株式会社タップ / プロジェクト事業部
文豪の愛したホテルとIT化
私にとって5社目にあたるホテル業界向けのITベンダーに勤務していた期間は私の経歴で1番短い僅か6ヶ月半でした。それでも4つのホテルの実務を経験させて頂きまして、そのうちの1つが東京のお茶の水にある文豪が愛した「山の上ホテル」でした。私にとって4つ目で初めて「資材管理システム」の主担当となり他のシステムの担当と一緒にPMの管理の下粛々とタスクをこなしていきました。このホテルは歴史があるだけに老朽化が進み、リニューアルをすることになったのですが、そこに業務のIT化も合わせて行おうということになり仕事がまわってきたという訳です。よくある話ですが12月1日のオープンに向けて準備はしてきたものの、遅れに遅れ、最後は突貫工事です。システムも慌ただしい雰囲気の中、入れ替わり立ち替わり担当者の方を購買部に招き入れ、発注方法の操作方法の説明や運用方法の確認などをしていきます。在庫確認も加わり、最後の1週間は深夜にまで作業が及びました。お客様との一体感はこうしたところから生まれてくるものです。もうどちらがお客様で取引先か関係なく意見を交わし、最善策を生み出すことに必死でした。そうして12月1日のリニューアルオープンの日を迎えることが出来たのです。そうです。お客様、いえ、私のホテルができあがったのです。早速、常連さんがチェックインをされていきます。そして想わぬ事が起きました。ホテルの館長より呼び出しがあったのです。「エラーか?」ふといやな予感がよぎりました。呼び出された場所へ行くとメンバー5名全員が揃っています。そこへ館長が「よくやって私達くれました。さぁ、ランチはいかがですか?」そうです。感謝の呼びだしだったのです。これまで働いてきた場所がエンターテイメントの場所に一気に変わりました。会食の終わりにはお土産まで頂きPMから挨拶をさせていただいて我々の半年にわたったPJのチームは解散したのです。