「赤ちゃん宅食」を視察
フローレンスグループの「こども宅食応援団」と九州の代表的NPOであるSSFが、コラボして立ち上げた実験事業「赤ちゃん宅食」。
産前産後に課題を抱えた母子のところに、オムツや生活用品を届けながら、母親と1時間くらいの相談援助を行う。
この日は若いママで、未婚のひとり親。当初はお金もほとんどなかった状態で繋がった。その後定期的に赤ちゃん宅食で訪問、相談に乗っていきながら、養育費の支払いを支援。結果として認知・養育費支払いの方向性に。就職先も決まり、当初暗かったママの顔も、随分柔らかくなったという。
「定期的におむつやベビー用品を届けて相談に乗ってもらえて、本当に助かります」と赤ちゃんを抱く若いママは言う。
僕が驚いたのは、赤ちゃん宅食の場合、赤ちゃんをあやしたり、一緒に遊んだりしながら話すので、ママと直接面談、という固さがなく、柔らかい雰囲気で自然と話せるようになることだ。
また、家の中に入って赤ちゃんと触れ合いながら話せるので、アウトリーチが深くできる。通常の宅食だと玄関前で受け渡すので、話し込むことはしづらいが、赤ちゃん宅食の場合、あっという間に1時間話すことができた。
1月から5月にトライアル的に12世帯に実施して、虐待を発見する等、効果が出始めているので、広がっていくように後押ししていけたら良いなと思っている。産前・産後から関わっていけることは、かなり大きい。
あと嬉しかったのは、これまでフローレンスは自前でモデル事業を作っていたが、今回はSSFさんというしっかりとしたパートナーと一緒にモデルを作れたこと。自分たちだけでやると、人が足りなかったり忙しくて時期ずらそうみたいなことがあって、スピードが犠牲になることがある。
パートナーと一緒にモデルを作ることで、スピード感を持ってモデルが作れるとしたら、それだけ社会課題解決の速度を上げることができるので、今後も積極的にパートナーシップを活用していけたら良いな、と。