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目標を機能させて技術者のコミットメントを最大限引き出すために、AbemaTVではじめたこと

AbemaTV 開発局局長の長瀬です。

AbemaTV 開発局では2017年4Qを迎えるにあたり、目標設定・評価システムを刷新しました。以前から採用活動の際に社外の技術者から目標設定や評価について質問をいただくことが多いため、現在の取り組みについてエントリーさせていただきます。


背景

1周年を迎えた某日、開発局の集まりで サイバーエージェントのミッションステートメント「世界に通用するインターネットサービスを開発し、グローバル企業になる。」について話をしました。

このミッションステートメントに沿って、AbemaTVもまず第一に「インターネット発のマスメディア」という大きな目標を国内で実現し、その後はグローバルに果敢に挑戦していきたいと考えています。そのために「世界に通用する開発チームを創る」というビジョンを掲げて、チームの強化に取り組んできました。

ありがたいことに優秀で素晴らしい技術者が続々と参画してくれています。新卒も配属されて開発チームも50名を超えてきました。

そのような背景の中で、どれだけチームが大きくなっても彼らの挑戦を尊重しやる気を引き出す目標設定・評価システムが必要と感じ、目標設定・評価システムを刷新することにしました。


チームがコミットすべき組織目標を徹底的に考え抜く

皆にとって安心感・納得感のある評価システムを構築するには、いうまでもなくその前提での目標設定が重要です。

すでにご覧になった方も多いかもしれませんが、先日『Googleの「最高の上司」がチームの生産性を高めるためにしていること』というインタビューを目にしました。その記事の中で「あなたのOKRはなんですか?」と常に問いかけるという一説があります。

社長、上司、部下… どのレベルの対話であっても「あなたのOKRはなんですか?」と常に問いかけます。そのたびに説明するので、自己認識度がおのずと高まります。

(引用元 Googleの「最高の上司」がチームの生産性を高めるためにしていること


このレベルまで自己認識度を高められる個人目標を決めるには、その上位概念にある組織目標が重要です。チームの組織目標が浸透し機能していれば、そこからスムーズに個人目標に落とし込むことができます。

では、チームメンバー皆の道しるべとなる組織目標はどのように作るべきで、それを機能させるためにはどうすれば良いのでしょうか?


今までの私たちは下図のように、すでに決まっている事業目標(サービスによって異なるものの、売上やPV、MAUなどの最重要指標のみ)を各チームリーダーに伝え、それぞれのチームリーダーが各メンバーと個人目標を設定していました。



このフローだと各チームリーダーの力量に依りがちで、場合によっては個人目標と事業目標がリンクしていないこともあります。事業目標とリンクしていない個人目標はメンバーのコミットメントを引き出しにくく、評価するときにも困ってしまいます。


そこで、事業目標を達成するために開発局としてのコミットメントを定義した組織目標を徹底的に考えることにしました。チームリーダーとともに約3週間かけて議論をし、最終的にはOKR(Objective & Key Result)のフレームに沿って組織目標を固めました。



この開発局の組織目標には最上位の事業目標の達成に直結するものだけでなく、中長期の事業成長を見据えた取り組みや技術戦略上取り組むべきコミットメントなど、これまで明確に定義しなかった項目についても1つ1つ目標設定をしました。


「4Qキックオフ会」にて開発局のOKRを説明しました。

事業目標に直結するKey Resultに加えて、AndroidアプリのKotlin化やデータ軽量化やコンテンツ保護の強化など品質強化に関するKey Resultなど、計37個について1つ1つ丁寧に話をさせて頂きました。

総勢50名を超える開発チームになってきましたが、チームとして取りくむべき全体像を開発局のOKRを通して伝えることができたと思います。


「4Qキックオフ会」のあとにみんなで屋形船へ、大いに盛り上がりました。


個人目標のオープン化は「目線合わせ」と「目線上げ」に効く

キックオフ会を終え、各自で個人目標への落とし込みを進めてもらいました。

個人目標は「事業目標」と「スキル目標」の2つから構成をしています。「事業目標」は開発局のOKRからKey Resultが一人ひとりに割り振られます。「個人目標」では事業目標を達成するためのスキルセットに重点をおき、設定します。


今回より人事評価管理クラウド「HRBrain」を導入しました。「HRBrain」には全メンバーの個人目標を公開(=個人目標のオープン化)する機能があります。この機能を活用して、自分の目標をさらけ出してチームメンバーに宣言することで個人目標へのコミットメントが高まることを期待しています。

あわせて、「HRBrain」を利用して、「個人目標のレビュー」をチームリーダー全員で実施をしました。このレビューを通して、「個人目標のオープン化」はこれまでやってきた目標設定の常識を大きく覆しそう(目から鱗が落ちるレベル)だなと思いました。

個々の目標設定能力には差があるため最適な目標設定をひとりひとり設定するのが案外難しかしいわけですが、模範的な個人目標をチームに展開することで、「あ、なるほど、こういうことか」と理解してくれ「目線合わせ」をすることが出来ると感じました。

また、自分よりもグレードの高い技術者の目標設定を見ることで、それぞれの「目線上げ」にもつながることがわかりました。


このように、長年課題に感じていた各々の個人目標の「目線合わせ」と「目線上げ」を同時に実現できたことは大きな収穫でした。


さいごに

AbemaTV開発局の目標設定についてご紹介させていただきましたが、新たなツールを導入したからといっていきなり進化することなどはもちろんなく、重要なのは チームメンバー皆で試行錯誤を重ねながらブラッシュアップし続けていくことだと思っています。

安心感・納得感を実感してもらえる目標設定・評価システムを実現することで、技術者にとって働きやすく、それがサービスの成長にもつながる環境づくりに力を入れていきたいと考えています。

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