京都、御所東にある築100年余年の日本家屋にある、わずか6席のティールーム「冬夏」。フードディレクターとして長らく日本の食とデザインに携わってきた奥村文絵が、「自ら作り手を訪ね、実際に使い、食べてみて、本当に良いと思ったものだけを紹介する場所をつくりたい」という思いから、2015年に開業しました。
お茶との出会いは、エルマーの家に招待された際に、美味しい日本茶を淹れてもらったことでした。有機栽培された希少な日本茶を探し出し、客人へのおもてなしとして、心を込めてお茶を淹れるドイツ人の姿を前に、忘れていた自国の素晴らしい文化を再発見した奥村は、早速、生産者を訪ねて茶畑を周りました。それからというもの、文化も習慣も違う世界中の人たちとの交流のなかで、改めて日本茶が美味しく、また面白い飲料であることに気づいたのです。
「新茶が一番」「品質よりも銘柄」という日本茶の常識にとらわれず、畑ごとの味の違い、製法や施肥の有無から生まれる味の違いを淹れ分ける。農家が育てた本物の茶葉を味わっていただきたいという思いから、開業以来、冬夏が大事にしている姿勢です。「今まで飲んだ日本茶とは全くイメージが違う」という国内外からの大きな反響が広がり、国内はもちろん、台湾や中国、パリやニューヨーク、ベルリンやコペンハーゲンなど、様々な国から美味しい日本茶を求めるお客様をお迎えさせていただいています。
2021年には法人化。カルチャープレナーとして、ティービジネスを本格化させるとともに、世界一小さな清涼飲料水メーカーとなり、2022年にクラフトティー「冬夏青青 toka_seisei」をローンチしました。京都発のオーガニック・ティーブランド「冬夏」の始まりです。