『FACY』のサービスを語る上で、外せないのがオウンドメディア『FACY』の存在。ショップスタッフさんによるコーディネート提案記事をはじめとした、メンズとレディースのファッションメディアをそれぞれ自社チームで運営しています。
メディアとして公開してから、約4年。1ヶ月あたりのPVは約300万。UUは100万までに成長し、ユーザー視点で、『FACY』取り扱いショップさんの魅力やトレンド、着こなしなどのコンテンツを日々届けています。
今回はメンズメディアの編集長、溝口 駿介(みぞぐち しゅんすけ)にインタビューしました。
ーー溝口さんは、入社が2015年7月で社歴の長いメンバーと聞きました。どのような経緯でスタイラーに来たのですか。
僕は元々ファッションが好きだったのですが、大学卒業後ユニクロで働いてみたんですよね。企業としてのユニクロは、当時勢いがありましたし、新しいことにも挑戦していましたから。当時はアルバイトとして働いていましたが、そのまま正社員になりたいとも思っていました。
ただ、しばらく働くうちに、ファストファッションの販売に違和感を感じてしまったんです。僕の接客コミュニケーションがなくても、ファストファッションは売れてしまうな、と。僕はファッションとユーザーのコミュニケーションを大切にしたかったから。
ーーなぜそう思ったんですか。
原体験があるんです。学生時代、渋谷の『ガーデン』というセレクトショップに通い詰めて、バイト代を全部つぎ込んでいました。多いときは月に10万円くらい(笑)。その店で体験したショップスタッフさんとのコミュニケーションがとても心地よかったんですよね。
お店に行って、スタッフさんとコミュニケーションを重ねるうちに、相手の趣味やファッションの情報を知り、またそれが新しい興味につながっていく。ファッションが好きな友達と話している感覚に近いかもしれませんが、少し違う。とても面白い体験ができたんです。
ーーFACYのサービスにもつながるエピソードですね!
そうなんです。『FACY』のサービスは僕にとってショップスタッフさんとコミュニケーションを取れるところが魅力的でした。だから、「ああ、このサービスを多くの人に届けたい」と思って応募しましたね。
ーーこれまでのインタビューでは、CEOである小関さんと知り合ってスタイラーに入社したメンバーが多かったのですが、溝口さんはどうでしたか。
僕はWantedlyからなんです。ファッション販売だけでなく発信側に興味が出てきた時に、ライティングや編集チームの募集を探して見つけました。
相手の期待を超えるアウトプットをしたい
ーーライター未経験からメディアチームに飛び込んだそうですね。
それまではmixiの日記くらいしか書いたことなかったんですけどね(笑)。
ーーどういう風にスキルを身に着けたんですか。
僕の場合は、本からのインプットです。自分で考えても大したことは出てこないだろうという前提があるので、外部から取り入れたほうがいいなと。たくさん本を読んで、ライターとしての型を身につけました。入社した当時は編集経験者がいなかったので、自ら学ぶしかなかったという理由もあります。
ーー主体的に自ら学ぼうとする姿勢は、とてもスタイラーのメンバーらしさを感じます。
そうですね。僕は基本的に天の邪鬼なんですよ。人と同じことをするのが嫌いで(笑)。ただ、ここ数年はそれだけだと子どもっぽいなと思ってきていまして。
最近は同じことをしていても、深さで違いを出せば良いと思うようになってきました。これって、ルーツはファッションの着こなしなんですよね。
ーーというと。
同じ定番のコンバースを履いても、何をあわせるかで着こなしはガラッと変わりますよね。コンバースでない靴でコーディネートを考えるのは簡単です。だけど同じコンバースで着こなしの違いを見出すのって、センスやスキルが必要になります。
ーーたしかにそうですね。
同じことをやっていても、違いを見出して表現していくこと。ショップスタッフさんから学んだこと、かもしれないですね。
ーーここ10年の経験が仕事にも活かされているんですね。
あと仕事に関して大事にしていることは、「同じ仕事でも期待以上の成果を出して応える」ことです。
仕事は主体的なものと受動的なものがあると思うんですが、受動的な仕事、他者に頼まれた仕事ってネガティブな印象がありますよね。
まず、頼まれた仕事にポジティブな面を見出して取り組むことが必要だと思うことと、頼まれた人に期待されたものを返すだけではなくて、高い水準でアッと驚くようなものを返すということを常に意識しています。人と同じことをしたくないですからね。
メディアコンテンツを作る
ーー取り組まれて思い出に残っている企画はありますか。
この90年代ファッション記事「雑誌で振り返る、おじさんたちの90年代ファッション座談会」です。なんてことないおじさんたちに居酒屋でお酒を呑みながら“ユーザー目線”での90年代ファッションを振り返ってもらう企画記事をやりました。
お酒が入っているので、取材も撮影もヘロヘロになりながらやって(笑)。文字起こしもかなり時間がかかって…手間暇かけて作りましたね。
ーーとても面白い企画だと私も思います!
