リソー教育グループ / アルバイト
塾講師
私の校舎では生徒が好きな先生の授業を選ぶというシステムで、つい熱が入り厳しくしすぎてしてしまえば自分の授業をとってもらうことができなくなってしまう可能性があるため、授業を楽しく、且つ生徒にとって学びが多いものにする必要がありました。そこでテキストを淡々と解く授業に留まらず、自身の受験経験を生かし、これまでの勉強法や反省点、それが今どう生きているのかを雑談として授業の合間に組み込み、時には失敗談を交え、生徒を飽きさせないような工夫を凝らしました。 私を含め、「なぜ勉強するのか」という問いは誰しも直面する機会があるのではないかと思います。大学受験を終えた今、私にとってのその答えは「批判的に且つ論理的に物事を捉える力を育成するため」であり、それが社会に出てから自分の意思で選択するツールになるものであると感じています。受験生だった頃の私はとにかく志望校に合格することが目的だったので、「なぜ勉強するのか」ということに対して漠然と疑問を抱きながらも直向きに机に向かうしかありませんでした。しかし今思えば、「なぜ勉強するのか」という問いに対して自分なりに答えを持っていたならば、より高いモチベーションでもう少し頑張れたのではないかと感じています。 だからこそ、担当する生徒には定期的に「なぜ勉強するのか」という問いを投げかけるようにしていました。もちろん答えは一つではありませんし、答えを出すのは簡単なことではありません。しかし、大切なのは自分なりにその答えを追求しながら学問に取り組むことであり、難しい問いであるからこそ講師として自身の経験を踏まえながら考える機会を提供しました。 こうした授業スタイルを採用した結果、私が担当した生徒は全員志望校に合格することができました。合格発表日、担当した生徒がわざわざ校舎まで報告しに来てくれた時は、彼らが努力してきた姿を間近で見てきたからこそ、胸が熱くなったのを今でも覚えています。初めてバイトを通して誰かの役に立てたと思えた瞬間でした。