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「人材の最適配置によって、日本を元気に。」|GoldmanSachs出身のCOOがMarcheで目指す未来とは

平島宏記
Marche株式会社の取締役COO。大学時代はビズリーチの人事でインターン、レイスグループにて法人営業・学生チームのマネジメント・役員直下新規事業の立ち上げを経験し、バックパックで世界を周遊した後、新卒でゴールドマン・サックス証券に入社。現在Marche株式会社では採用、組織構築、営業、コンサルティング、財務などを広く担当する。

漫画の主人公のような原体験から生まれた思い。人材の最適配置によって日本を元気に。

ーーMarcheにジョインしたきっかけを教えて下さい。

きっかけというと少し違うかもしれませんが、代表の水島に社会人1年目の最初から、絶え間なく「一緒にビジネスしよう!」と誘われ続けたことがきっかけです。水島との出会いは、大学時代に一番お世話になった先輩からの紹介でした。

その時は僕の大学の先輩が数人を引き合わせた会だったのですが、どのメンバーも現在、各方面でバリバリ活躍しているメンバーたちでとても刺激的で楽しかったのを覚えています。その中で水島は自分と考え方や学生時代の経験なども合わせて感覚が近く、その上でビジネスマンとしてのタイプが全く違うという点で惹かれていました。

水島は前職を退職してフリーランスとして働いていて、「こんなビジネスをやろうよ」とか「この営業戦略一緒に練ってよ」と時折連絡をしてきていました。(のちに僕はこれをライン内SEOハックと呼びます)

僕は退職をしたタイミングで漠然と教育事業をやりたいと考えていたので、同じく教育事業を志していた水島と一緒にやろうと決めて、平日の深夜と土日にボランティアでMarcheの立ち上げに参画しました。


ーー人生の中で成し遂げたいこととは何でしょうか?

「人材の最適配置によって、日本を元気に」こんなことを小さい頃から考えています。

そんな思いもあって、大学時代はビズリーチやレイスグループといった人材系の会社で働いていました。特にレイスグループでは「顧問名鑑」という上場企業役員退任者をスタートアップに紹介するというユニークなプロダクトの営業をやらせていただき、その後は「創業者名鑑」というプロ経営者のみに絞ったスピンオフの新規事業の立ち上げを同社の役員たちと行っていました。


ーー 「人材の最適配置によって、日本を元気に」と考えたきっかけを教えて下さい。

中学生の時に部活の環境を大きく変えたことがきっかけです。当時僕の所属していたテニス部は、男子の人数が少なくて団体戦に出られない、練習環境が整っていないという状況でした。まずは団体戦に出場できるようになんとか人数を集めようと、それぞれの部活でいわゆる”浮いている部員”たちをスカウトしてきて部員数を集めました。

その後、強豪校の練習メニューを仕入れてきたり、壁打ち場で知り合った方にコーチをお願いしたり、大学生の練習に頼み込んで参加させていただいたりしました。必死に動き回る僕たちに周りの方がどんどん協力的になり、扉が開いていく実感がありました。その時他の部活でやる気が全くなく、部活をサボっていたメンバーたちがテニス部ではイキイキと意欲的に活躍する姿をみて、学校内GDPが上がっているなぁと実感したのを覚えています。

自分らしくいられる場所を作ること、頑張れる場所に身を置くことの素晴らしさと可能性を強く感じました。あの時の興奮が今でも忘れられず、それが「人材の最適配置によって、日本を元気に」という思いに繋がっています。



中学時代から読み始めたビジネス書。ビズリーチでインターンをした理由

ーーまるで漫画の主人公みたいな面白いエピソードですね。学生とは思えない行動力ですが、そんな平島さんはどのように育ったのでしょうか?

