指名数No1
お客様の目の前で料理をするという特殊な形式柄、料理のスキルだけではなく、雰囲気作りができるトーク力や対応力も必須となります。指名がなくても食べられるレストランではありますが、わざわざ「清水さんに焼いて欲しい」と予約の際に言われることが多く、予約日が私の休日と被ると、わざわざ旅行やお出かけの日程をズラしてくださるお客様までおられました。 【上記実績を出すためにしてきた意識工夫】 ◇経験値への惜しみない投資 ミシュランの星付きレストランなど、主観ではなく、プロ基準の物差しで評価されているお店に足を運び、料理や接客の研究をしました。また、分子ガストロノミーなどの革新的な技術にも能動的に興味を持ち、書籍や機材を自腹で購入しては、まかないなどでそれを実践し、先輩からのフィードバックをもらうようにしておりました。 伝統を重んじる老舗のレストランでしたが、実際にまかないから改良を重ねてメニューに加わったものも何種類かあります。 ◇対人恐怖症の克服 かなり早い段階で鉄板の前に立たせていただいたのですが、それがきっかけで挫折を経験しました。 料理をすることに夢中で、お客様とのコミュニケーションを満足にすることができず、時としてお客様を不快な思いにさせることもありました。正直に申し上げると、人と接することが怖いと感じていた時期があります。まだ成人すら迎えていない当時の私には、大人を満足させられるだけの人間力が足りませんでした。 そんな情けない自分を変えるために、あまり褒められたことではありませんが、プロのナンパ師の方に授業料を払ってナンパの指導を受けていた時期があります。 街ですれ違う女性を楽しませるには、型にはまらない人間力が求められ、それと同時に度胸も鍛えられました。 結果的に対人恐怖症は克服でき、コミュニケーションの奥深さを学ぶことができました。 ◇お客様ノートの作成 私が携わらせていただいたお客様との会話で探ることができた情報などは全て事細かく記述し、2回目以降の会話の軸としていました。次第に相手のパーソナルな部分にも踏み込むことができ、仕事以外でも仲良くさせていただく機会も増え、高価なお店で食事をご馳走になったり、ホームパーティーに呼ばれたりすることもありました。 結果的にそれが功をなして、指名数No.1という名誉ある実績をいただくことができました。 このように「挑戦」と「改善」の姿勢を大事にし、プロ意識を高く持って仕事と向き合っていました。