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上司である以上は、信頼される人でありたい。アドウェイズ取締役に聞く現場社員との向き合い方。

こんにちは!広報の小俣です。
アドウェイズはインターネット広告企業として設立18年目を迎え、現在はグループ全体で1,000人規模の従業員が働く会社となりました。
今回は、6月24日に取締役に就任した鹿野 晋吾に、現場社員との向き合い方、取締役としての想いをインタビューしてきました。


【Profile】
鹿野 晋吾
株式会社アドウェイズ 取締役

2007年にアドウェイズに新卒で入社。
2010年4月にインターネット広告事業の責任者を経て、2013年4月に広告担当執行役員に就任。
2015年にはグローバルマーケティング担当となり2016年1月に上席執行役員に就任。
海外子会社の取締役を歴任するとともに、アドウェイズグループ全体の経営戦略を担当。
2019年6月より取締役に就任。

この数年でだいぶ丸くなりました。

―鹿野さんは現在、アドウェイズの取締役を務めているということですが、どのような仕事を手掛けているのでしょうか。

はい。今は取締役としてアドウェイズの将来を熟慮し、継続的成長ができるように従事しています……と、取締役っぽくちょっとカッコいいことを言いたいところですが、実は今、広告事業部の現場に戻っているんですよ。もちろん取締役としての仕事もやっています。

その広告事業部は以前僕が20代の頃マネージャをしていた部署なのですが、組織改編もあり、現在立て直しを図っていて、その経過で僕が戻ることになりまして。なので取締役という肩書は、現場の仕事が大好きな僕にとっては、そこまで重要なものではないかもしれません。変化は雇用保険がなくなったくらいで(笑)

―取締役が現場へ密に入る企業は、なかなか珍しいのではないでしょうか。

うーん、そうですね。僕らのような1,000人規模の企業でいうと、取締役が事業にコミットする形は珍しいかもしれません。と言っても、例えば取引先企業への営業をしているわけではなく、僕は経営陣と部署の橋渡し的な役割を担っているんです。

橋渡しを担うことによって、経営陣が考えていることを社員に伝えられます。逆に現場の状況を直接経営陣にも伝えることができます。今はこのような橋渡し業務をしながら、部署全体を引き上げている最中です。なお、部署の社員には以前に比べてあえてレイヤーを一つ下げてもらい、業務を行ってもらっています。要するに部長だったら課長、課長だったら係長と、もう一回下の立場に戻って、その層を引き上げてほしいなという思いを込めています。これから1年ほどでそういう強い仕組を作っていきたいんですよね。

ちなみにアドウェイズの経営理念は「人儲け」なのですが、これはアドウェイズ社員に仕事を通して成長できる機会を与えて、市場価値の高い人になってもらい「入社して良かった!」と思ってもらう。また、社員だけじゃなく取引先やその先のユーザーにも「アドウェイズのサービスがあってよかった」と思ってもらうという意味なんです。ということは、社員を育てることこそが一番そこに繋がるのではないかと思うんですよ。そこから、「なにこれ すげー こんなのはじめて※1」が生まれれば良いなと。あとまあこれは余談ですが、単純に僕は現場が好きなんですよね。本当に。

※1「アドウェイズ全社員の共通の価値観。テクノロジーを駆使し、これまで不可能だったことを可能にするサービスやプロダクトを世の中に提供しよう」という考えを言語化したアドウェイズのスローガン

―このような現場を自身で回していく推進力は、元々鹿野さん自身の中にあったものなのでしょうか。

いや、全然そんなことはなくって。僕、ここ数年で少しずつ人間が変わったんですよ。いや、変わったねって言われるようになってきたんです。自分で言うのも本当恥ずかしいんですが、昔は高圧的に威張り散らすタイプの人間でして。あの主人公をいじめたり音痴で有名な某アニメのキャラクターみたいな・・・……。

―あのオレンジ色の服を着たキャラですね。それはインパクトありますね!(笑)正しいのは、いつも俺だ!みたいな。

そうですね(笑)。振り返ると昔はメンバーに対して、「俺のことはわかってくれなくていいけど俺が正解だから」とも思っていました。…本当に向こうの気持ちはお構いなしでした。

―そこから「変わったね」と言われるようになると。きっかけは何だったのでしょうか。

2010年4月にインターネット事業部の責任者に就任し、部長になったんです。まだ20代前半だったのにも関わらず、メンバーが50人くらい付いたんですよ。それで、先程言ったような態度でメンバーと接していたため、「俺の言う通りにやれ!そうすれば自ずと結果が付いてくるから」と、年上も年下も関係なく、メンバーに自分の意見を押しつけてしまっていて……。まあ、本当に調子に乗っていました。今話しているのも恥ずかしいです…。

そしてその時期、今思うとちょうど良いタイミングで、“上司についての意見を無記名で集める”という試みがありまして。想像できるかと思いますが、僕はほぼ全員のメンバーから辛辣な意見をもらいました。薄々は気付いてはいたものの、あの時はだいぶ凹みましたね……。その後、もうこのままだとダメだと意を決し、少しずつではありますが、初めてメンバーに意見を聞くようになりました。そしたら、メンバーからちゃんとした答えが出てきて、ハッとしました。メンバーを信頼して任せてみると、うまくいくケースもたくさん出てきて。