経営者の父から、常に考えて行動すること、地力をつけることを言い聞かされて育ちました。経営者になろうと思ったのは小学生ぐらいの時で、父を見ながらおぼろげに「自分で自分の会社をやるんだろうな」と思っていました。

そんな中で中学生になり、自分の中から溢れるエネルギーをどこに向けていいか分からない時期がありました。学校で問題を起こして親が呼び出されることが何度もありましたが、父が「これはお前が企画したのか?常に発案する側でいろ。人の考えたことに流されてやるダサい男になるなよ」と言っていたことは印象的でした。

父は中学生の僕にビジネス書を課題図書として与えるような人でした。僕は読書が大嫌いだったのですが、僕に1冊を選ぶために、毎回父自身が10冊以上本を読んでいることを知っていたので中学生ながらに読んでいました。

そんな父は「自分でやる経験が一番いい、人から聞く経験は二番目、本で読んで学べるのはそれらに比べたらほんの少ししかない。でも自分で経験できる数は限られているし、会える人もどこかで限界はある、でも本は意欲があれば無限に読める。本から沢山学ぶといい。」と言ってくれたことがあります。変わった父親ではありますが、間違いなく自分の人生に大きな影響を与えてくれました。


ーーすごいお父さんですね、中学生の頃からビジネス書を読まれていたのですか。その中でも印象的だった本はありますか?

ビジョナル株式会社(当時:ビズリーチ株式会社)の南 壮一郎さんの「絶対ブレない「軸」のつくり方」という本が自分の人生を大きく変えました。

その本の中で南さんがメジャーリーグの全球団のGMに手紙を送ったり、アポ無しでエージェントに会いに行ったりするエピソードがあり、「会いたいと思った人に会いに行かない理由なんてないんだ、行動しなくちゃ」と自分の行動を改めました。そして同時に南さんに会ってみたいと思いました。

大学生の時に短期でしたがビズリーチでインターンさせていただいたのも、きっかけはこの本を読んだことでした。当時ビズリーチでは長期インターンは一人も雇っておらず、就活用のインターンに2年生の時に応募して会おうとしたのですが、選考の段階で「君2年生じゃん!駄目だよ、これは就活生用のイベントなんだから。また来年来てよ」とあえなく失敗(笑)

その翌年に初の受け入れ型実践インターンという募集があるのを見て応募して無事会うことができました。



ーーお話を聞いているとビズリーチもレイスグループも平島さんにぴったりの会社だったのだなと感じました。ゴールドマン・サックスに就職されたのは何故なのでしょうか?

どちらの会社にもお世話になりましたし、とても素敵な会社でした。ただその時点では「自分で会社をやってみたい、そのために何ができるんだろう」と悩んでおり、財務の力を身につけられるチャンスに新卒の切符を使おうかなと漠然と考えました。

当時、レイスグループからも内定をもらっていたのですが、同社の社長から「いつでもうちに戻ってきていいから、GSで3年くらい遊んできな。面白いやつがいるかもしれないよ」と言ってもらえたことが自分の背中を押してくれました。


ーーすてきな社長さんですね。新卒で入ったゴールドマン・サックスでのお仕事は、平島さんにとっては成長のステップだったのでしょうか?

実は入社するまではちょっと学んだら出ようと思っていましたし、採用面接でも「3年経ったら起業する予定です」と豪語していました。(それでも「3年後も魅力的な会社でい続けるよ」といってくれたGS社員の方々は器がでかい、、!!)

そんな僕を変えた飲み会が大学4年生の時。レイスでの飲み会で尊敬する先輩が新卒社員に対して「君たちは新卒でこの会社に入って、この事業は自分の成長のステップだと思っているかもしれない。でも、僕がこの会社に入る時はこの事業しかなかった。一生この事業を売る覚悟で入った。だから売れるんだよ、腰掛けだと思ってるんだったら売れないよ。」と言っているのを聞いて唖然。

この言葉は今の自分に向かって言っている言葉だ。と感じました。今のまま就職しても自分は何にもならない。と突然の焦りを感じた僕は、3年しかいないかもしれない、でも一生いるつもりで入ろうと決心して学生時代の残りの時間をバックパックで海外周遊しながら英語の勉強をしていました。

