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長崎の「つなぐバンク」の視察

 フローレンスの「こども宅食」モデルは全国38都道府県に広がっていますが、長崎では、利用者が「取りに来る」ステーション型の宅食を行っています。それがつなぐバンク。ひとり親家庭福祉会ながさきさんが運営されています。



 企業からの食品・日用品寄付をボランティアのみなさんが仕分けて受け渡ししますが、食品を渡すだけでなく、弁護士・心理士・歯科医師・行政担当者の方等が来ていて、法律相談、歯科検診、子育て相談、貸し付けの相談等にも乗る、という仕組み。



 困ったことの相談のハードルってすごく高く、それゆえ困窮している人は困りごとから抜け出せなくなりがちですが、食品を取りにきた「ついで」に相談ができる、というのはとても優れた動線設計です。



 「あそこに行っていると生活が苦しいんだ」というスティグマ(負の刻印)がつかないように、つなぐバンクは常設ではなく、役所の施設等を借りて休日に行います。さらには、登録した方にのみLINEで日時が送られます。よって普通の役所の施設でそこに利用者が休日等に行く形になので、知られて困る、ということのない配慮がなされています。



 当日は受け渡しの前の食品仕分けのために、およそ40人を超えるボランティアの方々が集まっていましたが、メットライフさん、パソナさん、地元の不動産会社さん等、企業も巻き込んでいるところも素晴らしいな、と思いました。



 さらには県の管理職の方もボランティアで参加していて、企業、行政、市民が一体となって現場を創っている様に感動しました。



 実は、長崎県の貧困対策につなぐバンクが入り、県の全市町村で実施することになりました。この日も、県の各市町村から職員が参加していて、全県に広げるための、研修センターの役割も担っていました。



 さて、フローレンスは全国にこども宅食を広げ、困窮する子ども・子育て層への食糧支援を通じた見守りを行っているのですが、全てを自分たちですることはできません。



 ひとり親家庭福祉会ながさきさんのような志のある団体さんがネットワークに加わってくれて、初めて全国的なオペレーションが可能になります。そういった意味で、地域の福祉リーダーたちの活動と協力なくしては成立しませんし、本当に感謝です。



 地域の福祉リーダーたちと、全国に食のセーフティネットを広げていきたいと思います。勝手に「ベーシックフード」構想と呼び始めたのですが、良いでしょ?笑



 みなさん、僕らと地域リーダーたちの挑戦に、ぜひ力を貸してください!

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