※こちらの記事はnoteからの転載です
日本CTO協会のnoteでは日本CTO協会の活動を広く知っていただくべく、様々なコンテンツを発信してまいります!お楽しみに!
さて本記事では、2022年11月末に開催した日本CTO協会の「MVV イベントレポート」をお届けします!
なかなか協会のMVVの成り立ちを公開できる機会もないため、当協会の会員さんも、これから当協会に関わりたいと思っていただいている方も、ぜひご覧ください!
目次
- まずは、日本CTO協会とは?
- イベント登壇者紹介
- 日本CTO協会MVV策定ストーリー
- 日本CTO協会の“新”ミッション
- 日本CTO協会のビジョン
- 日本CTO協会のバリュー
まずは、日本CTO協会とは?
一般社団法人日本CTO協会は、2013年にCTO経験者たちの互助会としてスタートし、約5年で400人規模に拡大しました。その後、2019年に当協会を設立し、現在では個人会員約750名、法人会員約90社まで拡大しています。
そのような中で2022年末に当協会のミッション・ビジョン・バリューを新たに策定し、その過程を紐解くイベントを開催した際のイベントレポートをお届けします。
イベント登壇者紹介
小賀 昌法理事
https://twitter.com/makoga
トラボックス株式会社
2010年から2021年まで株式会社CARTA HOLDINGS/株式会社VOYAGE GROUPでCTOを務め、退職後もTech Boardアドバイザリに従事。企画・監修した「Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち」がITエンジニア本大賞2021で大賞&特別賞のダブル受賞。2022年1月、トラボックス株式会社に入社。
村瀬 龍馬理事
https://twitter.com/tatsuma_mu
株式会社MIXI 取締役CTO 上級執行役員
2005年に株式会社イー・マーキュリー(現:株式会社MIXI)に入社。SNS「mixi」の開発に携わる。2009年に同社退職後、ゲーム会社などを経て、2013年に再度同社に入社。主にモンスターストライクの開発業務に従事。2016年7月、XFLAGスタジオ ゲーム開発室長に就任し、XFLAGのエンジニア全体を統括。 2018年4月、同社執行役員CTO就任。2019年6月、同社取締役執行役員CTO就任。2020年4月、同社取締役CTO就任。2022年4月より、同社取締役CTO 上級執行役員(現任)。
若井 信一郎(コミュニティWG コントリビューター)
https://twitter.com/se_kamo
1993年生まれ。大阪府出身。理系大学を卒業後、デジタルマーケティングのベンチャー会社に新卒で入社。数々の技術系イベントへの登壇やコミュニティの立ち上げに携わる。株式会社ハマヤから部長職としてオファーを受け入社し、社内のDX化を成功させる。その後、CTOに就任。現在では数社の技術顧問/社外VPoEとしても活動。プロフィール( https://bit.ly/3LyDZ6f )
日本CTO協会MVV策定ストーリー
若井:
本日は、経営企画ワーキンググループ主催「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)策定 Q&Aイベント」にご参加いただきありがとうございます。日本CTO協会のMVV策定に伴い、様々な質問をいただきましたので、小賀理事、村瀬理事のお二方から回答をよろしくお願いいたします。まずはMVV策定ストーリーについて、小賀理事から説明をお願いします。
小賀理事:
まずはじめに、1年かけて作った新MVVについて「どういう思いを込めて作ったのか」を説明します。日本CTO協会は、それぞれのCTOが抱えている課題や悩みを気軽に相談できる場所として生まれました。“草の根コミュニティ”が前身であり、それが現在は一般社団法人として日本CTO協会になっています。
コミュニティができた2013年当時、とにかくCTOは孤独でした。「こうあるべき」という情報が少なく、会社にも一人しかいないので、相談できる人もいなかったんです。実際に僕自身も、困っていたCTOのうちの一人です。
そこで「みんなで飲みながら相談しようぜ」という動きになりました。とはいえ、ただ集まって飲むだけでは味気ないので「プレゼン付きの飲み会をしよう」ということになったのです。
毎回誰かが「自分たちの会社ではこうやっているよ」という情報をgiveし、それを肴に飲むようになりました。それを続けた結果、約400名のCTOが情報交換や意見交換を重ねるまでに、だんだんとコミュニティが拡大してきたのです。
そこで、CTOの悩みを共有する公なハコとして、理事11名で日本CTO協会を立ち上げました。その当時のミッションがこちらです。
