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入社2年目で任された大きな裁量と責任。事業部全員で成し遂げた事業改革

渡邊 誇仁(Koji Watanabe)CRO(Chief Revenue Officer)

美容師である両親の影響を受け、大学卒業後は都内の美容室に就職し、美容師として5年間勤務。店長へ抜擢されるも、思うように売上を伸ばせず、実力をつけるために株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)へ転職。約8年、ホットペッパービューティーの営業に携わり、エリア長も務める。2021年5月株式会社Aへジョイン。営業部立ち上げや事業改革を経て、現在はCRO(Chief Revenue Officer)を務める。




合議ではなく、自分の意思で決められる職場環境を求めて

ーー転職を決めた背景について教えてください。

とくになにか不満があったわけではありません。今でも、前の職場は大好きです。ただ、あらゆる意味で「自分次第」な環境に身を置きたいという思いがありました。

前職に限らず大企業では、よくも悪くも業務内容が明確に区切られ、各ポジションによって与えられる役割が定められています。巨大組織を効率よく動かすには有効なやり方ではありますが、中で働く身からすると「ここまで任せてもらうには、あと5~6年は頑張らないといけないのか」と、やや身構えてしまうところでもあります。

加えて私は、両親が美容師で、私自身も美容師としての経験が長かったこともあり、サラリーマンとして企業に所属する意識が薄いタイプでした。一社に長く勤め、安定した環境で実力を身につけるより、たとえハードでも、スピーディーにできることを増やせる環境に身を置きたい気持ちの方が強かったです。

ーー転職活動の軸は何だったのでしょうか?

大きく2つです。

まず一つは、自分が役に立てる会社であることです。私が入社しても会社にいい影響が与えられなければ、私も転職先も不幸になります。それを避けるために、どのような形で自分が役に立てるのか、常にイメージしながら、いろいろな企業を見ていました。

もう一つは、自分が何かを得られる会社であることです。自分が役に立つことだけを考えると、どうしても類似サービスを展開する会社を考えてしまいますが、それだと自分自身の伸びしろが少なくなってしまいます。まだまだ、高角度での成長を続けたいと考えていたので、入社してから学べることが多そうな会社かどうかはとくに気にしていましたね。

ーー株式会社A(以下、A Inc.)に決めた理由を教えてください。

複数の会社と話をするなかで、とくに自分の得られるものが大きそうだと思ったからです。

当時からSNSの影響力が増していることは感じていて、インフルエンサーマーケティングに興味がありました。また、データサイエンスを用いたインフルエンサーマーケティングツール「Astream」というプロダクトも斬新で、この会社ならユニークな人材になれそうだ思ったのです。

裁量権の大きさも決め手の一つです。他の企業の場合、それなりのポジションを提示していただいていても、どこか「合議制」の匂いがして、サラリーマン的な振る舞いを求められている感覚がありました。裁量権が大きいと口では言っていても、いざ入ってみると、それほど自分一人で決められる範囲は広くないのかなと感じましたね。とくに、メガベンチャーと呼ばれる、ある程度の組織規模の会社だと、その傾向は強かったです。

A Inc.は、面談を重ねるうちに、任される範囲が広いと感じました。印象的だったのは社長面談の際、おそらくまだ非公開である情報も、包み隠さず開示してくれたことです。私の面談時点では、まだ自社のプロダクトが完璧ではない、と言っていて、弱点も教えてくれました。誰に対しても裏表のない姿勢を見て、彼が「任せる」と言うなら、本当にそうなんだろうなと信じられましたね。最悪、騙されてもいいかとすら思いました。


難しい改革も、周りからのサポートのおかげでやり遂げられた

ーー2021年に入社してから、とくに印象に残ったプロジェクトがあれば教えてください。

入社して1年ほどで担当した、既存事業の改革に関するプロジェクトです。当時は、売上の約8割を3社のクライアントが占めているという構造で、それら3社のうち1社にでも解約されるとピンチになるというリスクがありました。短期的には問題なくとも、2~3年後に必ずツケが回ってくるとわかっていたので、事業部全体で改革に取り組むことにしました。原価圧縮、社外メンバーとの連携体制の構築、新規案件の受注と複数のことに同時に取り組みました。

これまでとはまったく違う仕事の進め方に変わり、業務負担も増えるので様々なリスクを承知の上で将来のために多少強引にでも取り組み続けました。

すると、少しずつ状況が改善されるようになりました。3ヶ月ほどで原価が適切な水準に抑えられるようになり、さらに3ヶ月後には部署のメンバーが自分たちで新規案件獲得ができるようになったのです。そこからさらに半年後には、業務委託やインターンを巻き込んだ新しい業務体制も構築され、組織体制は当初と比べると圧倒的によくなりました。

ーーさまざまな意見やリスクがありながらも改革を続けられたのは、なぜだったのでしょうか?

すべてを自分に任せてもらえたことが大きかったと思っています。

私より上の立場となると、社長や副社長ですが、私があまりにも強引に進めるので、正直裏では困っていたと思います(笑)。それでも2人は、私のやり方に口を挟まず、サポートに徹してくれました。そのため、中途半端なところで断念することなく、最後までプロジェクトをやりきれたと思います。

ゼロからの売上創出ができる能力を身につけたい

ーー現在の業務内容について教えてください。

現在は成長戦略の策定と実行サポートを担当しています。目標達成に向けて各事業部長と協力しながら戦略の設計や人材配置などをおこなっています。

ーー今後の展望について教えてください。

これまで、既存サービスの拡大を経験してきましたが、これからはまったく新しい売上づくりにチャレンジしたいです。具体的には、新規事業づくりかもしれませんし、既存のサービスに新しい価値を追加することかもしれません。とにかく、ゼロから売上を立てる経験をし、そのスキルを身につけたいと考えています。

今後、どのようなキャリアを歩むのかは、あえて決めないようにしています。今の自分が想像できる自分でいたくないと思っているからです。10年前に美容師だったときは、まさか自分が数億円規模の事業責任者を担う、というキャリアを歩んでいるとは想像もしませんでした。

これからもチャレンジを繰り返しながら、自分が役立てる範囲を広げていければと思っています。そうすれば自然と、自分の想像を越えるキャリアが形成されるのかなと思います。


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