“ 経理の効率を50倍に “ そんな魅力的なコピーを掲げ、提供されているのが「クラウド会計ソフトfreee」です。決算書作成や領収書管理・確定申告など、会社を運営するうえで「欠かせない」されど「わかりにくい・煩わしい」、そんなバッグオフィス業務を一手に引き受けてくれる夢のようなソフト。提供開始から3年弱、なんと現在 50 万を超える事業所が導入しているといいます。
今回は提供会社であるfreee株式会社の、移転間もない素敵なオフィスにお邪魔し、そのスモールビジネスのサポートに対する熱い思いと、目を見張る圧倒的な成長の裏側についてお伺いしてきました。
迎えてくださったのは、Wantedlyを通じて入社したお二人。開発を担当されている山崎真さん(写真左)とセールスを担当されている大西正人さん(写真右)です。異なるセクションで働くお二人に、普段の業務や入社の経緯について語り合っていただきました。
スピードを生む「仕組み化」で、新規契約数は2倍に
導入事業所数 50 万以上というのはすごい数字ですね。
「たくさんの方のお役に立てているということがまず嬉しいですし、会社として考えた場合には 1 つ 1 つの単価を安く提供している会計ソフトですので、いかにたくさんの方に利用いただくかというのが大事ですね」
そう話してくださった大西さん。現在は会計事務所向けの営業をご担当されています。
「 3 ヶ月前までは法人セールスチームで、中小企業の経理の担当者様・企業の社長様に直接freeeのご案内やご提案をさせていただく仕事をしていました。最初は何もわかりませんでしたが、日々の業務で随分と詳しくなりましたね」
誰でも無料で登録できるソフトですが、手厚いサポートやより便利に機能を利用するため、有料プランに加入しているユーザも多いのが『freee』の特徴です。異動以前は、ソフトの導入・プラン加入を案内することが大西さんのお仕事でした。
飛躍的に伸び続けるこの導入実績は、まさにセールス活動の賜物だと思いますが、何か秘密があるんでしょうか。
「いかに効率性と効果を重視して回していくか、というところを極めている組織だと思います。まだオフィスを構えていない中小企業のニーズなども考慮して『インサイドセールス』という営業手法を採用しているので、対象は日本全国です。1日 50 〜 60 社以上の提案ができていて、私単体で 14 社契約していただいた日もありました」
山崎さんからも、思わず「すごいね!笑」と驚きの声がこぼれます。
そんな驚きのスピードで日々の業務をこなされているセールス部隊。アポイントを取るチーム・クロージングするチーム・ソフトの乗り換え対応に応じるチームなど、全行程網羅的に専門チームが敷かれています。徹底的な分業のうえ、各メンバーが状況を把握し合う、まさに仕組み化・チームワークを極めた組織の為せる技なのです。
「チャレンジや改善の繰り返しでようやく仕組み化ができ、軌道に乗せることができましたね。弊社の経営陣はGoogle出身で、全体としてはやや開発に力を入れた組織でした。加えて、freeeは無料で登録できるサービスですので。その中で必要としてもらえる “ セールスチーム “ の確立には苦労しましたね。そこを乗り越えて、今のパフォーマンスがあると思っています」
実際、開発側の立場から見て、現在のセールスのみなさんのお仕事ぶりはどのように映っているのでしょうか。山崎さんに伺ってみました。
「めちゃくちゃ信頼感がありますね。彼らのおかげで、エンジニアが開発に集中できるというのが絶対にあると思っていて。お客さんとしっかりと接していることがわかりますし、何より彼らがちゃんとPDCAを回してクリエイティブな組織開発をしてるから、全体としてもこのスピード感があるんですよね」
セールスチームが日々の業務で与える安心感は、顧客獲得にとどまらず、会社全体のスピード感へとつながっているのでした。
カンボジアの事業で痛感した「これはだめだ!」
セールスチームの立ち上げから携わっている、獲得のプロフェッショナル大西さんですが、同社に参画されて現在 2 年目。なんとそれまでは学生だったのだと言います。
「いろんなところでインターンをしていましたが、正社員として入社したのはfreeeが初めてです。Wantedlyを使ってインターンとして参加し、そのまま入社しました」
大学1年生からインターンとして活動し、freeeは5社目。それまではホテル向けのシステム営業として 1 日 100 本電話をかける、といったお仕事もされていたとか。
「それで基礎がついたように思います。そこで『自分で1からやってみたい』という思いが生まれて、退職して学生ベンチャーを海外で立ち上げました。カンボジアでオンライン英会話事業をやっていたんです。カンボジアという国には欧米人が大勢居るのですが、仕事がないんですよね。そこで時給2ドル程度で英語の授業やってもらうことにしました。 6 ヵ国籍 30 人ぐらいの方を雇っていましたね」
