※掲載内容は、2023年11月時点の情報です。
2023年8〜9月、GO株式会社にこれまでIT企業やスタートアップでCTOやテックリードなどを歴任してきた2人のメンバーが入社しました。
2人が就いたのは、それぞれシニアエンジニア、フルスタックエンジニアとこれまでGOにはなかった新しいポジション。2人は今後どのような役割を担っていくのでしょうか。
今回は取締役 開発本部長・恵良和隆と共に、シニアエンジニア・工藤陽とフルスタックエンジニア・伊藤伸裕が登場。新しいポジションが生まれた経緯を明かすとともに、前例のないミッションに挑む2人の覚悟に迫ります。
工藤 陽(くどう あきら)開発本部 ソフトウェア開発統括部 SIerでの金融系システムのプロジェクトマネージャ、動画制作プラットフォーム開発企業の取締役/CTO、人材系企業での新規事業技術責任者、ヘルスケア領域の取締役/CTOを歴任。2023年8月にGOへシニアエンジニアとして入社。
伊藤 伸裕(いとう のぶひろ)開発本部 ソフトウェア開発統括部 2006年、ネットワーク監視システム・SNSサイトの開発でエンジニアとしてのキャリアをスタート。2010年からアプリ開発を手がける。その後、モバイルアプリ開発会社で、iOSエンジニアとして経験を積みつつ、バックエンド開発やテックリード、エンジニアのマネジメントにもチャレンジ。2023年9月にGOへフルスタックエンジニアとして入社。
恵良 和隆(えら かずたか)取締役 開発本部長 新卒でフロム・ソフトウェアに入社、家庭用ゲーム機向けゲームソフトやライブラリの開発を担当。執行役員兼技術部部長を経験したのち、2013年10月ディー・エヌ・エーへ。ゲーム開発事業にてアプリのネイティブ対応と組織の技術力向上を推進し、オートモーティブ事業本部へ異動。2020年4月、GOの前身となるMobility Technologiesへ転籍し、2021年6月に取締役に就任。コードを書く取締役としてGOのサーバー開発にもフルコミット中。
目次
- タクシーアプリ『GO』だけじゃない。すべての事業を加速させるために
- “初めてのポジション”。不安がないといえば嘘になる
- 入社して実感した自分のポジションの必要性
- 組織や仕事のあり方をアップデートするきっかけに
タクシーアプリ『GO』だけじゃない。すべての事業を加速させるために
ーシニアエンジニア、フルスタックエンジニアというポジションが生まれた経緯を教えてください。
恵良 和隆(取締役 開発本部長)
恵良:私たちが事業を進めていくにつれて、GOのサービスを構成するプロダクト(モバイルアプリやマイクロサービス、Webアプリなど)は増えてきています。一定数を超え、すべてを網羅的に見た上でやるべきことを理解して動ける役割が必要になってきていました。
たとえば、工藤さんに任せている社員のタクシー利用の一元管理を実現する法人向けサービス『GO BUSINESS』は、タクシーアプリ『GO』やその周辺技術との関連性が密接です。
現在、開発自体は業務委託メンバーに任せているのですが、全体の取りまとめや最終調整は社員がやるべき。「GOの一要素だけを見ていればOK」という次元ではないからこそ、CTOのキャリアもあり、オーナーシップを持って意思決定した経験がある工藤さんを迎えました。
伊藤さんに関しては、特定の領域を任せるというよりも、様々なプロダクトを横断して意思決定をしていく役割を期待しています。組織が大きくなると、役割分担も進みますが、それぞれの守備範囲のみにフォーカスしてしまい、新機能を実装しようとしても影響範囲や開発の規模感がイメージできなくなってしまう。だからこそ、サーバやアプリなどに幅広く精通していて、足りないピースを見極めて「これが必要だ」と発言できる伊藤さんを採用しました。
ー工藤さん、伊藤さんはなぜGOへ。
工藤 陽(開発本部 ソフトウェア開発統括部)
工藤:理由は2つあります。
1つは、今後の事業展開プランに魅力を感じたからです。仕事を通じて世の中に貢献すること、それを実感できることが私のモチベーションなので、“今”だけではなく“未来”を考えている会社で働きたいと思っていたところ、GOに出会いました。
私自身、子どもが産まれて、移動に関する課題に直面する機会が増えてきたこともあって、『GO』の必要性は身をもって実感していました。そのうえで、次世代AIドラレコサービス『DRIVE CHART』や、脱炭素サービス『GX』など、“移動”という文脈で世の中に貢献していける可能性の広がりを感じられたことが決め手になりましたね。
もう1つは、会社の規模です。これまでは比較的規模の小さい組織でCTOを経験してきましたが、よりステップアップしていくためには今後拡大していく会社へ飛び込む必要性があると思っていました。組織の規模感としてもちょうどよかったですね。
伊藤:僕も2つ理由があります。
1つは、自分の知的好奇心を満たせそうと感じたから。昔から、社会の裏側に興味があり、社会科見学系のTV番組が大好きで。エンジニアのキャリアをスタートしたときも受託開発がメインだったため、いろいろな会社の裏側を知れたことは大きなやりがいでした。
