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「技術を究めたい」から「技術で事業をドライブさせていきたい」へ。AI技術開発部・老木のキャリアデザイン

※掲載内容は2024年10月時点の情報です。

タクシーアプリ『GO』のAI予約システムや配車ロジックなどを手がけてきたデータアナリストの老木。

現在はAI技術開発部・アルゴリズムグループにて、GOが保有するデータを活用し、事業を前進させるキーマンのひとりだ。

彼の経歴を振り返ると、ファーストキャリアはSIer。そしてメーカーを経て、DeNAへ入社し、2024年4月にGOへ転籍している。

今回の『キャリアデザインを聞く』では、さまざまな分野で経験を積んできた老木が、なぜGOを選んだのか、彼の心の変化を辿ります。

老木 智章
AI技術開発部・アルゴリズムグループ
日鉄ソリューションズにて金融システムや画像認識システムの開発に携わる。5年ほどの勤務を経て、三菱電機へ。強化学習論文の作成などを経験したのち、DeNAへ。その後出向を経て、2024年4月にGOへ転籍。

目次

  1. 「技術で勝負したい」と選んだSIerで抱いた違和感
  2. 「実世界で役立つものをつくりたい」という想いに気づく
  3. 扱えるデータの多さにワクワクする日々
  4. 自分の技術で事業をドライブさせる醍醐味を

「技術で勝負したい」と選んだSIerで抱いた違和感

老木 智章(おいき ともあき)
AI技術開発部・アルゴリズムグループ 

ーまず、就職活動中の思い出を教えてください。

老木:自分で言うのははばかられますが、かなり意識の低い就活生だったと思います(笑)。

新卒でSIerへ入社したのですが、先輩が働いていたことがきっかけでインターンシップに参加して、雰囲気が良かったので本選考にも進みました。

老木:入社の決め手として挙げるとするなら「技術で勝負したい」という気持ちを叶えてくれそうな点でしょうか。当時は、「エンジニアにはコミュニケーション力を!」みたいな言い回しが流行った時代ですが、個人としては「コミュニケーション力云々よりも技術で生きていきたい」という気持ちが強かったんです。

中学ぐらいからプログラミングを始めていたので、「技術こそ自分の優位性」という自負もあり決断しました。まぁ、他を不採用になったというのもあるんですが(笑)。

ー入社後、印象に残っている出来事はありますか?

老木:5年間ほど働いたのですが、最も達成感を味わえたのは3年目の頃にディープラーニングの部署を立ち上げたことです。

上司と二人で立ち上げたのですが、少しずつ人数も増えていって、マネタイズもできるようになって……それまでは各プロジェクトの火消し役的な立ち回りが多かったのですが、どうにかして状況を脱したくて、同じ境遇の仲間と「一緒に火消し役から卒業しよう」と。

僕が大学で機械学習を学んでいたこともあって、ディープラーニングの部署を立ち上げて、クライアントを見つけて……少しずつ結果が出てきたので、めでたく火消し役の任を降りることができました。

ー転職を決断した理由を教えてください。

老木:SIerと自分のやりたいことが合っていないように感じたからです。

SIerは大人数で大きなプロジェクトに向き合えることに強みがありますが、自分が立ち上げたディープラーニングのプロジェクトは人数を必要とせず、少数の詳しい人だけが決して大きくないプロジェクトに向き合っていました。「SIerでディープラーニングをやる」ということ自体が当時は現実的ではなかったことを実感したため、転職を決意しました。

「実世界で役立つものをつくりたい」という想いに気づく

ーなぜ新天地がメーカーだったのでしょう?

老木:データを保有していると思ったからです。SIerでは、自社にデータがありません。絶対にどこかの取引先と組まなければならないし、そもそもデータをもらうこと自体が非常に手間だったので。自社で扱えるデータを持っているメーカーへ転職しました。

ーメーカーでの仕事内容を教えてください。

老木:ロボットアームの制御などを担当する部署で強化学習の研究をしていました。

配属当初は、社内からの依頼を受けて業務をしていくような部署だったのですが、社内のコンテストで強化学習を扱ったところ、とても高いスコアが出て。「じゃあ、論文も書いてよ」という話になって、専門性の高い仕事ができるようになっていきました。

ー1年半ほどでの退職にはどういう理由があったのでしょうか?

老木:メーカーで働くことが自分に向いていないと感じたからです。メーカーは歴史もあるのである種の安定性はありましたが、ルールが多く進めづらい仕事もありました。また、論文を書いたけれど、自分だけの力ではないし、「書けた! 嬉しい!」といった達成感も十分には感じることができませんでした。

そもそも研究していたのが社会に実装されるような技術ではなかったので。「やはり実世界で役立つものをつくりたい」と再度転職を決意しました。

ーなぜDeNAを選んだのでしょうか?

老木:機械学習に強い人が多く、かつ伸び伸び働けそうな環境を探していたからです。

特に事業についてのこだわりはなかったですね。今までいろいろやってきて、何をやるにしてもそれなりに楽しめるタイプという自覚はあったので(笑)。

選考で「実はタクシーに関する事業への配属を考えている」と言われて、そこまでタクシーを利用した経験もないし、クルマにもそんなに興味はなかったのですが、「やったら楽しめるんじゃないか」と入社を決めました。

扱えるデータの多さにワクワクする日々

ーDeNA入社後はいかがでしたか?

