Ryosuke Fujihara - Wantedly Profile
1987年9月22日 大阪生まれ 自動車整備の専門学校を卒業。 ...
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2018年2月の設立からACTBE Inc. を率いるCEO藤原良輔と、設立直後に最初のパートナーとして参画後2020年からCTOに就任した石村真一が、「ACTBE Inc.の今~未来」について語ります。
石村:僕はアクトビのCTOをやらせてもらってます。
CTOというポジションの責務って会社のフェーズによって違うと思うんですが、今のアクトビにおいて僕はシステム開発領域において全般の業務をやっています。例えば、技術的な部分でどういうものを使っていくか考えるところや、実際に案件に入って実装することもあったり、エンジニアメンバーのフォローもします。
案件全般の便利屋さん。なんでも屋さんみたいな。
藤原:そうねw 僕は・・・それ以外w 今はもう石村さんがいてくれることによって案件に入らなくても現場は回してもらってるので、どっちかというと今や目先の仕事じゃなく、明後日の仕事というか、数ヶ月先、数年先の種まきや仕掛けをやりながら、、、あとは誰もやらない仕事をしてます。
石村:助かってます。
藤原:気づいてないやろww バックオフィスの仕事。
石村:気づいてるよww 区分けとしては、僕が会社の今を見て、藤原さんが会社の将来を見ている。
藤原:そうね。
藤原:役員としてっていうと、これはお互いに共通認識なんですが、何かあった時に何とかする立場。まずそこ。
石村:うん。ここが最後の砦なので。何かあったら腹くくる覚悟ですね。
藤原:あとは組織全体の意思決定と仕組みの設計、実行ですね。
働くメンバーがいかに働きやすく働いていけるかとか、メンバーそれぞれのキャリアをどう設計していくかとか考えています。一つの小さな決断ミスが、後々大きく間違った方向に振れることが、徐々に起こるようになってきている規模になってきてるので、そこを慎重に話し合いながら意思決定していったりしています。
石村:どうしても広く見るようになると浅くなってしまうんだけど、広いからこそ見えてる視点もあるので、そこは明確に気づける部分があるかなと思いますね。
「「ありますねー」」
石村:僕はこの業界に13年くらいるんですけど。
藤原:長いよね。
石村:そうですね。プログラマからのキャリアを経験して今があるんですけど、思っている通りになってないなってことが結構あるんですよね。
藤原:例えば??
石村:エンジニアという職ってめちゃめちゃ専門的な仕事をしているじゃないですか。でも、専門的な知識を持っていない人が専門的な知識を持っている人をコントロールするっていう構造が自分の中で違和感があって。
且つ、それゆえに、評価されるべき人が正しく評価されていない。
だから、その文化を変えたいなと思って今自分がアクトビにいる。ここに関してはこの業界に不満がありますね。
藤原:たしかにね。
石村:だから僕は人の評価ってのを大事にしたいと思っています。やるべきことをやっている人は評価されるべきだし、やるべきことをやっていない人は評価されないべき。
エンジニアの評価っていうものをただの経験年数とか年齢とかで左右されないような構造にしたい。
これが目標というか意義ですかね。
藤原:ずっと言ってるよねそれ。
確かにこのITっていう新しいはずの業界でも未だになんか昔の日本っぽい構造になってるところ多いよね。なんか年功序列というか、日本特有なんですかねこれ。
石村:ですかね。
藤原:自分の給与、報酬が何に対する対価なんだろうっていうのが、なんかずれてる感あるよね。
海外では業務内容だったり職務に応じて報酬を得るっていうのが結構スタンダードなのに、日本はまだまだ組織づくりにおいて都合のいいようになっているね。
仕事ができなくても、お客様に正しいものが提供できていなくても社内的に上手に立ち回ることでお給料を上げることがまかり通るというか。