もう1つは自分の強みについてです。僕自身はモバイルアプリエンジニアとして経験を積んできたつもりでしたが、世の中のハイプレイヤーには叶わないような気がしていて。
「自分の強みは何だろう?」と考えたときに、キャリアのなかではWebエンジニアやバックエンドエンジニアの経験もあったので、「アプリからインフラまで全部見れるエンジニアになろう」と決意しました。フルスタックで全体を見ながら調整していくというGOのポジションは非常に魅力的でした。
“初めてのポジション”。不安がないといえば嘘になる
ーGOにとっても初めてのポジションです。入社にあたって不安はありませんでしたか。
伊藤 伸裕(開発本部 ソフトウェア開発統括部)
伊藤:不安はゼロではありませんでした。初めてのポジションだったこともあって、やるべきことが明確に決まっておらず「何でもやってください。何でもできますよ」という印象だったので、「もしかしたら自分ひとりでやらなければならなくなるのでは……」と。
選考で正直に自分の気持ちを伝えたところ「そういう状況であることは理解しているし、周りもサポートするので大丈夫ですよ」と言われて……「じゃあ、チャレンジしてみようかな」と思いました。
工藤:そうですね。同じように不安な気持ちはありましたが「あなたの裁量に任せますよ」と言われたのを覚えています。これまで私が経験してきた会社とは規模も扱う技術も異なりますが、「今までの経験に倣って、CTOのようにふるまってもらってもいいですよ」と言われ、安心したというか。何か思い切ったチャレンジが求められているのではなく、今までの延長線上でトライできそうな印象を受けました。
ー過度なプレッシャーを与えないために会社として工夫した点もあるのでしょうか。
恵良:「今まで着手できていなかった部分を任せるので、マイナスになることはない」ということは伝えていました。我々としてもお任せしたいことが色々ありながら明確に定まっていたわけではなかったので、一緒に模索していくようなイメージを持っていることもお話しして。
全社的にも同様ではあるのですが、それぞれの裁量に委ねている部分に関しては特におふたりは「どこまでやっていいの?」と気にしないほうが働きやすいと思うので、あえて担当範囲を明確にしています。自分の権限などを気にせずにやれることをどんどんやって、ほかのメンバーが取りこぼしそうな部分を拾っていくような活躍に期待しています。
ー選考段階で印象に残っているエピソードはありますか。
工藤:繰り返しになりますが、やはり私は事業の話が一番面白かったです。最初に恵良さんとカジュアル面談したタイミングでは“タクシーアプリの会社”ぐらいの興味だったのですが、今後の展開についていろいろな話が聞けて「そんなことまで考えているんだ」「それは面白そう」と感じました。
恵良:別に秘密にしているわけではないんですけどね(笑)。一応コーポレートサイトのムービーで将来のイメージについては発信しているのですが、それを見ただけで完全に理解できるものではないので、カジュアル面談で丁寧に説明するようにしています。
伊藤:僕が選考中で印象に残っているのは、組織化、仕組み化への意志を感じたことです。僕が今まで働いていた組織は開発に必要なものがすべて揃っていないこともありましたし、制限がかかっているようなこともありました。
でも、GOはきちんと組織として解決しようとしている。「まだまだ課題はあるけど、頑張って組織化、仕組み化を進めようとしています」と正直に説明してもらえたことで、会社として健全性を感じました。
入社して実感した自分のポジションの必要性
ー入社してみていかがですか。
工藤:入社後すぐにミッションの難易度の高さを実感しました(笑)。
組織の規模的に簡単に全体を見渡せるようにはなれないとは思っていましたが、想像以上でしたね。今は、『GO BUSINESS』と組織を見ていますが、まだまだやらなきゃいけないことも、関連するシステムやサービスも、わからないこともたくさんある状況なので、やりがいは多そうです。この状況を抜け出すためにはもうひとつ視座を高くしなければいけないので、自分の中で現状を踏まえたロードマップをつくって具体的なプランを考えていきたいと思います。
伊藤:想像以上に大きなシステムが広がっており「すごいところに来てしまったな」というのが第一印象でした。いきなり全ては難しくても、できる範囲から少しずつでも足元を固めていかなければと思っています。今は主にスマートフォンアプリのチームにいながらバックエンドとコミュニケーションをとりつつ「こうした方がいいんじゃないですか?」といったやり取りをしています。早いうちにスマートフォンアプリエンジニアに留まらない動きをしていきたいですね。
ー入社後にギャップを感じたことはありましたか。
伊藤:ギャップというほどではありませんが、フルリモートということもあってチーム内・チーム外ともに会話は少なくなりがちな印象です。僕自身、入社からまもないこともあって、まだ開発以外のメンバーとは接点も少ないので、部門を超えたつながりをつくる難しさはあります。
