◆「セルフメディケーション」の推進
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。
具体的には、日頃から自分の健康状態と生活習慣をチェックし、ちょっとした体調不良の際に、市販薬などを上手に使って自分自身で健康の維持や病気の予防・治療にあたることです。
このセルフメディケーションの考え方は、日本人の高齢化や生活習慣病の増加、それらに伴う国民医療費の増大という背景もあり、だんだんと広まってきています。
◆かかりつけ薬剤師が患者の健康増進をサポート
薬の専門家である薬剤師は、セルフメディケーション推進において中心的な役割を果たします。
2015年には厚労省より「かかりつけ薬剤師」制度が導入されました。 これにより薬剤師の業務が調剤や在庫管理などの「対物業務」から、飲み合わせチェックや丁寧な服薬指導・処方提案・アフターフォローなどの「対人業務」に転換していくことが求められています。
今後は、日々の予防や簡単な疾病の治療からOTC医薬品や健康食品・介護・食事・栄養に関することまで、健康にかかわる全般的なサポートをしていく必要があります。しかし、ほとんどの薬局は従来の処方箋対応に追われていて、セルフメディケーションを推進できていないのが現状です。