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Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

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「YouTuberプロダクション」にとどまらないUUUMが挑む、ゼロイチのプロダクト開発

UUUM CTOと新事業責任者が語る、ゼロからつくり上げる「組織」と「事業」の面白さ

UUUM株式会社

2015/11/16

今やエンタメ界のトレンドを語るうえで、まず口の端に上るYouTuberの威力。

今回は、HIKAKIN・はじめしゃちょーといったトップYouTuberを抱えるUUUM(ウーム)株式会社にお邪魔し、熱狂の裏側を支える同社の展望と、その意外な一面について取材してきました。

六本木ヒルズに構える、ビビッドな色合いが映えるオフィス。迎えてくださったのは、CTOとして開発を統括されている尾藤正人さん(下記写真左)と、「メディアユニット」を統括されている高田順司さん(下記写真右)です。

社員数約50名。YouTuberのマネージャーやプランニング営業を行うスタッフが多い同社で、サービス開発に圧倒的強みをお持ちのお二人は異色なんだとか。

UUUM の仕事 ≠ YouTuber のマネジメント

「僕は基本的にYouTuberのマネジメントとかクリエーターのサポートといったことは一切していないんです。どちらかといえばUUUMが持っているアセットを使った新規事業をやっています。例えばアプリの開発だったり、新しいビジネス開発の企画だったり」

そう語ってくれた高田さん。彼が中心となって、今年の8月末にリリースさせた『おしゃべりマルチ』は、期間2ヶ月で早くも12万ダウンロードを突破する、話題のアプリです。

「飛び地的なことをしているつもりは全くないんです。YouTubeではゲーム実況の動画が人気があって、中でもマインクラフト(世界中で人気のサンドボックスゲーム)はよく見られているコンテンツの 一つです。そのマインクラフトというコンテンツを使って、クリエイターがYouTubeで動画を作っていくので、そこでユーザーやクリエイターが一緒に何かできる仕組みを提供したかったんです」

『おしゃべりマルチ』は、起動しているユーザー同士であれば、同一Wi-Fi環境下でなくとも『マインクラフト Pocket Edition』をおしゃべりしながらマルチプレイできるアプリ。

UUUMにとって、提供するメリットは大きいのだと言います。

「遊んでもらってサービスが流行れば僕たちもうれしいですし、二次的にクリエイターがそれを使ってユーザーと何かしたり、クリエイター同士で何かしたりと、まだ見ぬ次の動画コンテンツが生まれるきっかけにもなるので。UUUMでは、動画や YouTuberに副次的にでもプラスになることをしていきたいなと思っています」

一見ゲームを楽しむためのアプリはそれだけに留まらず、これから生まれるコンテンツのネタの種としても一役買っているようです。

今後を見据えて先手を打つサービス開発の一方で、すでに持っている資産を最大限活用するための開発をおこなっているのが CTO の尾藤さんです。

「今は、UUUMの所属クリエイターが使う、CMSツールの改善をしています。動画を作成するためのノウハウや素材が集まるポータルサイトをインターナルに作っているんです。案件の依頼もそこでできるようにしています」

「例えば、一人で動画コンテンツづくりをしていても、再生回数が思ったように伸び続けず限界を感じたとします。そういった課題に対して、UUUMに所属する YouTuber同士のコミュニティを機能させることで、ノウハウを共有し合ったり、声を掛け合いコラボを行うことができるようにしています。コミュニティが持っている知見を共有して、クリエイターが活躍できる機会をつくっていきたいんです」

いわゆる芸能プロダクションのマネジメント業務とは異なる、様々なアプローチ。さらなる拡大に向け、これまでの経験を存分に活かした目論みを語ってくださるお二人ですが、実は入社されるまでYouTuberについて全くの無知の状態。その威力について考えたこともなかった、というから驚きです。

では、そんなお二人が次なる活躍の場に、UUUMを選ばれたのはいったいどうしてでしょうか。

ゼロからイチを創りあげることができる環境

前職の大手通信キャリア企業では、音楽配信サービスなどを手がけられていた高田さん。次に注目したのは、「個人のメディア化」なのだと話してくださいました。

「これまで、雑誌・Web のSNS、スマホの音楽配信と、色んなメディアに携わってきた中で、今は個人がメディア化する時代だと感じています。僕はファンクラブ運営をしたい訳ではないんです。 YouTuberと言われているクリエイターたちが今、既存の芸能人とはまた違った立ち位置でメディア化しているので、その人たちの強みを上手く引き出すことで、新しいビジネスをすることができるんじゃないかな、と可能性を感じて入社を決めました」

環境・組織に対する可能性への共感が、”タレントの事務所をやりたいわけじゃない” という社長・鎌田さんの想いとも合致。そこから、サービスプロデューサー高田さんとUUUMの共創が始まりました。

ウノウ株式会社をはじめ、数々の組織でCTOを務められた尾藤さんにも、入社の経緯を聞いてみました。

「僕、基本的にゼロからイチをつくるのが好きなんです。この会社は、開発部っていうものがほぼ機能していない状態だったんで、自分でつくることができるっていうのが良いなと思って。会社としてすごく伸びているし、僕自身もやりがいがあるように感じたんです」

まずは開発部隊を「攻殻機動隊」と名付け、社内勉強会を積極的に開催。技術力向上に努めています。

「毎週月曜日に勉強会をやっています。毎週持ち回りで、好きなことをやりたい人はそれをやっていいし、『リーダブルコード』の輪講みたいなこともやっている。あともう一つ、金曜日にも勉強会をやっていて、それは『マスタリング TCP/IP』っていう有名な本があるんですけど、それの輪講をやっていますね。ちゃんとエンジニアとして生きていくには、技術の基礎的な部分はちゃんと身に付けといた方がいいと思っているので」

