気仙沼ニッティング
宮城県気仙沼市を拠点に手編みのセーターやカーディガンなどをお届けする会社です。
https://www.knitting.co.jp/
こんにちは。初登場、宿場トラベルのさっちゃんです。
旅しながら、新たな旅のスタイルを作り出すメンバーの一人として、4月からジョインしました!これからそんな旅レポを少しずつここでも発信できたらと思います。よろしくお願いします。
今回は、5月半ばに訪れた気仙沼のノープラン旅検証レポです!
さてまずどこを旅しようか?
私が旅したい場所を3つ挙げて、トラベルチームで気になる場所を挙げて、そこに共通していたのが「気仙沼」。ということで、気仙沼に決定。
学生時代に震災ボランティアで3年ほど通い、その後ずっと気になりつつも、尋ねる機会を逃し続けていた場所でした。
私の中では、元々どんなまちだったのか想像もつかないほど、津波の被害が色濃かった気仙沼のイメージのまま。今の気仙沼を見に行ってみたい!というのがモチベーションの一つでした。
トラベルチームでの旅のキーワードは「人」。
まちのキーパーソンだけ決めて、あとはノープランで行って、何が起こるか検証しようという試み。
今回は、気仙沼の「杉浦恵一さん」を紹介され、その人に会いに行くということだけ、唯一決めて、出発することに。
ところが出発の前日、杉浦さんが急遽、品川へ。え?笑
唯一の確定要素だったはずの「杉浦さんに会う」が不確定になり、3泊4日の気仙沼旅スタート。
今回は私が普段暮らしている福岡県の津屋崎から出発。早朝に出て、飛行機で仙台、仙台から気仙沼までバスで向かい、この日宿泊予定のゲストハウス「SLOWHOUSE(略してスロハ)」に着いたのは夕方。なかなか遠い・・・
スロハでは、コミュニティマネージャーのぼんちゃんと、スタッフゆきちゃんが迎えてくれました。
初日なのでふらりと歩いて周辺を散策。震災の以降はところどころにありながら、人が暮らしている町にしっかり復興していて、じんとくるものがありました。
帰ってきて、コモンルームにいたゆきちゃんとおしゃべり。
ゲストハウスのコモンルームというものは、人と繋がれて、自分の世界を広げてくれるものだ。お互いの人生の話や明日の予定など色々話していて、ゆきちゃんは翌日の朝は、田植えをするという。興味持って聞いてたら、「一緒に行く?」と誘ってくれた!「ぜひ!」と答えて、こうしてノープラン旅2日目は、田植え参加に決定!
7時半に出発、ゆきちゃんの車で南の方へ15分。ゲストハウス架け橋というまた別のゲストハウスへ集合。快晴。架け橋スタッフたち4人と合流し、田んぼの持ち主で架け橋ご近所の生粋の地元のおじちゃん「たつみさん」の家の庭へ。急きょ参加した私を、とても自然に暖かく迎えてくれた。嬉しい。
ゲストハウス架け橋では普段「夜ごはん会」をしていて、まちの人も参加しているそう。たつみさんもそのひとりで、食卓を囲んでいるときに田植えする?って話になって以来、ここ数年毎年一緒に田植え・稲刈り・そのお米でごはん会をしている関係性なんだって!
自分たちが1年食べる分だけ昔から作っているのだそう。
田植え機の使い方を教わって操縦、端の方は手で植える。
まさか気仙沼で田植えをするとは、の図
足がはまって救出してもらうの図
たつみさんがおやつまで用意してくれていて、時々おやつ休憩。
身体が甘いものを喜んでいる〜!
おしゃべりしながら束の間のエネルギーチャージ。
こういう時間を、気仙沼では「たばごの時間」っていうんだって!!
午前中一杯で無事に終了。
晴天の中、なかなかハードだったけど楽しかった!
そんな午前中を過ごしていたら、どうやらこの日は気仙沼恒例のビアフェスの日だそうで。
仲間が出店しているホルモン焼きそばのブースが人手が足りないから助っ人募集してるらしい、という情報が入り、あ、私やりますよと返事。ノープラン上等!
旅先で今度はホルモン焼きそばを仕込むの巻
言われるがままに来てみたら、ホルモン焼きそばめちゃめちゃ売れてるやん!忙しすぎたしカオスすぎた。私が来なかったらどうなってたんだ笑
ここでも、面白い仲間たちにたくさん出会えた。
シェアハウスをしている人、インターンで気仙沼に何度も通っている子、移住してきて漁師になった子・・・みんな素敵だった!