且つ、エンジニアという職種自体がまだまだ新しい仕事ではあるので、評価というものの軸が整備されていないなと思います。成果が見えにくいんですよね。これ。
- エンジニアは成果が見えやすそうと思っていましたがそうではないんですね。
石村:見えにくいです。明確な作業内容は作業している人たちにしかわからない。
例えば車を作るとなると、歴史も長いし、作業工程はある程度仕組み化されていて作業内容は決まっていると思うんです。それに対する速度等もある程度わかってる。
でもこの業界はオーダーメイドが多く、形も決まってないもの。ようするに、その作業にどれだけのボリュームがあって、どれだけの難易度でっていうのが見えないんですね。さらに規模が大きくなると、関わる人数も多くなってきます。そうなってくるとその中で誰が仕事が早くて、品質が高くて、あるべき姿が見えているのかを判断するのは容易ではないんです。
ある一つのプロジェクトがすごくても、関わっている人達が全員すごいわけじゃない。でも会社はそういう見方しかできない。だから正しい評価がすごく難しいですね。歴史が浅いからっていうのもあると思いますね。
藤原:定義、数値化、見える化しづらい職種ですね。
人数が増えるとさらに難しくなると思います。アクトビの評価の基準を作ることは大きな課題だし、意義ですよね。これが見えるようになって、業界のスタンダードになったらすごく素敵だなと思います。
石村:受託開発の評価基準は本当に難しいです。複合的に評価しないといけないと思いますし、指標がないので、正しく判断できる人が見ておかないといけない。僕はそれをどこまでいっても現場で見続けていきたいと思っているんですよね。
現場が好きなんですよねなんだかんだ。会社が成長していく中でそこが見えなくなってきたらもしかしたら病んでしまうかもしれない。w
やりたいことができない葛藤になるかもしれないと思います。なので、なんとかして一生見続けれるような仕組みを作っていきたいと思ってます。
藤原:素敵ね。
今のお題って業界に対して思うことでしたっけ?
僕は、2つあって、内向きと外向きで。そもそもこれってアクトビという会社を作るときに思ってた事でそれは今も変わってなくて。
まず内向きの面でいうと、エンジニアという職種のキャリア設計ってお作法がまだまだ出来上がってないと思ってるんですよ。もちろん専門職で技術職じゃないですか。
で、自分もフリーランスエンジニアとして活動してて、そのときってまぁまぁそこそこ稼げるわけですよ。今はエンジニアの需要に対して共有が追いついてない状態で、案件があって。
なので、その瞬間瞬間だけ見たらソースコード書いて、アプリ作ってって、やりがいがあるし稼げるし魔法使いみたいやし、やっぱ楽しいんですよね。
でも、人生軸で見たときに、その先のことを考えてみて、仮に20年後とか・・
まだまだ現役でソースコードを書いて報酬を得るというモデルで生計を立てられるかと言ったら自分には自信がなかったんですよねそれ。
理由として、Webとかアプリの業界って、年に1回大きいアップデートがある、新しい言語も出てくる、技術の主流も変わってくる・・・どんどんできることが増える。一方でやらなくていいことも増えてくる。その情報のキャッチアップをし続けながら、自分にしかできないことを見つけ続けていくって作業を・・・そんな長くは続けていけないなって。アンテナも張り続けとかないといけないし。
じゃあ、エンジニアってその先どうしていくべきなんだろって感じるわけですよ。
で、僕はエンジニアとして活動していく中で大事にしていた視点があって。
それは、自分がエンジニアとして作っているその作業ではなくて、作ってるものは何なのかで、それをなぜ僕に対価を払ってまで作りたいものなのか。そのソフトウェアがどういう効果を得られるものなのかというビジネスサイドに興味を持ってたんですよね。
そこの構築って普通にエンジニアリングしていたら考えなくてもお金は得られるんですけど。でも逆にいうと、そこを考えれる人になることによって次のキャリアが見えてくるなと感じたんですよ。
