「子は親を映す鏡」
これは、子どもの振る舞いを見ればどんな親なのかを知ることができる、という意味のことわざだ。このことわざが指すのは、何も親子関係だけではない。ビジネスの世界でも同様のことが成立すると言われている。
では、会社が「親」だとすると、「子」は何だろうか?
会社という「親」が共に世に送り出し、社員たちによって手厚く育てられるもの。
そう、今回は「自社サービス」に焦点を当てたい。
紹介するのは、企業向けアフィリエイトサービス「JANet(ジャネット)」
今やアドウェイズの看板サービスのひとつまでに育ったが、そこに至るまでの生い立ちは決して順風満帆なものではなかった。ここに「JANet」の知られざるストーリーを紐解くことで、アドウェイズに興味を抱いていただければ幸いである。
会社設立から2ヶ月で誕生した自社サービス
「JANet(ジャネット)」の正式名称は、ジャパンアフィリエイトネットワーク。PC・スマートフォン問わずWeb媒体へ広告を出稿する企業に向けたアフィリエイトサービスだ。
ユーザビリティの高さ、業界屈指の優良媒体ネットワークなど強みはさまざまあれど、最大の特徴は、成果に応じて広告費用が発生する成果報酬型のモデル。
アドウェイズにおいて、アフィリエイトサービスの歴史は古い。2001年4月、会社設立から2ヶ月後には「JANet」の前身となるメール向けアフィリエイトサービス「アドウェイズネットワーク」を立ち上げていた。
ときは情報のプラットフォームがメールからWebに移行するまさに時代の過渡期。ほどなくして、「アドウェイズネットワーク」はWebにも対応できる「JANet」としてリリースされた。2003年8月の出来事だった。
では、その裏に眠っていた知られざるエピソードについてご紹介したい。
プログラミング未経験者をエンジニアとして中途採用する方法
さらに少しだけ時計の針を巻き戻してみよう。
2002年8月、主人公はあるひとりのエンジニア……といってもこの段階でプログラミング経験はほぼ皆無。アドウェイズ入社をきっかけにエンジニアへの転身を図ろうとしていた、ある男に焦点を当ててみたい。
当時のエンジニア採用は、一次選考が1時間におよぶ筆記試験。通過率が3割と言われる狭き門を突破した彼は、副社長から一冊の専門書を手渡されたのだった。訳も分からない状況で彼は帰宅し、専門書を読み込んだ。そして、再び会社へ足を運ぶのだった。
彼を待っていたのは副社長に渡された問題用紙をひたすらに回答する時間。解いても解いても次々に問題が出てくる…この攻防はまる2営業日続いた。そして2日目、日が傾いた頃、副社長が静かに告げた。
「……内定です」
彼は自分の耳を疑った。まさか内定をもらえるとは思わず驚いたから……ではない。選考のなかで面接らしい面接がないまま内定を告げられたからだ。
……とはいえ、彼自身は前向きだった。選考で2日間にわたり解いてきた問題の難易度が高く「ここなら優秀なエンジニアが揃っている…!!」と思っていた。
しかし、その期待は入社初日にもろくも崩れ去る。彼を迎えてくれたのはインターンのエンジニア1名。それもPCを渡すと「このPCってどうやって電源をつけるんですか?」と聞いてくるような絵に描いたようなダメダメエンジニアだったからだ。
デコボコ3人組のJANet開発ストーリー
翌2003年4月、そんなエンジニア2人の前に現れたのが、入社したばかりのひとりの営業担当だった。その営業担当は「え?2ちゃんねるってテレビで番組が放送されてないチャンネルの砂嵐のことでしょ??」というほどの逸材だったが、営業としては即戦力だった。
プログラミング経験のないエンジニアとPCの電源もつけられないインターンエンジニア、そしてITリテラシーが著しく低い営業……そんなデコボコな3人組に任されたことこそが、「JANet」の開発だった。
重要ミッションを託された3人は、スケジュールや周囲からのプレッシャーも感じながら、参考書片手に開発するような日々を送った。それは、まるで高速でインプットしながらアウトプットし続けるような毎日。
しかし、勝利の女神は3人を見捨てなかった。なんと2ヶ月後、無事に「JANet」のリリースにこぎつけたのだった。一見、無謀とも思えるような人選。逆境をはねのけ、成し遂げた3人。まさに「JANet」は汗と涙の結晶だったというわけだ。
また、「JANet」というネーミングが決まったのもこのタイミングだ。場所は上野オフィス。代表・岡村と2名の営業社員が会議中に
「日本のアフィリエイトだから、ジャパンアフィリエイトネットワークでしょ?これだとちょっと長いから……うん、JANetでどう?」
「あ、いいですね。決まりじゃないですか」
「アドウェイズ史上一番いいサービスの名称ですね」
