【Essen Interview #5】創造と挑戦のエンジニアリング ー AWSからEssenへ。CTOが挑むゼロイチ奮闘記
"将来的には、人々の意思決定をサポートする仕組みを作りたい。社会全体をより良い方向に導く『行動変容プラットフォーム』を目指しています。"
Essen社員の挑戦や価値観を深掘りする“Essen Interview”シリーズ。今回は、広告プラットフォームWithDriveの構築や新機能開発を牽引するCTO飯塚氏にインタビューを行いました。
大企業からスタートアップへの転身、ゼロイチの挑戦を楽しむ姿勢。「東証でジャージ姿で鐘を鳴らしたい」というユーモアを交えながら語るキャリアと、技術を通じて価値を創出する使命感に迫ります。
Chapter 1: 大企業からスタートアップへ―技術者としての新たな挑戦
―まずは飯塚様のご経歴について教えてください。
幼少期からコンピューターに興味を持ち、小学4年生のときに初めて家にパソコンが届いた瞬間を鮮明に覚えています。ニコニコ動画の黎明期からコンピューターやインターネットに触れる時間が増え、自然と技術への関心が深まりました。
東北大学に進学して、大学1年生の授業で初めてプログラミングを学びました。他の学生が苦労している中、授業内容が自然と頭に入ってきて、自分でも驚きましたね。楽しさを感じたのが、技術にのめり込む大きなきっかけでした。
また、天文サークル「星を観る天文同好会」に所属し、そこで得た先輩のつながりから、チリにある望遠鏡の制御プログラムの一部を開発する機会を得ました。当時はプログラミング初心者でしたが、必要に迫られて学ぶ中で、作ることの楽しさに気付きました。師匠に教えてもらいながらプログラミングに没頭し、サークルのウェブサイト制作なども手掛け、ものづくりの魅力を実感したのはこの頃ですね。
大学卒業後はAWS(Amazon Web Services)でソリューションアーキテクトとしてキャリアをスタートさせました。多くの企業の課題を解決する提案を行いながら、幅広いバックエンド技術を学ぶ貴重な経験を積みました。お客様の要望を聞き、それを技術でどのように実現するかを考えるプロセスはとても楽しかったですね。AWSでの3年半の経験は、現在のCTOとしてのスキルの土台になっています。
―順風満帆なキャリアのように思えます。Essenに参画されたきっかけはなんだったんですか?
Essenの共同創業者である橘や天野とは学生時代、天文サークルで親交がありました。AWSに入社して間もなくコロナ禍となり、業務が停滞してしまったことをきっかけに、「なにか新しいことを始めたい」と考えるようになりました。
当時、橘たちは学生ながらもEssenの事業を立ち上げようとしており、「3人で再び集結してみよう」という話になりました。彼らが日々、てんてこ舞いになりながら頑張る姿を見て、「一生に一度くらい、こうした挑戦を経験してみてもいいんじゃないか?」と思ったんです。
また、社長や創業メンバーが大学時代の友人だったことも大きな要因です。一緒に働けるということ自体が、単純に面白そうだと思えました。
大企業では得られないスピード感や自由度、未知の課題に挑む刺激を求めた結果、AWSを退職し、Essenに参画することを決断しました。
Chapter 2: WithDriveで広告価値を再定義する
―出会うべくして出会った感じがします。現在のお仕事内容について教えてください。
主に広告プラットフォーム「WithDrive」の技術基盤の構築や新機能の開発を担当しています。このサービスは、車体広告とビッグデータを組み合わせることで、広告主に新たな価値を提供する仕組みを目指しています。
具体的には、人流データや位置情報データを活用し、広告の視認性や効果を定量化する技術を開発しています。例えば、車両広告を利用した場合に、歩行者や周辺環境との関係性を分析し、広告接触後の行動変容を科学的に検証する仕組みを構築しています。
―仕事の面白さってどんなところにありますか?
やはりゼロから新しいものを創る楽しさですね。大企業では既存の1を10にすることが多いですが、スタートアップでは常に0から1を生み出す挑戦が続きます。そして、自分の専門分野にとどまらず、多岐にわたる領域で新しいことを試せるのも魅力の一つです。
―逆に難しさはどんなところに感じますか?