現在とは全く異なるビジネスを運用していた学生時代。そんな大西さんが、freeeにたどり着き、入社まで決意したのはどのような背景があるのでしょうか。
「自分で事業をやっているとき、経理関連のことも自分でやっていたんですね。カンボジアで事業をやっていたので、リエル(カンボジアの通貨)とドルと円という3種類の通貨を回していたわけなんです。当然、自分でPL(損益計算書)・BS(貸借対照表)も作っていたんですが、エクセルでの手作業はめちゃくちゃ手間だったんですよね。面倒なので後回しにもしてしまいますし『これはだめだ!』と思って」
経理関連業務の大変さを身を以て体験された大西さんは、帰国後『freee』の存在を知ります。「これは、絶対にくる」そんな確信のもとインターンとしての参加を決意されたのだとか。バイタリティ溢れる学生時代の経験が、「世の中に足りていないもの」「今後必要とされるもの」を大西さんに教えてくれたのでした。
「自分は成長しているのか」と考えてみた
開発を担当されてる山崎さんも、大西さんと同じくWantedlyをきっかけに入社されています。同社からの「スカウト」が、大手インターネット企業で開発マネージャーを務めていた山崎さんを動かしたのでした。
「前職ではデベロッパー向けの機能提供を行うプラットフォーム事業部分を担当していました。4年以上働いていて、立場柄『環境に慣れて満足しちゃいけないよ。成長しなきゃだめだよ』だなんて、新卒のエンジニアの子とかに言っていたんですけど、『自分はどうなんだろう』と、ふと不安に思ったんです。今の職場の環境に順応できているおかげで、仕事ができているように感じたり見えていたりするんじゃないかな、と。自分の成長に納得がいっていない時期だったのかもしれません」
特別フィンテックに興味があったわけではない、という山崎さん。しかし、その後の面談を通して大きな「共感」が生まれたのだと言います。
「エンジニアの統括をしている者との面談だったんですが、組織の大変さをはじめ、いろんな会話をしてすごく共感したのも 1 つですね。そんなふうに悩みを共感できる人がいる、というのも大きなポイントでした。しかし最大の決め手は、『ぼくらの技術を使って良い社会にしていくって楽しいな』と素直に思ったことですね」
前職では、toC向けのサービスで「ユーザを楽しませる」ことをミッションとしていた山崎さんにとって、freeeのビジョンは「次なる挑戦の場所」として非常に魅力的に映ったのです。
「すべての人が本業にフォーカスできる」世の中
「次の職場では、社会を変えるような ” 世の中に役に立つサービス ”に携わりたいという思いが大きかったので、我々の技術が忙しい人たちに『本業にフォーカスできる環境』を与えられるというのは、単純にすごく良いサービスだなと思いましたし共感しました。今後も、サービスで取得できているデータを資産として、縦にも横にもどんどんスケールできると思うんですよね。いろんな可能性を感じています」
多くのスカウトがある中、山崎さんの心を射止めたのは、freeeが見ている壮大なビジョンでした。
入社から 10 ヶ月。実際に働きはじめ、その「共感」は続いているでしょうか。
「そうですね。弊社はディレクターが不在なんですよ。エンジニア自ら、ヒアリングや調整をすることも多いです。ビジョン・ミッションのもと『自分で機能を考えて作っていく』感じがあって、そのプロダクトとの近さが良いところだなと思いますね。優先度を検討するPMがいるので、特に困ることはありません。方法に関しても細かな指示はされないのでエンジニアが考える余地がたくさんありますし、そこがエンジニアが働いていてすごく楽しいと思える理由じゃないでしょうか」
この体制に価値を感じているのは、セールスの大西さんも同じようです。
「エンジニアがそれぞれしっかりと裁量をもっているので、営業サイドも要望は出しやすいですね。小さな改修であれば、PMではなく直接エンジニアにお願いしています。本当に柔軟な対応なんですよ」
各人がオーナシップを持つことができる体制も、freeeのスピードと成長に一役買っている重要なポイントでした。
「asobiba」で、つながりが生まれる
風通しの良さについては、他にも理由があるようです。
「” 遊び場 “ があるんですよ」
そういって連れきてくださったのは、「asobiba」と呼ばれる広々としたフリースペースです。
「休憩もするし、気分を変えて、ここで働いてるって人も多いですね。あとはお弁当も食べます」と山崎さん。
こんな素敵なお弁当が用意されているんですか? お高いんでしょう?