結果的に外国人ばかりのチームに配属されて苦戦はしたのですが、ゴールドマンで過ごした3年間はあっという間でした。周りの方はみんな優しい人ばかりで居心地はとても良かったです。財務、会計や金利の知識、ファンドの知識などたくさんの学びはありましたが仕事に対する姿勢やプロフェッショナルとしての意識に新卒で触れられたのは本当に良かったと感じています。


ーー元々ご自身で会社を始める予定だった中で、Marcheを選んだのは何故だったのでしょうか?また不安などはありましたか?

創業代表の水島が、「自分の会社じゃなくていい、2人の会社をやりたい」と覚悟を決めて誘ってくれたことが大きかったと思います。3年以上隣で見ていたので、その決断をする重みが大きく心を動かしてくれました。

もちろん、自分1人で会社をやるメリットとして会社の意思決定をすべて自分でできることもあるかと思いますが、目指す方向が同じなら2人でやれば、そんなに変わらない、2人でやったほうが単純に早い。早く面白い景色が見れる、と安直に決断。

水島のほうが早く会社を始めていたこともあり、はじめの1ヶ月くらいは、背中を合わせて2人でやるという中で、自分が足を引っ張ってしまうんじゃないか。と不安になることはありました。ただそんな僕に水島は「6ヶ月間は何も言わないからもがいていいよ。」と言ってくれたことが大きな安心になりました。

今でも、「期待に応えなきゃ」とは思うけど、そのプレッシャーがあるから頑張れる。と思っています。

お互い持つ得意な分野が違うからこそ、お互いにいい意味でのプレッシャーは感じていると思います。





ーーMarcheがマーケティングのドメインでビジネスを展開するのは何故でしょうか?

いいサービスなのにキチンと世の中に届いていないサービスは沢山あります。マーケティングはこの現状を是正する大きな可能性を秘めていると思っています。

そう思うきっかけは水島のお母さんが行っているハンドメイドビジネスからでした。手芸が得意なお母さんがやっている事業で、使わなくなった学生時代の制服を小さくリメイクしてぬいぐるみに着せて売るというビジネスなんですが、メルカリで月に1件しか売れなかったハンドメイドの商品がマーケティングの力で月に100件以上売れるようになりました。本当は欲しかった99人がサービスを受け取れた。100人に喜ばれるはずだった手芸がキチンとお客さんに届いている。ボランティアでお手伝いをしたこの事業だったのですが、マーケティングの可能性、届ける力を改めて感じるきっかけになりました。

将来的に水島と一緒にやりたいと思っているビジネスは教育ドメインにあります。教育は、僕の考える「人材の最適配置によって、日本を元気に」というビジョンの中で子供の才能や志向性、適性の最適配置は未来を豊かにすると信じているからです。

自己資本で本当に自分たちのやりたい教育をやるために、地に足のついたビジネスをきちんと伸ばしたい。というのも我々の強い思いもあります。

うちで働いてくれる人たちの結婚や出産や育児、家庭の状況といった人生のステージの変化にキチンと適応しつつ、各々のキャリアの中でやりたいことを実現できる場を提供したいと本気で思っています。そのためにもメインの収益事業を確立することが必要であると考えています。


ーーMarcheに入社して感じたことを教えて下さい。

自分が大好きなメンバーたちと好きなだけ働けることが本当に楽しいです。文化祭や部活動、みんなで一丸となってがむしゃらになって働いている時のワクワク感に近い感覚を毎日味わえています。

みんなで雪玉を転がしているようなチームワークのダイナミクスと加速感を味わえるのはこのフェーズのスタートアップの醍醐味だなぁと嬉しく思います。

メンバーが少しずつ増えてプレッシャーもたくさんありますが信じてくれる人たちがいるから頑張れていると本当に思います。たくさんの人への感謝を忘れずに、これからもみんなが自分らしくいられる会社を作っていきます。

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