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「メタバース=ゲーム」の発想はもったいない!メタバースのさまざまな活用ケースをチェック

世界各国の企業からも注目を浴びている「メタバース」。ネット業界の間ではもはや定番の言葉となっており、その活用範囲はここ数年で著しく広がっています。

一方、「メタバース=ゲーム」という発想を持っている人も多く、実際に活用されているケースに目を向けられていない現実があることも知っておかなければいけません。そこで今回は、ゲーム以外でのメタバース活用事例にスポットを当ててご紹介します。

メタバースはゲームのためだけの技術ではない


「メタバース」とは、超越という意味を持つ「meta」と宇宙という意味を持つ「verse」という言葉をつなげてできた造語。オンライン上の仮想空間のことを指し、創作の世界では頻繁に登場する言葉です。

メタバースという言葉は、1992年にアメリカの作家ニール・スティーヴンスンが書いた小説、「スノウ・クラッシュ」にて初めて使われたとされています。ここ最近活用されはじめた技術のように感じている人も多いでしょうが、その歴史は日本国内でも1997年よりスタートしており、2022年時点ですでに20年を超える歴史を持っているのです。

メタバースを活用した日本で最初のサービスは、1997年にNTTデータ通信が開設した女性向けのバーチャルモールサービス「まちこ」。その後発表されたLinden Lab社の「セカンドライフ」や、サイバーエージェント社の「アメーバピグ」といったメタバースサービスは2022年5月現在も継続しており、メタバースの発展のきっかけとなりました。

現在はさまざまなジャンルに活用されるようになったメタバースですが、中でも強い印象を残しているのがゲーム業界。家庭用ゲーム機器の性能が飛躍的に向上したことにより、CG技術を用いた表現の幅が広がったことで、他のジャンルよりもメタバースが浸透しやすい環境にあったことが要因だと考えられます。

「フォートナイト」や「あつまれどうぶつの森」など、メタバースを活用したゲームが大ヒットを記録したことにより、人々にもメタバースという言葉が浸透。ゲームやエンタメ業界でのメタバース活用が目立つことから、「メタバース=ゲーム」だと認識する人も少なくありません。

ゲーム業界において積極的活用されているメタバースですが、今はゲームの域を抜けてさまざまな場面で活用されるようになりました。仮想空間における経済活動が現実世界にも影響を与えられるような技術が開発されたことから、今では「メタバース=新しい経済活動の場」という認識に。仮想空間内でのライブの開催やビジネスにおける会議の場としてなど、さまざまな場面でメタバースが活用されるようになったことから、世界の企業もメタバースを活用した新たなビジネスに力を入れています。

メタバースを会議室で活用するケース


新型コロナウイルスの流行により、コロナ禍に突入した世界各国。外出が制限される機会も増え、オフィスへ出社できなくなったことから対面での会議の開催も難しくなっていきました。

テレワークという言葉が浸透すると同時に、会議の形にも変化が。コロナ禍初期の頃は、Zoomなどを活用したビデオ会議が主流でしたが、画面上で顔が見られるといってもコミュニケーションを取る上で限界があります。そこで注目されたのが、より相手の存在を近くに感じることができるメタバース会議。アバター同士が仮想空間にある同じ部屋に集まることで、ビデオ会議よりもリアルに近い感覚でお互いにコミュニケーションが取れることから、新たな会議ツールとして浸透していったのです。

こういった社会の流れを見て、Meta社はメタバース会議用アプリ「Horizon Workrooms」をリリースしました。Horizon Workroomsでは、アバターとしてバーチャル世界内に用意された会議室へ集合。それぞれ会話ができるのはもちろん、ExcelやWordなどのファイルも展開できることから、ビデオ会議よりもさらに密なやりとりが可能となりました。

メタバースは、新しいビジネスツールの一つとして活用され、今やなくてはならない存在となっています。

アバターによる接客で雇用創出にも貢献


メタバースの活用シーンが広がったことにより、アバターによる接客という新たな仕事が生まれました。メタバース内で開催されるイベント内での案内スタッフや、メタバース内のショップスタッフなど、アバターという立場での新しい働き方に対する求人が増え始めています。