ワーケーションなどを通じて仕組み的に解決しようとしてますが、普段からもうちょっと会話の機会を増やして、ゆるやかにつながっていきたいですね。
工藤:私は2つあります。
1つ目は、思ったより忙しいということ。正直、もう少しじっくり立ち上がっていくかと思っていましたが、割と垂直でした(笑)。オンボーディングもそこそこに、半月後ぐらいには最前線で戦っていた気がします。でも、みなさん同じような感じで。思ったよりも案件数は多いし、着手できていないところもあるので、ややカオスっぽい感じはありました。
もう1つは、思ったよりも属人化しているということ。特定の人に聞かないとわからないことが多くあります。何かしようと思ったら、まずは知っている人を探すところから始めることが多いですね。身近な人に聞けば何かしらのレスポンスがあると思っていたのですが、そこからさらに誰かに聞かないとわからないような状況もあって。
「確かに全体を見る人が必要だ」と身をもって自分のポジションの必要性を感じました。
ー会社的にこういった課題を解消するために取り組んでいることはありますか。
恵良:属人化に対してはある程度は仕方ないと思っているものの、わからないときにサッと調べられるようにはしておきたいですね。“知っている人がいないこと”が自分で解決できない理由になるのは、辛いじゃないですか。
たとえばバックエンドチームの半分以上は統合後入社した人たちばかりで、実装の背景を知らない人がほとんどです。だから、背景は共有しつつ、並行して「改善したいなら、変えちゃおう」という雰囲気づくりをどんどんやっていきたい。昔誰かがつくったプロダクトを後生大事にするのではなく、自分たちのプロダクトとしてどんどん変えていくしかないと思います。
そうすると自ずとプロダクトに関する把握も進み、「誰に聞けばいいかわからない」といったことは起きないのではないでしょうか。
伊藤:エンジニアがスキルアップのために、2週間を新たな知識や技術の習得に充てる『Engineer Challenge Week』がいい練習になっていますよね。参加しているメンバーは実施期間中なるべく集中させたいので、担当領域に関する問い合わせがあったら、参加していないメンバーが回答していますから。
恵良:結局大事なのは、それぞれがオーナーシップのレベル感を上げていくことです。オーナーシップが一定ラインを越えれば、自分で行動できるようになりますからね。
組織や仕事のあり方をアップデートするきっかけに
ー工藤さん、伊藤さんの活躍は、GOのこれからにおいてどういう意味を持っているのでしょうか。
恵良:中長期的に考えたときの組織づくり、仕事のあり方をアップデートするきっかけになると思っています。
おふたりを迎えるからには、現状がベストとも思っていないわけです。これからの過程は大変だし、苦労をかけるとは思いますが、課題感を共有してもらいながらきちんとフィードバックして、組織に反映させていきたい。
結果として、組織全体のパフォーマンス最大化を目指していきたいですね。いろいろな役割、いろいろな働き方のメンバーがいるべきなのですが、目指すゴールは事業の成長であることに変わりはないので。そのために幅広い視点で見れるふたりの存在が重要になってきています。
ー今後のミッションについて教えてください。
工藤:やれることをやっていく。そして、できる・できないは一旦置いておいて、とりあえずやってみて自分の守備範囲を広げていきたいと考えています。
日々忙しいので、つい目の前のタスクだけで一週間が過ぎてしまう状況になりがちなのですが、開発以外のチームのミーティングにもなるべく出席して、視座を高く、視野を広くしていきたい。そうすれば、GOのミッション「移動で人を幸せに。」の実現にもつながっていくはずです。
入社して日数が経っていないのでまずは足元で地道に活動を続け、いつ別のチームから声がかかってもいいように足がかりをつくっていきたいと思います。
正直、会社から期待されている役割を果たせるかは不透明です。でも、やれば必ず自分は成長できるはずなので、ワクワクの気持ちのほうが大きいです。そして成果が出れば一番面白いですからね。コードを書くのとはまた違った貢献の仕方にやりがいを感じています。
伊藤:繰り返しになりますが、入社以降「ただのエンジニアに閉じないように」と自分に言い聞かせています。複数の領域に関わる取り組みやシステム全体を見た作業の際の潤滑油的な役割を果たしていきたい。今は「アプリをつくっています」と自己紹介していますが、早く「システム全体をつくっています」と言えるように、少しでも早く自分の領域を増やしていきたいですね。
僕はやはりものづくりが好きなので。何か課題に直面したときに領域に縛られずに解決方法を提示していける組織にしていきたいですね。
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