医療法人医王寺会(いおうじ応急クリニック) / 共同代表・事務長
第3回みらいの福祉施設建築の採択(9億円の補助金獲得)
以下、新聞記事の一部抜粋 日本財団主催の第3回みらいの福祉施設建築プロジェクトの表彰がこのほど行われ、三重県松阪市立野町の医療法人医王寺会(良雪雅、志賀大共同代表)が2026(令和8)年の完成を目指して同所で計画している「にちこれプロジェクト」が9億1747万円の助成対象に採択された。ショートステイ(短期入所)と高齢者住宅、看多機(かんたき=看護小規模多機能型居宅介護)、医療(訪問診療、応急外来)を組み合わせたシステムは日本初で、9億1747万円の助成額は過去最高という。 同医療法人の運営するいおうじ応急クリニックは、市から委託を受けた日本初の休日・夜間に特化したトリアージ型応急クリニックとして15(平成27)年に同市久保町で開設。昨年12月に立野町の元パチンコ店の建物をリノベーション(大改修)して移転した。それが「にちこれプロジェクト」第1期工事の「診療棟」で、プロジェクトでは続く第2期工事で9角形のドーナツ型の「介護棟」を新築し、第3期工事で元農機具修理工場を「カフェ棟」にリノベーションする。敷地面積は全体で約1万3千平方メートルあり、診療棟は鉄骨造2階建て延べ980平方メートル、介護棟は木造2階建て延べ1825平方メートル、カフェ棟は鉄骨平屋198平方メートル。そのうち介護棟がみらいの福祉施設建築プロジェクトの助成対象となった。 「にちこれ」は、介護の必要な人が自宅に帰るための介護施設を立ち上げるプロジェクト。「にちこれ」という名には「縁から始まる『日々是好日(にちにちこれこうじつ)』な暮らしをしてもらうためにケアを行い、そんな地域にしていきたい」との願いが込められた。 事務長で看護師の志賀共同代表(36)は「いおうじでは約600人の患者を診ているが約300人は施設におり、中には家に帰りたいという人もいる」とプロジェクトの原点を話す。4年前から構想し、この2年間でプランをしっかりと練り上げてきたという。 ショートステイと高齢者住宅、看多機を融合させることも珍しく、そこに訪問医療・応急外来を組み合わせる取り組みは例がない。志賀さんは「自宅に帰るための介護が未来の福祉の在り方と認められたのが表彰理由」と喜ぶ。