高齢社会と自主防災のためのコミュニケーションシステム
CTの利活用が高齢社会デザインのために不可欠であり、総務省の「ICT超高齢社会構想会議」でも提唱され、具体的解決策が報告されているところである。筆者らは山間地域に住む者として、地方の高齢者世帯の置かれている状況と行政サービスの実状を考慮して高齢社会のサポートシステムを研究してきた。その主たる要件は高齢者の健康と生活支援や医療・介護機関との連携のみならず、地域(集落単位)ぐるみの災害発生時の自主防災・支援機能をも考慮していることである。自主防災を包括する防災システムの整備は行政の責務であることから、高齢者に経済的負担を掛けることなく高齢社会に備えたコミュニケーション基盤を実現することができる。本研究の提案が速やかに実現されることを期待して報告する。