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クルージングヨット教室物語105

Photo by Macy Taylor on Unsplash

「皆そろって仲良く卒業できるんだ」

「もちろん、だ丈夫よ!」

麻美子は、皆に答えた。

「ね、大丈夫よね!?」

麻美子は、隆が否定できない感じの口調で確認した。

「麻美子が決めるんだから、麻美子が卒業できるって思うんだったら、皆卒業できるんじゃないの」

隆は答えた。

「あ、香織は知らないよ。うちの船の生徒さんじゃないだろう」

皆と一緒に安心した顔をしていた香織に、隆は答えた。

「そうか、私は中村さん次第か」

香織は、隆に答えた。

「え、ここにいるのは、皆さんラッコの生徒さんってわけではないの?」

上野さんが、麻美子に聞いた。

「皆、うちの生徒さんたちだけど、香織ちゃんだけがアクエリアスの生徒さんなのよね」

麻美子は、上野さんに返事した。

「この子が香代ちゃんで」

麻美子は、自分の横に座っていた香代の頭を撫でながら行った。

「こっちが雪ちゃんで、瑠璃子ちゃん、陽子ちゃんの4人がうちの生徒」

麻美子は、1人ずつ指差しながら、上野さんに説明した。

「で、彼女が香織ちゃん、彼女だけがアクエリアスの生徒さん」

麻美子は、隆の横に座っている香織のことを指差しながら、上野さんに説明していた。

「中村さんのところも、まだ残っている生徒さんいるんだ」

上野さんが答えた。

「うちにも、生徒さん3名ほどいたんだけどね。夏を過ぎた辺りからもう全然来なくなったよ」

「そうなんですか」

麻美子は、上野さんに答えた。

「クルージングヨット教室の生徒さんって、毎年そうじゃない」

「そうなんですか?」

「ね、隆くん。毎年、生徒さんって夏までは結構乗りにくるけど、秋口になって涼しくなってくると、全くヨットには乗りに来なくなるよね」

「そういう生徒さんは毎年結構多いですね」

隆が、上野さんに答えた。

「そうなんだ。うちって皆、毎週のように来ているよね」

麻美子は、皆の顔を見ながら答えた。

「ラッコさんのところは、定着率良くて珍しいよ」

上野さんが、麻美子に言った。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など


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