合間を縫って、憧れの気仙沼の編み物会社のお店「気仙沼ニッティング」へ。ちょうどビアフェス会場のすぐ近くだった。
気仙沼の編み手さんたちがつくる、一生モノのセーターの数々。
編み手さんにも出会えて、昔のこの町での暮らしの話、編み物を始めた頃の話、気仙沼ニッティングの変遷の話、色々聞けて嬉しかった!
憧れの気仙沼ニッティング
作品にはそれぞれどなたが編んだのか紹介するタグがついているのだけど、一番好きだなって思ったニット帽を見てみると、なんと目の前の編み手さん作だった!運命感じて、思いきって購入!冬が楽しみ。このニット帽かぶって、また来よう。
編み手さんとニット帽とタグと。
なんだかんだで、20時ごろまでビアフェス手伝い。
早朝から田植えをしていたというのに、めちゃめちゃハードやないか!
SLOWHOUSEに戻ったら、コモンルームで、田植え一緒にしたゆきちゃんとゲストハウス架け橋スタッフのすぎちゃんが飲んでたので合流。
またまた色々語る夜。朝ごはんは鶴亀食堂が最高だと聞いて、すぎちゃんと行こうと約束(ゆきちゃんは先約あり)。ノープランの中どこまでもおもしろい予定が舞い込んでくること!
ビアフェス翌日のため、人気の鶴亀食堂は激混みのため諦める。
午前中は時間が合うのでとのことで、すぎちゃんが自力で行きづらいところ中心にドライブツアーしてくれることに!なんてありがたいんだ!
気になっていた、海の見渡せる震災復興記念公園、廃校を津波の被害を残しつつ整備した震災遺構伝承館。実物やエピソードなど伝わりやすく整理されていて、屋上からは海が見渡せて当時の状況を想像することのできる場所。かなり胸に迫るものがあった。ここは来ておくべき。
まちの至る所にも津波の被害がどこまでに及んでいたか示す標識があったり、当時の遺構が残されていたりして、忘れ去られない、悲劇が繰り返されない取り組みが見られた。
悲劇を繰り返さない、という強い意志を感じる。
震災復興記念公園から見渡す気仙沼のまち
橋を渡って大島フェリーターミナル。
のどかな港の、まちの憩いの場でかなり良かった。
まちのお菓子屋さん、小山菓子店、などなど。
まちの人たちがとても優しくて温かくて、ウェルカムな雰囲気を感じた。
この日の午後は全くの余白。
この時間があったのがまた良かった。
港でぼーっと黄昏てみたり、気になってた港ぞいをぐるりと気の向くままに散歩したり。
「余白」は、自分と向き合える時間らしい。
ズラーっと並ぶ漁船は圧巻!ジロジロみながら歩いた
なんと、3日目の夜にして、旅前唯一の確定事項のはずだった杉浦さんが帰ってきた!杉浦一家やスタッフ、ゲスト、9人みんなで、スロハでおうちごはん。子どもたちもわいわい、みんなでハンバーグ。
ゲストの一人のパルさんは、常連でスロハのリノベもガッツリ関わった人。
気仙沼愛が強く、おすすめのお店など大量に教えてもらう。
今は杉浦さんの繋がりで、「キボッチャ」で働いている。かなり興味深い施設なので行ってみたい。
明日は気仙沼旅の最終日。
パルさんも明日帰るから、帰りは途中まで車で送るよーとなって乗せてもらうことになる。
昨日の鶴亀食堂リベンジ!おすすめの名物メカジキかま煮定食。最高だった!
お腹いっぱいになる漁師メシ。
朝食後、再開を願いつつ。
朝食後は、杉浦さんオーナーのシェアオフィス「Co-ba 気仙沼」、「キャンドル工房」など見学。震災を忘れないための取り組み「ともしびプロジェクト」を初め様々な取り組みについて伺う。
言ってくれてた通り、スロハの常連のパルさんが、仙台駅まで車で送ってくれた。キボッチャも見に行きたかったけど、残念ながら時間がなかったのでそれはまたいつか。
仙台から品川は新幹線。
個人的にも、気仙沼がまた何度も行きたいと思える場所になった!と同時に、多くのおもしろいことが起こり、つながりが生まれ、貴重なエッセンスの収穫もあった。興味深い検証旅となりました!
旅の研究は続きますが、今後の動向に、乞うご期待。
まずは、田植えしたお米の稲刈りの頃、また気仙沼に会いに行こう。
田植えの後にたつみさんを囲んで集合写真