【開発記録】開局から３ヶ月、私が「チーム」と共に取り組んだこと

開局後のKPTで出た課題は95個...「個」から「チーム」に切り替える良い機会となりました

「AbemaTV」は開局してから３ヶ月が経ちました。
１２月から本格的な開発がスタートし、約４ヶ月でローンチを迎えました。
この４ヶ月は怒涛の日々でした。

AbemaTVは、インターネット技術で「テレビ」を再現しています。
単純なオンデマンドやストリーミングの動画サービスとは異なり、番組表にそって時間通りに映像コンテンツを配信すること、そして、テレビと同じようにCMを流す必要があります。
どのようなユーザー環境でも、皆が同じ映像を見ているという状況を担保する必要があります。

SLAもこれまでのサイバーエージェントの基準とは一段厳しい要求を求め、動画再生のレスポンスやクライアント側のクオリティにも徹底的にこだわりました。

この難易度の高いサービス要件を開発期間４ヶ月という期間で実現するには、信頼できる選りすぐりのエンジニアの「個の力」に依存した開発で推し進めるしかないと考えてプロジェクトの立ち上げを進めてきました。

開局後、「属人化」を許容して推し進めてきた開発だったこともあり、急速に拡大した開発チームの状況は決して良いコンディションではありませんでした。

（写真）5月に実施したKPT

そんな状況を打開すべく、開局から１週間が経った４月１８日（月）にチームみんなで「KPT」を実施しました。

この時にみんなから出た課題（Problem）はぜんぶで９５個。。

その中の一部を抜粋すると

”タスクの可視化がされず、進捗がわからない。”

”仕様が属人化し始めている”
”仕様がいろんなとこに散らばってるのと更新頻度もバラバラなので集約したい”

”開局後に、大きなバグを、、うんでしまった、、、、、”
”機能開発に追われ本来確保しなければいけなかったシステム品質を仕上げれなかった。”

”開発局が大きいため、誰が何をやっているか、会話もしたことがない人が多々いる。チーム感がない。

など

開局後初めてのKPTは３時間にも及ぶものとなりましたが、９５個の課題についてチームみんなで対応策を詰め切りました。

KPT後とても晴れやかな気持ちになったことを今でも覚えています。

「AbemaTV」のスクラム開発で大事にしていること

立ち上げ時は、優先度や開発状況がめまぐるしく変化していたこともありスクラム開発を断念していましたが、５月から本格的にスクラム開発を再開しました。

現在のAbemaTVのスクラム開発の簡易図がこちら。

AbemaTVは、５つの開発チーム（iOS、Android、Web、Server、Admin）から構成されています。基本的には各チームでSprint計画を立て、その計画に従って開発を進めていきます。

（写真）Sprint6のSprintReviewとKPTの雰囲気

そんなAbemaTVのスプリント開発で大事にしていることは、「チーム感」です。

２週間に１度実施するSprintReviewでは、各チーム・個人がこのスプリントでどのようなアウトプットを実施したか？を各チームリーダー発表してもらいます。このSprintReviewでは、５つのチームに加えてデザインチームやディレクションチームからの発表も含まれます。

誰がどのようなミッションを持ってこの２週間を取り組んだかがわかることは「チーム」作りにはとても大切だと感じています。

（写真）スクラムマスター大崎と見習い中の加納

また、SprintReview後にそのままチームに分かれてKPTを実施します。各チームに分かれて２０分ほどのKPTを実施した後に、全体に対してプレゼンを実施します。
以前はAbemaTVの開発メンバー全員でKPTを実施していましたが、より密度の濃いKPTを実施するためにチーム単位で行うことにしました。

各チームのKPTを聞いているのはとても面白いです。

あるチームのProblemについて、他のエンジニアから「その問題の本質はこうでは？」「もっとこうしたほうが良いよ？」などオープンディスカッションに広がり、みんなの知恵で解決することがしばしば。時には、あるチームのTryを「うちのチームでもパクろう」という話になったりと。

「振り返り」とは時に憂鬱なものでもありますが、こうして「チーム」全体で実施することで各チームの成長に繋がる良い機会となっています。