国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター / 特定集中研究専門員
ユーザの料理の好みを探り出して料理レシピを選ぶ対話システムを開発しました
実際に取り組んだのは、ユーザに質問を行って得た回答からユーザの好みに合った料理レシピを提示する対話システムです。 多数ある料理レシピから徐々に絞り込んで提示するタイプの対話システムや、料理レシピ間の関連性を連想知識のグラフとして表現し、ユーザの回答に沿ってグラフをたどることで、連想的に料理レシピを提示するタイプの対話システムを開発しました。 上記の対話システムは、料理レシピの提案に深層学習は使っておらず、どちらかというと知識ベースの情報とユーザの回答に含まれる情報との関連性に基づいて料理レシピの選別を行っています。このような枠組みで対話システムを開発している主な理由は、対話システムが提示する料理レシピに対して、ユーザが提示される理由を理解しやすくするためです。 対話システムが料理レシピを選んでくれた時、なぜ料理レシピが(自分の好みに合うものとして)選ばられたのか理由が知りたくなることがあるのではないでしょうか? 提示されたレシピが自分の好みに合うものだとすぐに理解できることもあれば、そうでないこともあります。対話システムの用途によって理由はほとんど不要なケースもありますが、理由が分からないと提示された結果を受け入れ難いというケースもあります。 これが、私が、対話システムにおいて「理由」がわかることが大切だと考える理由です。