環境・ノウハウ・リソースと、ゼロだからこそ生み出せるものは多く、そこに「面白み」を感じているという尾藤さん。そのお話に、高田さんも深く頷いていました。

誰もが羨む「マーケティング」の武器

もちろん、お二人のもと強化を図るセクションの一方で、UUUMにはすでに誰もが羨む資産・武器がたくさん揃っています。その一つが、マーケティング。

尾藤さんは、同社でものづくりを行うことのメリットを次のように語ってくれました。

「影響力のあるYouTuberが所属しているおかげで、彼らに宣伝をお願いすることができるんです。他の会社で何かやろうすると、まず広告をどうするんだって話があるんですけれど、その段階を全部すっ飛ばすことができるんですよね。そこは、UUUMの大きな強みです」

数多多くのプロダクトが生まれ続ける中、多くの作り手にとって「産みの苦しみ」を体験した次に訪れるのが、「拡散」「認知」に関する苦労。広告掲載や、パワーコンテンツとのコラボレーションを図るための様々な調整が、UUUMでは不要なのです。

例えば所属する YouTuber「はじめしゃちょー」は、Twitterで絵文字をツイートするだけで、1万以上のお気に入り登録があるほどの人気ぶりだと言います。

「ある世代には絶大な影響力を持っているっていうところはやっぱり強みだと思うし、それを使って出来る可能性ってめちゃくちゃでかい。はじめしゃちょー公認のゲームアプリも、本人がYouTubeで動画を公開したりツイートしたりしたことで堂々の App Store 1位ですからね。ブーストとかって言われているけれど、めちゃくちゃオーガニックなブーストだなと思っていて」

アプリやWebコンテンツのマーケティングにおいては、最強の布陣とも言えるスターたちが揃っているという環境。「純粋に良いプロダクトをつくることにフォーカスできる」と言う高田さんの言葉にも納得です。

スローガンは「セカイにコドモゴコロを」

お二人をはじめ複数の役員が加わるなど変化の多かった2015年、UUUMは新たにスローガンを掲げました。

「これまでは、Youtuberって ”好きなことで、生きていく” っていう有名なワードが使われていて、それでCMばんばん売っていたってのがあるけれど、僕らUUUMはどうあるべきかみたいなことを合宿して話し合いました。」

そこで決まったのが、「セカイにコドモゴコロを」だと。

「はい。自分たちも良いオトナなんだけど、いつまでも楽しんでいられるような仕事をしていたいなって。『お金にはなるけど、やってて面白いんだっけ?』みたいな仕事はやりたくないなと思っています」

尾藤さん・高田さんは、今のお仕事が面白いですか?

「楽しいですよ。好き勝手やらせてもらってるんで(笑)」

なるほど、コドモのようにこぼれる笑みが印象的でした。

求めているのは、「新しい血」

今後様々な挑戦を検討する中で、現在ゼロイチの新規事業に取り組んでいる社員は、なんと高田さんお一人。

「プロデューサーとして1人で立っていて、エンジニアは急募です。今は、もともと仕事をしていた仲間ですごく優秀なエンジニアがいて、彼がフロントからバックエンドまで全部一人でやってくれていて死にそうになっています(笑)。Qiitaでも開発の裏話を載せているので見ていただけるとうれしいです。」

goからiOSまで一人でアプリ開発をしてたらいつの間にかマインクラフトエンジニアになった話

実際、Wantedlyで募集を出したところ応募が殺到したそうですが、はじめしゃちょーさんに憧れる女子大生の応募が非常に多く、CTO尾藤さんのお眼鏡にはかなわなかったのだそう。

「UUUM自体が、エンジニアに対してまだブランド力のある会社じゃないので、すぐに良いエンジニアに来てもらえると思ってはいないんですよ。でも少しでも、いい人、やる気のある人を採用していくために、これからは採用にも力を入れていきたいです」

「新しい血をどんどん入れなきゃいけないんですけど、今までどうしてもYouTuberのプロダクションのように見えてしまっていて、それ以外の事業もどんどんやっていることを上手く伝えられていなかったんです。アプリ開発で言えば一緒に仕事をしているのは、各Webの会社でエース級だっためちゃくちゃ優秀な人たち。そこから得られる経験もあるし、めちゃくちゃ仕事は楽しいと思いますよ」

組織については「まだまだ…」と半ば愚痴のように話されるお二人ですが、そこをとことん楽しんでいることがよくわかり、そこに「必ずや」という自信が見えました。力強い環境のもと、UUUMの新しい血となってゼロからのものづくりに取り組んでみるのはいかがでしょうか。

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Interviewee Profiles

尾藤 正人
執行役員CTO, 株式会社オープンロジ
2015 年 6 月より UUUM 株式会社の CTO として、エンジニアの統括・プロダクトの改善開発を担当中。 インフラからフロントエンドまで深い知識と経験を持つ UUUM 攻殻機動隊の隊長。「ブログも頑張って書いてます」とのこと。
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高田 順司
代表取締役, 株式会社hayaoki
新規事業を担当。「新しいアプリも準備中!」と、フル稼働中のプロデューサー。「おしゃべりマルチ」開発時は、朝から晩までマインクラフトに触れることも多く「小学生からしてみたら夢のような仕事だろうなあ」と思ったそう。
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