このことにより僕は、上司である以上は、信頼される人であるべきだと思うようになりました。そして、信頼される人を育てなければいけないとも感じたんです。

もちろん、会社で物事を決める立場にある人間に対しては、文句はそりゃあ出てくるもの。ただそれをどれだけ減らせるか、理解してあげるかは上司の力量なんですよね。お互いの存在を認めあえているかということは、本当に大切な気がします。



とはいえまだまだ、この強面の見た目も相まって、中途や新卒の社員からは怖そうと思われているかもしれません。でもそれを今は武器にしていて……ギャップというやつですね(笑)。実はいい人なんだって思ってもらえるように努力をしています。昔から僕を知っている人からすると、まどろっこしい、気持ち悪いと思われているそうですが…。

僕にできないことができる人を、すごく尊敬しているんです。

―先ほどお話にも出てきた、アドウェイズのスローガンですが、鹿野さん自身が感じているアドウェイズの「なにこれ すげー こんなのはじめて」はありますか?

ここ最近、時代とともに社員を大切にする会社は増えていますが、アドウェイズベイビー※2や、愛社員課※3など、うちの会社は割と早いタイミングで行っていたなと思っています。優しさと厳しさの両立ができているこのようなシステムは、「なにこれ すげー こんなのはじめて」なのかなと思いますね。もちろん、この2つ以外にも、これまで手掛けた独自サービスもすべて当てはまります。

※アドウェイズグループ社員の子供のみで構成された会社。 アドウェイズグループ社員の家族が求めていることを定期的にヒアリングし、 本当に必要とされる制度を作りだすために設立された。

※社員の家族の誕生に米を送るなど、“健康”“家族”“仲間”の3 つのテーマを掲げ、それに沿った制度やイベントを実行していく部署。

会社の仕組み以外で言うと、僕は自分にできないことができる人をすごく尊敬してるんですよ。なので、基本的にはかなり多くの人を尊敬しているということになります(笑)。

―と、いうと。

僕は絵もかけないし、プログラミングもできる訳ではないし、広報として上手く会社の良さを伝えることもできません。言うなれば、会社に所属する人が担っている仕事のほとんどを自分ではまかなえないんです。裏を返せば、社員のたった一人が欠けても会社は成り立たないんですよね。

最近だと新卒二年目の若手社員が、自分で考えて自分で実行している姿を見たときに、若手なのにちゃんとしているなと感動してしまって。こういうのは創業期であれば“やるしかない”精神からよくある話だと思うのですが、今そういうことができる子って少なくなっているので、そういう環境の中ですごいなと。年齢関係なく、すごく尊敬しています。

なお、こういった社員の情報は、課長職が集まる会議で最初に聞くようにしています。中途新卒関わらず活躍している社員にもっと活躍させたい、そういう環境を作りたいんです。

「なんでこれをやってるんだろう」というのが、経営陣にあってはいけないと思う

―現在、鹿野さん自身が考えているアドウェイズの「こうしていきたい」などの改善点はありますか?

マネジメントできる層を引き上げたい、というところはありますね。溝になってるところを僕が橋渡しになって、人儲けを実現する。そこで「なにこれ すげー こんなのはじめて」を生み出していければ良いなと思い、現状から取り掛かることができればいいのかなと。そう考えると、現場に成長機会を与える“立て直し屋”ってイメージで動ければ良いかもしれません。



まあ、誰が見てもおかしいところはあるんです。そりゃあどの会社にもあると思うのですが、例えば事業判断。「なんでこの事業をやってるんだろう」というのが、僕ら経営陣にあってはいけないと思うんです。惰性でやってたり習慣でやってたりすることは実際にはあるので、それは正さないといけませんね。会社が大きくなればなるほど巻き込む人も多くなるので、一つ一つ必要なのか否かを考えていければと思います。

付け加えると、僕個人的には“勝てない勝負”はしたくないんですよ。勝負に負けるっていうのが小さい頃から好きじゃなくって(笑)なので会社の経営も、絶対に勝てる戦に仕上げたうえで、大きな勝負に挑もうと思っています。

その描いている目標の一つに、社員みんながアドウェイズのことを魅力的な会社だなと思ってもらえるようにしていきたいなという想いがあります。10年前はそれこそ、会社を辞めたいという社員に向かって「なんで辞めるんだ、絶対辞めさせない」という、僕自身の強い意志が態度に表れていましたが、今考えると反省点ばかりです。

今、自分は取締役になり、ある程度会社を動かせる立場でもあります。そんな僕にだからこそできることとしては、できる限り社員みんなの声を聞き、社員が活躍できる環境作りをしていき、「アドウェイズで働いて良かった」と社員全員に思ってもらえるような会社を作っていきたいなと。

誰だって、そんな“会社を変えてくれる“上司の下で働きたいじゃないですか。まあ、簡単に言うと、社員に敬われたいんですよ(笑)。

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