自分がシステムを作れるからこそ、作られるものが何なのかというところまで考えて、その作られるものが正しいのかというところまで入り込むと、じゃぁ正しいって何だ、このビジネスモデルはなんなんだろうってまで考え出す。
その視点でビジネスに興味を持ち始めると、エンジニアとして活動しながらも、ビジネス習得することができて、これはエンジニアの次のキャリアに直結するのかなと思ったんですよね。
ただ、そのキャリアパスって、業界的なエンジニア不足というのがあって上手に作られていないんですよね。
技術習得すれば、お金になるし重宝される人材になるしっていうので。短期的な市場だけを見れば、それだけでも十分かまわないんだけど。じゃあ長期的に見たらその人たちってどうなるんだっていうのがあって。
で、この業界って特にぼくらが今やっている受託開発の業界において、見積もりって人月計算で金額を算出するんですよ。これって、単純に見ればこの設定単価以上にそのエンジニアの人って報酬を得ることは不可能なんですよね。労働集約の場合。
もしそうなんであれば、エンジニアとしてその単価を上げていける価値を付けていく必要があるじゃないですか。で、僕はその価値はビジネス習得の方向にいくべきだって思いがあって、そういう組織を作って行きたくてアクトビを創業したって感じです。これが業界に対して思うことの内側のほう。
藤原:んで、外側に対しては、そもそもこの業界構造というものに疑問を抱いていて、んー。最近あまりに理不尽な関係って減ったのかもしれないけど。
例えば、「こういうお客さんがいるんですけどうちではできないんで、おたくできませんか?」ってまぁまぁある話なんですけど。きちんと案件に関わってくれたりするような、良い会社さんももちろんいるんですけど。中には悪質で本当に商流に入るだけで何もせず何の責任も持たない契約で、結構なパーセンテージの手数料を取るって会社もまだまだたくさんあるんですよね。
このとき、その会社に存在しているのって営業でその案件をとってきたという功績とそのお客さんとの信頼関係だけなんですよね。
石村:システムって観点ではその会社を通すことで品質を担保できるのかと言ったらそうじゃないですからね。
藤原:そうなんですよね。そもそもオーダーメイドで作るソフトウェアってものに、専門知識以外で積み上げてきた信頼関係ってそんな関係ある?って思うわけなんですよ。フェアに解決できるかどうかで業者選定したほうが良いと思うんですよ。
むしろこの無駄な商流って逆にコミュニケーションコストがかかるだけ。これ業界のあたりまえなんだけども、根本にあるエンドの経営課題の洗い出しとかはエンドサイドのコンサルだったり社内でやるとして、ざっくり決まった段階で大手ベンダー・SIerから下請けに流れてくる。ここでいう根本の「解決したいことと解決方法」の部分って開発会社、エンジニアが何で考えないんだろうとずっと思ってたんですよね。
これって、これまでエンジニアが考える必要がなかっただけで、考えれないわけじゃないと思ってるんです。これができればエンジニアの単価も上がるし、本質的なアプローチができるし、専門領域の解決につながる。もちろん、戦略だったりマーケティングだったり、それぞれの専門領域のチーム構成っていうのは必要だと思います!でも、無駄な業界構造は省きたい。これが、ビジネスを習得したエンジニアの組織を作りたいというとこにもつながってるかな。
藤原:業界に対して思うことってのは一言にはまとめられないですね。内向きの課題と外向きの課題をアクトビを通してクリアにしたい。クリアになった後がスタンダードである世界をつくりたいなっていうのがあるんですよね。でもこれみなさんそれぞれ会社ごとに思っていることあると思うし、僕もあくまでもいま時点では仮説でしかないというか、今は常に実験を繰り返している感じで、まだ見えていない部分もありますが、今のところ、今のアクトビの動きをきちんと続けて、成長していければうまくいくと思う。そういう会社になれるんだろうなと思っていますね。
ーーまだまだ続く対談ですが、今回はここまで。
次回もぜひご覧くださいm(__)m