という全く白熱しない議論の末、決定した。ちなみに同じネーミングのロジックで、2005年3月に中国版アフィリエイトサービス「チャイナアフィリエイトネットワーク」が「CHANet」としてリリースされたことを書き加えておく。
営業&エンジニア、悲喜こもごも
「JANet」リリース直後、営業活動らしい営業活動は大してしていなかった。
高単価なサービスであることが支持され、キャッシング案件からクレジットカードなど金融案件全般へとシェア獲得を実現していたからだ。そして何より「いいプロダクトをつくればユーザーは自ずと増えていく」という信念のもと、むしろ新しいプロダクトや既存のサービスのブラッシュアップに時間を割いていた。
するとどうだろう。サービスは好調……のはずなのに、社内では「JANetの売上はこのあたりが限界だ」という噂が囁かれるようになる。いつの間にか自分たちで「JANet」の天井を決めてしまっていたのだった。
そんな雰囲気をガラッと変えたのが、2004年に入社した社員だ。「いやいや、売上のためには営業しなきゃいけないですよ」という正論を打ち上げて、社員を鼓舞。するとおもしろいように結果に表れていった。そしてさらなるチャネルの獲得にも動いていった。比較サイトの運営担当に2時間電話するなど地道な努力を重ね、「JANet」の案件を増やしていったのだった。
開発サイドは開発サイドで試行錯誤を重ねていた。「JANet」が後発サービスで最小限の機能でリリースしたこともあり、機能面を充実させていくことに全力で取り組んでいた。しかし、ある日ふと「この機能、本当に必要?」という議論が生まれ、結局機能を削ぎ落とすことに。最終的には余計な機能は一切なくなり「シンプルなのに高機能」という一見矛盾するようなキャッチコピーが生まれたこともあった。
そんなことが重なった結果、いよいよ(ようやく?)JANetのサーバーを増強。JANetチームも営業7名、エンジニア2名という組織らしい編成となり、コミュニケーションの頻度も格段に増え、一丸でサービスと向き合っているという。
JANetの描く未来
2ヶ月という異例のスピードで誕生してから、約15年にわたりアフィリエイトサービスの第一線でマーケットを牽引してきた「JANet」。
躍進の原動力となったのは、開発を牽引したエンジニアたちに他ならない。もともとエンジニアとして経験の浅かったメンバーたちがアドウェイズの代名詞ともいえるサービスをリードしてきた背景には、本人たちの想像を絶する努力があったことだろう。
もちろん、営業部隊の存在も無視できない。決して競合優位性の高いサービスではなかったものの売上を伸ばすことができたのは、彼らの「人間力」を軸にした営業活動がマーケットで評価されたことの証だといえる。カンタンには身につかない一流の営業としての振る舞い。日々進化を遂げているテクノロジーのトレンド。そのすべてをインプットし、営業活動に打ち込んできた彼ら。苦しい時代を乗り越えてきた経験が自信となり、彼らの言葉に揺るぎない説得力をもたらしているのだ。
そして、「JANet」の挑戦はこれからも続いていく。世の中になくてはならないサービスであるために、組織そのものを強化している真っ最中だ。
たとえば、営業部隊。「JANet」をはじめとする自社サービス専任の営業組織を立ち上げ、コンサルタントの視点で顧客の課題を解決へと導いていくプロフェッショナル集団へとレベルアップしていく。そのために、最近では金融業界だけではなく、EC業界でもセミナーを開催するなど積極的にアプローチ。ビジネス、そしてテクノロジーに長けたコンサルタントとして、世の中を「あっと驚かす」存在を目指し、成長し続けている。
エンジニア部隊は、開発手法をウォーターフォールからアジャイルにシフト。会社の方針に沿って、短いスパンでの商品開発を実現している。さらに、彼らは今やテックカンパニーとしての側面を見せつつあるアドウェイズに欠かせない存在へと成長。確かな技術力、エンジニアとしてのプライドが、今のアドウェイズの支えとなっている。
そして、営業部隊と開発部隊が連携し、どちらも「任せきり」にならない仕組みを構築。
さらなる進化を実現するために、それぞれが実力を全力で発揮し、アドウェイズの企業力を生み出している。
「過去には固執しない。これからが勝負」
今も昔も決して彼らは進化を止めない。
彼らが見つめる先にあるのは、JANetの未来でもあり、アドウェイズの未来でもあるのだから。
~~完~~
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会社設立から2ヶ月で誕生したサービスを、今後も一緒に盛り上げていってくれる熱い方からの応募を心よりお待ちしております!