い子(笑)
だって、新卒だと23歳とか24歳ですよ? 私よりも息子の方が圧倒的に年齢が近いですからね。たまに息子と話しているような感覚になります(笑)。大阪支社では最年長なので、その点では入社前に不安を感じていました。ひとまわり年下のメンバーたちとうまくやっていけるのかなって。
──:実際どうでした?
やりやすいですね。年上だからと言って私に遠慮することなく、堂々と意見を提案してくれます。かと言って自分たちの考えが絶対だというスタンスでもなく、私が言ったことに妥当性があれば素直に聞いてくれますよ。
──:新しく生まれたやりがいはありますか?
メンバーの成長に深く関われることですかね。今はキャリアアドバイザーのメンバーをマンツーマンで見てるんですけど、カウンセリングの流れや候補者様との関わり方などをゼロから教えています。私の経験を惜しみなく伝えていますよ。
■若手のロールモデルになりたい
──:その一方で、苦労したことは何かありましたか?
前職の会社はITに特化していたわけではなく、むしろほとんど担当したことがなかったので、専門知識がないことに最初は苦戦しました。データサイエンティストって何ですかっていう(笑)。でも、特定のジャンルで専門性を身につけたいことも転職理由のひとつだったので、そこは望むところというか。
──:どのようにしてカバーしたのですか?
自分でも勉強しましたが、一番は助かったのはメンバーからのサポートです。ある候補者様を担当したときにかなり行き詰まってしまい、どうクロージングをしていいか分からなかったことがありました。それこそデータサイエンティストを志望されていた方です。そのときは東京のメンバーに時間を取ってもらいました。オンラインでミーティングを開いてもらって、「こういう話をすると響くよ」というアドバイスをもらって。最終的には候補者様と3人でカウンセリングを進めることになり、無事に転職先を決めることができました。
──:アイムファクトリーのメンバーって、ヘルプを出すと必ず駆けつけてくれますよね。
損得勘定で動いていないですよね。さっきの例でも、サポートしてくれた東京のメンバーにはメリットがないのに、自分事のように相談に乗ってくれる。だからこそ私も「時間取ってもらって良いですか?」と誰かに頼まれたときは必ず応えるようにしています。
──:東京と大阪の壁も感じないですし。
そうですね。東京のメンバーとリアルで会ったのは、入社後の研修と総会のときくらいですね。あとはオンラインでのやり取りになりますが、頻繁に顔を合わせているので、リモートでも快適に働けています。
──:アイムファクトリーで生きがいは見つかりそうですか?
若い子たちのロールモデルになりたいと思っています。ライフイベントを経た後もバリバリ働けることを体現したいですし、仕事と家庭の両立で思い悩んでいることがあれば、支えになってあげたい。「何かあったときは相場さんに相談しよう」と思ってもらえるような存在になりたいですね。