一方で、「何を作るべきか」という判断を迫られる責任の重さもあります。現場の声を反映しつつ、優先順位をつけながら必要な機能を取捨選択していくのは簡単ではありません。
現場から「これを改善できないか?」や「こんな機能があったらいいな」というフィードバックを受けつつ、自分の知識や経験を活かして「これとこれを組み合わせれば実現できるのでは?」と試行錯誤しています。要件定義から運用・保守に至るまで一貫して携わるプロセスには、やりがいと難しさが共存しています。
―橘さんと話していると、広告の会社というよりは、テクノロジー会社のような印象を受けます。そのテクノロジーの基盤を担う飯塚さんとして、Essenにおけるテクノロジーをどのように捉えていますか?
私が意識しているのは、新技術に「自ら触れる」ことです。例えば、生成AIなどの最新技術を実際に試し、その「肌触り」を理解した上で、現場からのフィードバックやセールスチームの意見を統合し、ビジネスにどう適応させるかを判断しています。
ただ「新しい技術を知る」だけではなく、それを「現場の課題解決の道具」として活用することを常に意識しています。
―まさにテクノロジーオタクですね!
そうですね、自分でもかなりのテクノロジーオタクだと思っています(笑)。何事もまずは新しい技術に触れてみることが大事だと考えています。
―その中で、WithDriveの強みとは具体的にどんなところでしょうか?
WithDriveの最大の特徴は、膨大なデータを活用して広告主に新たなインサイトを提供できる点です。さらに、他のビッグデータと組み合わせることで、他社には真似できない広告効果を実現する仕組みが競争優位性を支えています。
天野とも協力しながら、データ基盤の構築と運用に力を注ぎ、信頼性の高いプラットフォームを整備しています。このようなシステムによって、広告主に確かな成果を届けることを目指しています。
―技術やサービスの観点で、社内での議論はどのように行われていますか?
建設的な議論を重ねることは多いですね。橘や現場からのフィードバックを吸い上げ、それを現実的な形に落とし込む役割を担っていると思います。お互いの視点を尊重しながら議論を進めることで、より良いプロダクトが生まれると信じています。
Chapter 3: 技術で未来を創る――飯塚氏が描くビジョン
―今後、挑戦したいことについて教えてください。
広告から事業をスタートしましたが、将来的には社会全体の意思決定をサポートする仕組みを構築したいと考えています。その進化形として目指しているのが、社会全体をより良い方向に導く「行動変容プラットフォーム」です。
例えば、渋滞が発生した際にリアルタイムの情報を基に人々が分散して別のルートを選択できる仕組みを提供する、といったアイデアですね。こうした仕組みが広がれば、社会課題の解決に寄与できると信じています。
また、EssenではIPO(株式上場)を目標に掲げています。これは、私個人としても重要な挑戦であり、チーム全体でコミットしていきたいと考えています。
―いつまでに達成したいと考えていますか?
5年以内の上場を目指しています。上場する際には、ジャージが好きなのでジャージを着て、東証で鐘を鳴らしたいですね(笑)
しかし、上場はあくまで通過点です。その先でまとまった資金を得ることで、技術のさらなる探求や新たなビジネスの可能性を追求したいと考えています。また、広告以外のプロダクトも展開し、複数のサービスを通じて人々の意思決定をサポートする仕組みを提供していきたいと思っています。
―どんなチームを目指していきたいですか?
少数精鋭のスペシャリスト集団を目指しています。技術が好きだからこそ、管理業務に多くの時間を割くのではなく、優秀なメンバーとともにアウトプットを最大化する環境を作りたいと考えています。
特に、私よりも技術に精通し、生成AIなどを駆使して効率を向上させられるスペシャリストが仲間に加わってくれることを期待しています。Essenが目指す未来に共感し、それを技術で実現していける人材と一緒に働きたいですね。
―Essenに向いている人材とはどのような人だと思いますか?
議論を楽しみ、建設的な話し合いができる人。そして、スタートアップらしく未知の領域にも恐れず挑戦できる人です。
スタートアップには特有のスピード感がありますが、それをポジティブに受け入れ、柔軟に対応できる人材がEssenにはフィットすると思います。共に成長し、挑戦を楽しめる仲間を求めています。
―最後に、これを読んでいる方へメッセージをお願いします。
スタートアップの最大の魅力は、ゼロから何かを生み出す過程にあります。簡単ではありませんが、その分得られる達成感や、やりがいは計り知れません。
技術を通じて社会にインパクトを与えたいと考えている方、ぜひEssenに加わってください。一緒に未来を創っていける日を楽しみにしています!