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── カプコンのゲーム作りにおいて、意識していることや心がけていることはありますか?
松本 ゲームというのはパッケージングされた一つのおもちゃであり、全体がうまく機能してこそ面白さが生まれます。自分の担当領域だけ一生懸命面白くしても仕方ないので、他の人が担当している部分と組み合わせたときに想定通りに機能しているかどうかを常日頃から意識しています。それをみんなが同じように心がけているので、カプコンは「全員野球」の意識がわりと強いと思います。
薮下 思考停止して作業する瞬間はほとんどなくて、この作業はなぜ必要なのか、ゲーム全体にとってどういう意味があるのかをみんなが考えながらやっています。方針とのズレを感じたときは、企画職はもちろん他セクションからも疑問が投げかけられます。「ゲームを面白くするぞ」「いいものを作るぞ」という方向に全員の気持ちが向いているので、何かあれば全員で取り組んで解決します。松本さんが「全員野球」とおっしゃったように、「みんなで作っている感」が強いのがカプコンの面白さですね。仕事だけど仕事じゃないというか。
── となると、完全リモートよりも出社した方が、仕事が進めやすい職場なのでしょうか。
薮下 そうですね、リモートだと雑談のハードルが高いので、やっぱり対面の方がいいのかなと思います。出社していればデスクにふらっと立ち寄って最近のゲームの話をしたり、そこから仕事の話につなげたりと、流動的にコミュニケーションが取れます。カプコンも一時期リモート勤務をしていましたが、雑談から始まるコミュニケーションや情報伝達の流動性はなかなか得られなかったですね。
松本 たしかにリモート勤務だと、雑談や気軽な相談はしにくいですね。出社して雑談と仕事が入り混じっている環境の方が、ゲームの深みを作りこみやすいです。それと関連して、チームに配属されたときにはデスクの配置も相談できるんですよ。プレイヤー担当だったらプレイヤーユニットに関わる人で固めた方が仕事を進めやすいですし、チーム内で雑談しやすくなります。チームとしても会社としても、コミュニケーションを密にとるための環境づくりを強く推奨している風潮があります。
── 雑談やコミュニケーションがしやすい環境づくりも、会社として「ゲームの面白さ」を追求する姿勢の現れですよね。
松本 はい。最初にゲームの方針議論をして、実装を進めていった後に、自分たちが考えていたコンセプトに合っているかチェックプレイを行う段階があります。想定通りになっているかはもちろん、そもそも最初のコンセプトが本当に面白いものとして機能しているかどうかも確かめます。もしそれがズレていたら、最初に立てた方針自体を再検討することもあります。
── チェックプレイまで進んでいても、原点に立ち戻ることがあるんですね。「ゲームの面白さ」を追求するために、方針変更すら辞さないのはすごいです。
薮下 面白さの追求という点でいうと、新卒・若手・ベテラン問わず、プランナー同士が同じ目線で話ができるのもカプコンの特徴です。特に走り出しの時期には、「これ本当に面白いの?」という会話が日常的に行われますし、役職や上下関係などのポジショントークも関係なく「面白いかどうか」に心から向き合えます。ベテランの方たちも「俺が正しい」みたいなスタンスはありませんし、それがきっかけで仲良くなることもあります。
松本 自分が1年目の頃、『モンスターハンタークロス』のプレイヤー周りのアシスタントをしていたときに実際にありましたね。入社1~2年目は、企画書はあるけど明確な仕様書がないまま実装が進行されているものに対して、チェックプレイをしながら「逆仕様書」を作る仕事が多く、どういう仕組みで作られているか自身が理解を深めることができました。実際にゲームのチェックプレイを進めるなかで、プレイヤーがモンスターに攻撃したときに出るダメージ表示が個人的に「気に入らないな」と感じたんです。それを、当時のリーダーに意見しにいきました。
── 入社1年目でも、当時のリーダーに意見しにいける雰囲気だったんですね。その後どうなったんですか?
松本
リーダーは真剣に話を聞いてくれて、「どうすれば改善できるのか、どう変えるのがベストなのか」を議論しました。最初は雑談レベルでしたが、議論を通して、改善案をまとめた仕様書を作ることになりました。意見を単純にぶつけるだけではなく、メモ書き程度でいいから資料や説得力のあるデータを用意するといいんだとそのときに学びましたね。最終的には、ゲームの全体に関わるダメージの出方について、仕様を一部作らせてもらいました。
若いとかベテランとか関係なくお互いに話を聞いて、それをゲームの改善にどう役立てるか。カプコンにはそういうやり取りが自然にできる環境があります。
── 最後に、同業種からカプコンの企画職へ転職を考えている方に向けてメッセージをお願いします。
松本 企画職はかなり広い範囲を担いますし、裁量権も大きいです。カプコンは「みんなで一緒にいいもの作っていくんだ」という外向きの感覚で作っている方が多く、面白いものを作りたいという気持ちが強い方たちばかりなので、刺激を受けながら仕事ができると思います。
薮下 カプコンは一貫して「面白いものを作る」ことを大事にしている会社です。雑談の話もそうですが、ベテラン・若手も新卒・中途もまったく関係なく、「面白いゲームを作る」ことに真剣に向き合っています。そういう環境に飛び込んでみたい方は、ぜひ応募してください。
会社情報
大阪市中央区内平野町三丁目1番3号