おかげさまでSNSでも反響をいただいて、ツイッター上で「俺ならこう思う」みたいな意見や「またやってください」という要望をいただいたりして、たくさんの意味で思い出深い記事です。
ーー他に手掛けた仕事はありますか?
あと、力をいれた領域はSEOですね。小関から安定的な土台がほしいと言われて、1から勉強して取り組み始めたのですが、1年半たった今、検索流入が増えてとても嬉しいです。
CEO小関の自由度が体現された編集部
ーーメディアの編集方針はありますか。
スタイラーらしくあること、でしょうかね。僕たちメディアの立場だとユーザーさんとショップさん、双方向の情報の交差が見えます。だからこそ感じる本質的な疑問や課題があるので、そのまま受け止めるのではなく、オーナーシップを持って「これってどうなの?」と疑い、考えて出てくる記事企画はスタイラーらしさのあるものだと思っています。
ただニーズやトレンドをそのまま受け取るだけではなく、一度留保して問いを持ち、判断する。そういう編集感覚がメディアチームのメンバーには備わっていますね。
あと、取りあげるテーマとして、FACYが扱う商品領域的にモテを意識してこなかったということがあるかと思います。主体的にファッションを楽しむユーザーさん向けというか。
手をあげたらなんでもできる土壌なんです。あと僕は長くいるメンバーだからこそ、他のチームにもツッコミをいれてしまうことがあります。「うちっぽくなくない?」って。小関の自由度を体現しているとも言えますね。
ーースタイラーらしいカルチャーってメディアチームが担っている部分がありそうですね。
遊びを効かせたいというか、個性的なメンバーを活かしたいですからね。
ーー編集においてもオーナーシップが大切にされているんですね。
「MTGは飲み会」なメディアチームだからこその阿吽の呼吸
ーー個性的なメンバーということですが、メディアチームってどんなメンバーがいるんですか。
マネージャーのyuyaさん、レディースメディア編集長のakinaさん、あとはメンズチームのsyunさん、ryotoさんが社内メンバーであとは外部ライターと学生インターンで合計14人のチームです。
メンズメディアチームに絞ると4人。この人数で毎日4本記事を公開しています。
ーーかなり大所帯ですが、どうやってコミュニケーションを取っていますか。
飲み会、ですね(笑)。大衆居酒屋とカラオケが好きなメンバーが揃っています。スタイラーはIT企業ですが、編集チームは案外アナログ志向で、メモは紙だし、SNSよりオフラインでのコミュニケーション量が多いと思います。
最近は渋谷の『あずき』という居酒屋で、マグロのぶつや焼き鳥とビールを頼みながら、たくさん話しています(笑)。コミュニケーションを重ねてわかりあっているからでしょうか、他のチームからは「阿吽の呼吸だよね」と羨ましがられていますね。
ーーメディアチームに入るには、飲み会好きな要素が必要ということですね(笑)。
どんな方でも受け入れますよ。染まっちゃうかもしれませんけどね(笑)。
メディアのこれから
ーースタイラーにおいてメディアはとても重視されていると思いますが、編集長としてメディアはどうあるべきだと感じていますか。
スタイラーの根幹は『FACY』なので、メディアはその魅力を伝え『FACY』をより使ってもらうためのツールだと思っています。
ユーザーさんとショップスタッフさんの間にあるものなので、中立の立場で公平性を保ちたいです。例えば、ショップスタッフさんがアイテムを紹介してくれる時に出てくる専門用語。ユーザーさんにとって耳慣れないものもあったりします。だから解説記事を用意したり、ユーザーさんとショップスタッフさんとの橋渡し的な役割も担っているな、とも思っています。
ーーこれから、についてはなにか考えがありますか。
今はポータルニュースサイトへの転載が多いので、メディア自体のファンを増やしたいんです。「あのメディア面白いよね」と思ってもらえるような力をつけたいです。
あと『FACY』は有名ブランドももちろん扱っているのですが、多くの人には知られていないブランドもあるんですよ。個性的な個人店のアイテムが、多くの人に届くようなサービスにしたいんです。ショップスタッフさんに魅力を感じたら、知らないお店でも購買意欲が湧いたりするじゃないですか。
ーー溝口さんの原体験を再現するような感じでしょうか。
そうかもしれませんね。ショップスタッフさんを軸に『FACY』での体験の魅力を伝えていきたいなと思っています。
ファッションが好きだからこそ、ショップスタッフさんとのコミュニケーションから服を買う体験の魅力を知っている溝口さん。『FACY』のサービスをより多くの人に届けるためのオウンドメディアチームに入ってみませんか?