東京・渋谷。スクランブル交差点を横目に、大通り沿いを歩くこと5分。青と赤のカラーをあしらった会社ロゴと、カフェのような温かいオフィス空間が、通りを歩く人々の目を惹きつけます。
今回のインタビューのお相手は、株式会社LiBの経営セクションで活躍している田中俊輔さん。株式会社LiBは、キャリア女性のための会員制転職サービス「LiBz CAREER」を展開しています。
田中さんが学生時代に取り組んでいたことや、新卒で入った会社を経てLiBでどのように働いているのか、これまでの考え方の軸を伺いました。(インタビュー中は、物腰がやわらかく落ち着いていて、終始明るい笑顔が印象的だった田中さん。実は、まだ23歳なのだそうです)
初めて触れた「女性の視点」が、キャリアを動かす第一歩に
はじめに、学生時代に打ち込んでいたことを聞いてみました。
「某ファーストフード店でのアルバイトですね。高校のころから7年間働いていました。それこそ、そのまま社員にならないかって誘われるくらいガッツリと。その会社は、バイトリーダーになると《ヒト・モノ・カネ》に関する分厚いテキストを支給されて覚える必要があり、アルバイトの勤怠管理・資材管理・予実管理なども学生時代に経験することができ、今の仕事にも活きています」
7年間も同じ店舗で働いていたら、お店で頼られる存在になっていたんじゃないですか?
「そうですね。僕自身、仕事を任せてくれる方がやりがいを感じられるので、店長の中にはそれを見込んでくれたのか、どんどん裁量を与えてくれる方がいました。自分で仕事を探してやっていくことで売上げも上がり、お互い相乗効果が生まれて、その方はよりグレードの高い店舗に異動していましたね(笑)」
田中さんは大学卒業後、サイバーエージェントの子会社で女性向けクラウドソーシングサービス『Woman&Crowd』の法人営業・マーケティング・広報など、さまざまな仕事を担当します。
そこから、どうして LiB に転職してみようと考えたのでしょうか。
「前職で扱っていたサービスのメインユーザーが、『Woman&Crowd』という名の通り、20代後半〜40代前半の女性だったんです。実際に利用される女性ユーザにインタビューしていくなかで、『オンライン上のやりとりであれば、外に働きに行けない自分でも仕事ができるようになりました!』と感謝の声をいただくことが多くて。それまで、女性の働き方について一切考えたことがなかったんですけど、関わるにつれて興味を持つようになりました。そう考えているうちに、偶然Wantedlyを見ていたらLiBの募集が出てきて。同じく女性向けの就労支援サービスをやっているので、面白そうだなと思い応募しました」
Wantedly は、主にどういう使い方をされていたんでしょうか?
「やっぱり直接聞いてみないとわからないので、大体1日3〜4くらいアポイントを入れて、できるだけ多くの会社に話を聞きに行っていましたね」
「よく行っていたのは、20〜30人規模くらいのスタートアップです。もともと、大企業は自分には向いていないと感じていたこと、また、20人くらいは急激にサービスが伸びるタイミングが重なりやすいこともあって、その人数規模で話題になっている会社、という軸で応募していました」
そうしたなかでも、数ある会社のなかから選ぶときは、どんなところを重視していたんですか?
「ひとつめは、『一緒に働く人が、ついていきたいと思える人たちか?』ということ。僕は、周囲に恵まれているなと思うことが多くて、その点はこれまでのキャリアでも共通しています」
「ふたつめは、『大きな裁量』があること。自分の成長確度が上がる環境は社会人年数を一切重視せず、上司が自分を1人のビジネスパーソンと考えてるところだと信じています」
入社して早1カ月。今の率直な感想を教えてください。
「毎日、とても楽しいです。周りからも『入って1カ月しか経ってないのに、なんだかずっといるみたいだよね』って言ってくれるんです。入社するとき、『経営管理の色々な業務をやってもらうから!』と言われていたんですけど、本当に幅広くやらせてもらっていますね」
「たとえば、役所関係の手続き、インターン生や採用周りのキャスティング、福利厚生などを担当しています。人事・労務・総務・経理・財務・システム管理・・・とにかく『何でも屋さん』です」
ちなみに、採用活動をしている立場としては、どういう人に来てほしいですか?
