Synchronized Running
視覚障がい者と晴眼者が2人1組になって伴走するブラインドマラソンは、伴走者不足が問題になっており、初対面同士や体格差がある人同士の伴走も珍しくなく、信頼関係をうまく築くことができずにランニングを楽しめないという問題が発生していた。 先行研究では視覚障がい者を独立して走れるようにするプロダクトを開発したものが多かったが、ブラインドマラソンが行われている現地にフィールドワークを行ったところ、ブラインドランナーは「伴走者との一体感を生みだす」ことが真のニーズであることが判明した。 このインサイトから、視覚障がい者が地面を蹴り出すタイミングで伴走者の足元に振動が伝わり、足を出すタイミングを揃えやすくするサポーター「Synchronized Running」を開発。複数回当事者に試作機を使用してもらい、着用感や振動の強さなどを改良を重ね、完成品の効果測定を行ったところ「ブラインドマラソンの伴走初心者のスキル習得スピードの向上」「”どんな人同士でも”二人のランニングテンポが一致して、快適に走れる、”シンクロ体験”の実現」が確認された。本プロダクトの効果測定を行った論文は、触覚に関する国際会議IEEE World HapticsのTechnical Paper部門で採択されている。<https://ieeexplore.ieee.org/document/8816134>