メタバースの発展による新たな雇用機会の創出は、今日本が抱える人手不足という大きな課題を解決するためにも非常に有意義なこと。アバターでの接客であれば、障がいがあったり事情があって外出が困難な人でも、パソコンの操作さえできれば仕事に従事することができます。また、現実世界での仕事のように住んでいる場所に囚われることもないため、どこに住んでいようともさまざまな仕事のチャンスにトライできるのです。

アバター接客の求人に特化したサイト「メタジョブ」の代表である星野尚広氏によると、現実世界での接客業の1%がオンライン化されれば、幅広い働き方による1000億円規模の市場が創出できるとのこと。アバター接客は、メタバース内に顧客として参加する人にも、自分に合う働き方を探している人にも、さまざまな可能性を与えてくれます。

ブロックチェーン技術の活用


今や、新たなビジネス機会の創出につながる場となったメタバース。収益化を見込んでメタバースを活用する機会が増えたことから、これまで以上に透明性・正当性を担保して利便性とともに安全性を向上させなければなりません。

こういった背景から、メタバースではブロックチェーンを適用するケースが増加。ブロックチェーンとは、デジタルデータの改ざんを阻止するための技術です。ブロックチェーンはこれまで、仮想通貨・デジタル通貨発行の場面や工場における品質管理の場面などで活用されており、海外では選挙のオンライン化やオンラインでの行政手続きの場面などでも活躍しています。

ブロックチェーンは、データに資産性を持たせるために欠かせない技術。メタバース内での資産を現実世界と相互で運用するためにも、ブロックチェーンとの組み合わせが必要不可欠となっています。

メタバースでのNFTの活用


メタバース内では、さまざまなアイテムや土地のやり取りがなされています。ブロックチェーンが活用されていないメタバースでは、アイテムや土地の取引が行われているとはいえそれぞれが複製できるデータであったため、サービス終了の時点で手元にあるアイテムや土地自体が丸ごとなくなってしまうというデメリットがあります。

ブロックチェーンの技術が活用されているメタバースの場合は、アイテムや土地がNFTとなっているため、ブロックチェーンの基盤が稼働している限り自分が手に入れたアイテムや土地は半永久的に所有が可能。NFTとなったことで、これまでゲーム内の通貨にて取引されていたものも仮想通貨・法定通貨での取引ができるようになりました。デジタル地主や土地の貸借、NFTを利用した投資など、メタバース内での収益化も見込めるように。メタバースが新しいビジネスの場として注目を集めることになった背景には、ブロックチェーンやNFTといった技術の活用があったのです。

ゲーム以外でのメタバースの活用事例


メタバースは、ゲーム以外の世界での活用事例も増えてきています。人気セレクトショップとして知られるBEAMSも、メタバースを活用している企業の一つ。BEAMSはアパレル業界の中でもいち早くDX(デジタルトランスフォーメーション)に着手した企業だということもあり、メタバース参入に向けても積極的な動きを見せています。

コロナ禍に入り、リアルの店舗への客足が途絶え始めたことからアパレル業界でも小売の業績は悪化。そこでBEAMSはバーチャルの世界に希望を見出し、メタ・コマース構築への動きを活発化させました。

BEAMSが初めてメタバースへチャレンジしたのが、2020年12月のこと。「バーチャルマーケット5」という世界最大級のVRイベントにてバーチャル店舗を出店し、限定コラボアイテムやオリジナルアバターなどのバーチャル商品の販売にトライしたのです。

バーチャル店舗での接客は、リアル店舗のスタッフのアバターを利用。アバターはリアル店舗のBEAMSスタッフが操作し、さまざまな店舗のスタッフによるアバター接客が話題を集めました。

まとめ

ゲームやエンターテイメントの世界ではもちろん、今や新たなビジネスの場として活用されているメタバース。いかに賢くメタバースを活用できるかが、企業の未来を左右するかもしれません。

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