「LiBのビジョンやサービス内容に共感できる人がいいですね。『スキルがある人=優秀』ではなく、あくまでも『会社への共感度が高い人=優秀』と定義して採用活動をしています。学歴に関しては、あくまで情報の1つとしてとらえるのみで特に重視していません」
変わりはじめた「バックオフィス」に対する想い
今まで、法人営業やマーケティングの担当をしていた田中さん。今の会社に移り、これまでとはちがう「経営セクション」という全社的な立場に就いたことで、意識の変化もみられたそう。
「正直にいうと、これまでは、たとえば人事というポジションが、何をやっているのか、どういう価値を生みだしているのか、いまいち理解できていない部分があったんです。それは、最初に入った会社で様々な制度面が整備されていたことで、気づいてなかったんでしょうね」
「でも、実際にこうして自分がバックオフィスという位置に立ってみると、すべて地道に積み上げていくことであって、いきなり制度面が整備されるわけではないということが分かりました。今は、本当にバックオフィスのありがたみを感じるようになりましたね」
すべては「人」が原動力となっていく
社内の方々との交流について、教えてもらえますか?
「毎月、『LiBz Party』というグルメパーティーがあって、多いときは社員と関係者含めて100人以上参加します。今年の9月は台風だったにもかかわらず、参加率がとても高くてみんな帰れなくなっちゃうんじゃないか、と逆にこちらが心配してしまうくらいでした(笑)。ほかにも、毎年『LiSM』という1泊2日の合宿では、会社としてのビジョンの共有をしたり社内交流の活性化を図ったりしています」
「あ、それと、『ウェルカムランチ』という素敵な制度があります!」
それは、どんな制度なんでしょう?
「入社して1ヵ月間は、新入社員とランチに行くと、会社がランチ代を全員分負担してくれるんです。狙いとしては、新入社員とほかの社員との交流を促進したいというもので人気の制度ですね」
新入社員の方は毎日引っ張りだこですね。
「はい、それはもう人気者です(笑)。それ以外にも、普段から気軽に飲みに行きますし、仲がいいですね。最近では、みんなで色々なスポーツに取り組む『アクティ部』ができました。経営管理側で作らなくとも、自然と『これ、やろうぜ!』という雰囲気があるのでありがたいですね」
ここまでお話を聞いていて、田中さんが毎日ワクワク働いているんだろうな、というのがひしひしと伝わってきています。その『ココロオドル』瞬間って、いったいどこから生まれているんでしょうか。
「まず、純粋に『働く』ことが好きなんですよね。実は、今の会社に転職する前に15日間のニート生活をはさんでいるのですが、その期間ですら、つらくてしょうがなくて(笑)」
「そう感じるのは、これまでの仕事がどれをとっても、社内外の人が『笑顔』になれる仕事だったからだと思います。今であれば、社内のみんなが『働きやすい』『ほんとにいい会社だな』って心から感じてくれるとか」
人によっては胡散くさく聞こえてしまうかもしれないですけど…、と田中さんは言います。
「僕は笑顔をもらえると、モチベーションが上がってうれしくなるんです。たとえ、その過程で大変だったとしても、関わる人から『ありがとう』と言ってもらえれば、それまでの苦労が全てチャラになるんです。自分が働くことに楽しさを見出しているのは、そういうところから来ているような気がします。」
「個」の力が強いチームの一員として、みんなを引っ張っていきたい
最後に、田中さんが今後目指していきたい姿について、聞いてみました。
「財務や経理に関しては、まだまだ勉強不足な面があるので磨いていきたいです。それと、付加価値のあるビジネスマンになることが、会社にとっても自分にとっても意味のあることだと思っています。なので、『どう付加価値を出すのか』というのを考えて毎日業務をしています。」
「ゆくゆくは、『LiBの経営管理の田中さん、なんだか色々やっているよね』と、外部の方からも働きを認められるようになりたいですね。サッカーの本田圭佑選手がおっしゃっているように、私たちも『個』の力が強いチームになっていきたいので、自分も『個』としての能力を高めたい、といつも思っています。」