日本CTO協会は、2019年9月に設立し、2022年12月時点で個人会員約750名、法人会員約90社と、思ったよりスムーズに拡大していきました。体制を強化していくため、現在は理事が増えて14名体制になり、このタイミングで村瀬理事もジョインしています。
そして10年後のベストシナリオを考えるワークショップを行い、改めて「日本CTO協会で何をするのか」を話し合いました。そのワークショップで生まれた新ミッションがこちらです。
日本CTO協会の“新”ミッション
以前のミッションから変更したのは以下の2点です。
- 日本の企業経営に→日本社会の当たり前に
- 先端テクノロジーを→テクノロジーによる自己変革を
設立時のミッションからスコープを大きく広げ「日本の企業経営に」から「日本社会の当たり前に」としました。また技術に合わせて組織を変革し、継続的に進化するプロダクトやサービスを作る力が必要なので「先端テクノロジーを」から「テクノロジーによる自己変革を」としています。
2013年当時のCTOの悩みは「目の前の事業と技術をどう繋げていくか」という点がメインでした。しかし、2020年代になると凄く長く使われている技術が多くなり、技術の変化に対応していくことが大事な時代になってきました。
そうなると、長く続くサービスや事業に対し、古い技術を活かしながらも、新しい技術を使いこなしていく必要があります。つまり、技術を変えるだけではなく、技術に合わせて組織や文化などを変革していくことが大切なのです。そのため「テクノロジーによる自己変革を日本社会のあたりまえに」というミッションを策定しました。
日本CTO協会のビジョン
日本CTO協会のバリュー
しかし、その当時提案したビジョンやバリューには「ベースキャンプとは何かが理解しにくい」「大企業や行政など新たなプレーヤーをコミュニティに引き込む具体的なイメージが持ちづらい」といった懸念点があったのです。
そこで、ビジョンやバリューに対する懸念点を解消するため、理事合宿を開催し、「自己変革」と書かれたTシャツを着てじっくり話し合いました笑
その時に決まった「コミュニティの基本方針」がこちらです。
【コミュニティの基本方針】
- それぞれが目指している高い目標があり、様々なチャレンジをしている
- 経験、知見、課題、悩み、景色などをコミュニティに共有し学び合う
- テクノロジーを経営に活かすことを志す人たちが集まっていることがユニークであり強みである
- 学んだことを活かして更なるチャレンジをし共有するGIVEのサイクルを作る
我々は、上記の方針を満たしたコミュニティを「ベースキャンプ」と呼ぶことにしました。本来、ベースキャンプとは「必要物資を集め、登山を開始する拠点となるキャンプ」のことを指します。それを日本CTO協会に置き換えると、ベースキャンプとは「必要な情報を共有し、議論し、鼓舞し合い、お互いを高め合う場所」のことを指します。「それぞれのCTOが掲げる目標」こそが目指す山であり、その山をよりうまく登るために日本CTO協会が存在するのです。
世の中には色んなCTOがいて、目指す山(目標)もさまざま。外からは順調に見える組織も、常に困難な状況があり、悩みを抱えている個人やチーム、企業は多いです。だからこそ、ある組織が困難を乗り越えた経験は、同じ困難を抱えた他の組織を救えると信じています。
だからこそ日本CTO協会をさらに拡大し、数多くの個人・チーム・企業を救い「日本社会のあたりまえにつながるコミュニティ」にしていきたいです。その拡大イメージは以下の通りです。
Step1. 老舗大企業、国・行政、アカデミックなどへ積極的に声をかけ迎え入れる
Step2. 共通言語を見出して既存コミュニティと交わっていく
コミュニティを更に大きくするには、新たな層の巻き込み方を考える必要があります。世の中の企業やCTOは、既存メンバーとは異なる課題を持っていますが、我々はまだその課題を知りません。だから、新たな個人やチームが入りにくい状況になっているんじゃないかと思っています。もっと気軽に参加しやすい雰囲気を作るためにも、こちらから積極的に声をかけ迎え入れる必要があるのです。
共通言語がない状態でベースキャンプに迎え入れても、なかなかうまく融合しません。その課題を解決するためにも、まずは既存コミュニティと別でグループを立ち上げ、ベースキャンプへの迎え入れ方(連携の仕方)を考えられる場所をつくります。
ということで改めまして、日本CTO協会のビジョンとバリューはこちらです。
【ビジョン】
テクノロジーによる自己変革を志す人たちのベースキャンプ
【バリュー】
- Give First / あなたの当たり前は誰かの学び
- Think Big, Start Small / 大きく考え、小さく一歩目を踏み出す
- Fail Fast, Learn Fast / 早く失敗し、早く学ぶ
- Always Day One / 常に初日の気持ちでいる
前編では、当協会の成り立ちや、新MVVが出来上がるまでを公開いたしました!
後編では、新MVVにまつわるQ&Aセッションの内容をお届けします。