「福利厚生なんで無料なんですよ。時間までに名前を書いておけば注文してもらえます。時間になったら、みんな遊び場で受け取るので『じゃあ、いっしょに食べましょうか』なんて流れにもなるわけです」
大西さんは、ドリンクバーもお気に入りです。
「飲み物取り放題もいいですね。コーヒーは全自動で豆を挽く機械まであるんですよ。お茶ももちろん飲めますし、すごく助かりますね」
月に 1 度は、Google社由来の『Thank God, It's Friday』略して『TGIF』というイベントがここで催され、業務の発表や新入社員紹介・部活の紹介などもおこなわれるそうです。
山崎さんは言います、
「これまで、仕事に関して自分自身で試行錯誤してたことも多かったんですが、この職場では、そういう悩みをカジュアルに相談できる人がたくさんいますね。プロダクトのために色々とみんなで考えて『じゃあこうしようか』といろんなアイデアが出るのも、すごく面白いです」
「カジュアル」な風通しの良さ。開放的な「遊び場」で、思い思いに仕事をすすめる社員のみなさんの姿が、そんなfreeeの社風を語っていました。
「freee」にかける思い
大西さんは、こんな話もしてくれました。
「自社で、会計ソフトとして『freee』を使っているんですけど、これって意外と珍しかったりするんです。なんだかんだで専用にカスタマイズしていたり、ちがうメーカーのソフトを使っている会社さんが多いんですよ。自社プロダクトへの愛は本当に強いと思います」
そして実現させたい世界を、共有できていることも強みだと言います。
「中小企業など、スモールビジネスに携わっている人が本業にフォーカスできる世界をつくっていく。そこを目指していけば、自ずとデータが集まるプラットフォームができていくはずです。請求書や経費を『freee』で管理してもらうことで、取引情報・債権・債務などが全てわかるようになりますので、たとえば資金繰りで困った時、銀行さんにも安心して融資をしてもらえます。エコシステムをしっかり作っていくことが、中小企業をより元気にすると思いますから」
「便利なソフト」にとどまらず、大きな価値を生むプラットフォームに。freeeのビジョンが見せてくれる未来に、期待は広がるばかりです。
さらなる事業拡大に向け、現在全職種募集中という同社。最後に、社内にはどんな人が多いかを伺ってみました。
「エンジニアだと、技術も好きだし自分でサービス考えるのも好きっていう人が本当に多いですね。もちろんPMも手伝ってくれますが、自分で課題を見つけて、どういったアプローチで解決するべきかっていうのを考えて実行できる人。そういう人が多いことが魅力でもあるので、負けない熱さを持った人に入って来て欲しいですよね」
「セールスチーム立ち上げ時は紆余曲折もありましたが、ある程度軌道にのったときの改善スピードがめちゃくちゃ速かったんですよね。チャレンジングな環境ですし、それを選べる人が多いです。新しいことに抵抗せず、アグレッシブにやっていける人といっしょに仕事したいな。あとはプロダクト愛持ってくれる人がいちばん!」
そう語る大西さん。freeeのロゴがプリントされたTシャツを着て見せてくださいました。
うらやましいほどに、満足げな笑顔です。
誰もが創造的な活動にフォーカスできるよう、手を差し伸べ続けるfreee。それぞれの体験から、同社のビジョンに吸い寄せられるように入社を決められたお二人のエピソードが印象的でした。
freeeの「asobiba」に出かけると、成長の舞台裏「サービス愛あふれるプロフェッショナル集団」に出会うことができますよ。