フォーデジットのADであり、執行役として事業全体に関わらせてもらっています。デザイナーたちを見ることもありますし、他のメンバーたちと一緒にプロジェクトの初期から関わることが多いです。海外の案件も担当することが多いので、結構いろいろな場所を飛び回っています。
デザイナーとしての挫折と経験
デザイナーとしてのキャリアは、新卒でグラフィックデザインの会社に入った時からです。ただ、子供の頃から絵を描くのが好きで、本当にそればっかりやっていてそのまま社会人になりました。最初の会社にいた時は、クライアントワークでいろいろな企業のポスターやカタログなどを作っていくのがメインでした。その頃は、デザインという仕事でクライアントワークをやる以上、自分の作家性とか自分を出すとかそういうマインド自体をものすごく嫌っていたんです。
その後、当時のADが転職していなくなって自分でやらないといけなくなるんですが、どれだけ時間をかけても全くできなかったんです。本当にできなくて、真っ暗闇になってしまって、メンタルもだいぶやられてしまいました。デザイナーも続けられるのか不安になって。
そのあと、転職して海外へ行きます。本格的にサンフランシスコのデザイン+アートワークの会社でインターンからスタートしました。「クライアントワークだから自分を消してデザインに向き合う」という強迫観念みたいなものを持っていたんですが、サンフランシスコの会社の人たちは、「TOIはいろいろできるんだからそれを活かしなよ!」というテンションで、それまで抱え込んでいたものから何かが吹っ切れたような経験をしました。
そこから、クライアントが求めていることを実現するという感覚と自分の感性や共感力の両方を活かしてデザインをする、という感覚が身についていきました。
フォーデジットにジョインしてから
2018年にジョイン。当時のフォーデジットは、まだコミュニケーションデザインとサービスデザインのチームに大きく分かれていて、最初はコミュニケーションデザインの方に入ります。ウェブサイトを中心にしていて、コーポレートサイトや採用サイト、時にはブランディングから関わるようなものもやっていました。
そこでは、コンペでの成績やウェブアワードをいただいたりしてADになり、組織変更でサービスデザインを中心に社内を統合するなどの流れのなかで、今は執行役員になっています。
執行役になってからは案件だけでなくチームマネジメントにも深く関わるようになりました。フォーデジットは海外のメンバーもいるので、カルチャーや労働意識の違いとか、感覚の違いなどもあります。日本はデザインという言葉に対するイメージや姿勢が一定みんな共通のものを感じますが、東南アジアの各国では教育などの違いもあって、言葉の前提が違ったり、作られたデザインを見てそれは単なる真似だろう、みたいなことも起こります。
いろいろ大変なこともありますが、やっぱり良いものを作りたい、という想いがあるメンバーたちとは、隣で一緒に作業をしたり、なるべく会話することが大事かなと思っていますし、その想いに応えたいと思っています。
インドネシアプロジェクトへ
フォーデジットでのプロジェクトで強い印象を持っているのは、インドネシアでの案件です。フォーデジットとしてインドネシアでの案件は初めてでしたが、取締役・執行役員・メンバーみんなで取り組んでいました。
もともとフォーデジットは、メンバーも役員もみんな立場関係なくハードワークしますし、泥臭い部分を当たり前のようにやります。国内外関係なくフットワーク軽く移動して、現地の人たちと触れて真剣にコミュニケーションをとります。必要であれば何度でも足を運ぶし、どこまでも行動力があると思っています。
だから、役員やメンバーたちが揃って、インドネシアの空港で前を歩いていく、その後ろ姿を見た時に、「このチームなら何でもできる」と感じたことを覚えています。誇らしかったです。
オンラインでワークショップをやったりして効率良く進める方法も最近は増えていますが、こういう行動力で生まれるものや触れて感じるものはオンラインでやってても絶対手に入らない。ましてや知らない文化や国でデザインの仕事をするのであれば、そこにいるユーザーの感覚を自分の中の感覚にならないといけない。なので、こういうスタンスやエネルギーはフォーデジットらしいなと思っています。
純粋にいいものを目指せる
僕は、下町生まれで祭好き、小さい頃から絵を描いてばかりで、熱いパッションで前進するタイプです。だからこそ、徹底的にユーザーに向き合って、良いものをつくるために何としてもチームで乗り越えていこうとしているスタンスであることが、僕にとってはとてもいいなと思う部分です。自分も含めて足りない部分と尖ってる部分があって、それぞれが補完してるのもいい。
成長したいというのと、最後までやり抜こう、細部までこだわろう、みたいな、当たり前のことを一緒にやれるメンバーがもっともっと増えたらいいなと思っています。デザインは、さまざまな技術が発展しても、大切なのは根っこの部分があるかどうかなので、想いを持っているメンバーとは何があっても寄り添っていきたいし、できる限り成長する機会を一緒につかみたいなと思っています。
撮影:吉田周平