老木:入社後も特にギャップを感じることなくすぐに楽しめました。できることから着手していって、知識が身についたらどんどん楽しくなっていくという。

特に印象的だったのが、保有しているデータの多さです。やはり機械学習系の人間としては、データがたくさんあることはワクワクします。前職と比べても、サッとモデルをつくれるような雰囲気だったので、非常にポジティブな気持ちで働けていました。

難しさとしては、季節の影響を受けることです。入社当初はディープラーニングでの画像認識を担当しており、あまり季節要因の影響を受けることはなかったのですが、特に配車ロジックは、未来予測的なニュアンスが増えてきているので……。

ー2024年4月にDeNAからGOへの転籍が決まりました。所属や役割が明確になったことで心境の変化はありましたか?

老木:今まで以上に、自分の仕事が世の中の役に立っている手応えを感じるようになりました。

日本版ライドシェアなどの話題性のあるサービスに関わっているので、社会が新しい方向へ進むように働きかけているような実感を得られます。

また、GOは自社サービス且つベンチャーフェーズの会社なので、立案から実行までのスパンが短いし、結果もすぐわかる。すぐに改善にも回せるので、アナリストとしておすすめな環境です。個人的にはSIer時代のような他社データの分析よりも楽しいです。(笑)。

ーSIer、メーカーとキャリアを歩んできたからこその説得力がありますね。GOのカルチャーはいかがでしょうか?

老木:データに対して一定のリスペクトを持ってくれている印象を受けます。「こういうデータが出ているのでこうしたらどうでしょう?」という話を、キャリアやロールに関係なく耳を傾けてくれる。データを媒体にコミュニケーションできる組織です。

ー逆に課題に感じていることはありますか?

老木:対外発表の機会が減ったことですね。バックグラウンドがエンジニアで、プレゼンが好きなので対外的に発表する機会が非常に多かったのですが、アナリストになってからは減ってしまって。

フラストレーションを解消するために、社内で勝手に人を集めて勉強会を開催しています。「どうしてもしなきゃいけない」というものでないことは理解しているんですけど、「やっぱりアウトプットする機会は欲しいな」という気持ちが勝ってしまっていますね(笑)。

自分の技術で事業をドライブさせる醍醐味を

ー現在の仕事で、これまでの経験が活きている点はありますか?

老木:SIerで培ったマネジメントスキルは活きている印象があります。会議や資料の準備をしたり、段取りを考えたり……あと、一緒に働いていた人が企画大好き人間だったので、彼から学んだ企画力を活かして、GOでも「こういうことをやりませんか?」という話はできている気がします。

ーGOで働く魅力についても改めて教えてください。

老木:まず、メンバーがみんな性格がいいですよね。穏やかだし、相談もしやすいし、すごく働きやすい環境です。

個人的には、子どもがまだ小さいので、ワークフロムホームなのは非常にありがたいです。43インチぐらいのディスプレイを用意して、理想の働き方を実現しています。

データアナリストとしては、まず扱えるデータがたくさんあって、意見が尊重されて、かつやりたいことができている感覚はあります。僕らのチームでは「こういうことをやりたい」と言ったら業務と直接的な関連性がなくても「やってみたら?」となるし。チームによる部分はありますが、手を挙げれば割と何でもできる環境です。

組織としても縦割りというよりもオープンで、「交換留学」という制度もあるので、エンジニアであれば他の技術習得にもどんどんチャレンジしていけます。

ーどんな人と一緒に働きたいですか?

老木:テックドリブンというよりも、目的ドリブンな方ですね。かつての自分のように「技術で勝負」というよりは、「自分の技術で事業をドライブさせていきたい」という人です。

特に僕が所属しているアルゴリズムグループは、分析したり、仕組みをつくったりしている部署なので、最新の技術へのこだわりはそこまで強くない。

分析した結果をロジックに反映させていくような仕事がほとんどなので、「機械学習をやりたい」というよりも、「自分の持っているあらゆる手段を使って事業を育てていきたい」というタイプの方がフィットするのではないでしょうか。

ー「機械学習だけをやりたい」という方にはおすすめしない、と?

老木:断言はしませんが、もし自分が本気でやりたいなら機械学習が製品のコアになっている会社へ行くかもしれませんね。

いずれにしても、会社における製品の立ち位置みたいなところはチェックしておくことをおすすめします。

ひとつだけ明らかなのは、事業の役に立てるととても働きやすいということです。事業性があると話も聞いてもらいやすいし、協力や承認も得られやすい。僕も若い頃は「金儲けにこだわるのはダサい」と思っていたのですが、ビジネスにつながっている方がインパクトの大きいことができるし、自分自身の技術力向上にもつながるので。

ー逆の言い方をすれば、若いうちは自分の専門性などは気にしなくてもいいということですか?

老木:専門性にこだわりすぎるともったいないかもしれません。

一社目で働いていたとき、ある日プログラミングほぼ未経験者が入社してきて、当初は「何で採用したんだ?」と思っていたのですが、経験者の同期を追い越す勢いでみるみる成長していって。モチベーションさえあれば、専門性は挽回できる。もし大学の研究テーマがアピールしにくいことだったとしても気にせずに飛び込んでほしいですね。成長で、いくらでも巻き返せると思います。


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